
7月20日の投開票に向けて全国各地で熱い戦いが繰り広げられている参院選。ラサール石井(69)や世良公則(69)などタレントの立候補も注目を集めている。だが女性候補者の話題が少なめなのは気になるところ。
衆参両院での女性議員比率が19・0%と世界的にも低水準にとどまっている日本。時にスキャンダルなどで炎上してしまう人もいるが、それでもやはりもっと女性議員が活躍する姿を見たい。というわけで、「政治家になってほしい女性芸能人」を30代〜60代男女500人にアンケート。私たちの声を代弁してくれそうなのは誰!?
キャスター経験ありはイメージ的に強い!?

5位は今年3月まで報道番組『Nスタ』で8年間キャスターを務めたホラン千秋(36)。29票を獲得した。「自分の意見を持っていそうだし、何よりも話術がある」(石川県・60歳・男性)、「キャスターだったので世の中の動きを理解している」(東京都・59歳・男性)と、やはり『Nスタ』の印象が強いようだ。
「彼女は以前、民放キー局のアナウンサー試験を全部落ちているんです」と教えてくれたのは、放送作家でコラムニストの山田美保子さん。
「そこからはい上がって、今の地位を築いた方。『Nスタ』卒業後ガラリと髪色を変えて、バラエティーを主戦場にしていますよね。あの潔さは面白いなと思います」(山田さん、以下同)
また、山田さんは彼女のバランス感覚にも注目する。
「『Nスタ』時代もドラマやバラエティーなど幅広く活動していたので、バランス感覚が優れていらっしゃるなと。議員になると“ザ・政治家”になってしまう人も多いので、自由に立ち回れる彼女への期待が大きいのでは。自作の茶色いお弁当をインスタにアップする、ざっくばらんさも、人間的な魅力にあふれていますしね」

4位は31票で、クイズ番組での活躍ぶりが有名な宮崎美子(66)がランクイン。「知的で、世間の声に耳を傾けて柔軟に考えてくれそう」(埼玉県・40歳・男性)、「穏やかに見えて知識もあり。庶民の生活を理解してくれそう」(茨城県・52歳・女性)などの声が寄せられた。
「博識で勉強をちゃんとされているけれど、決してひけらかさず偉ぶらない方。自然体でほんわかしていて、今の政治家にはいないタイプだと。必要なことはしっかり言うけれど物腰は柔らかい点が、支持につながっているのかと思います」
また宮崎といえば、デビュー時のミノルタのCMを今でも鮮明に覚えている世代も。
「同年代のおじさまたちには絶対的な人気があると思います。政治家って、意外とそういう部分も立ち回っていく中で大事。強いだけじゃなくチャーミングでおじさま人気も高い議員はあまりいないので、貴重な存在という気がしますね」
女性の声を国会に届けてくれそうな女優

3位に入ったのは天海祐希(57)で46票獲得。数々のドラマや映画で、ビシッと筋の通った役を演じてきた天海には、「威厳がある」(宮崎県・66歳・男性)、「女性目線の発言をしっかりしてくれそう」(沖縄県・46歳・女性)、「礼儀正しく自分の意志をしっかり持っている」(埼玉県・36歳・女性)などのコメントが。
「役の印象も強いですが、もはやそれがご自身に乗り移っているような感じがします。リーダーシップがとてもある方で、宝塚時代は古いルールを改革していったという逸話もあるほど。年を経るにつれますますカッコよさが増していますよね」
また、ほかの人たちが女性票より男性票が多いかほぼ同数なのに対して、天海は圧倒的に女性票が多い点も興味深い。
「女性の声を代弁してくれそうという印象が強いんじゃないでしょうか。その期待を込めての票数なのかと思います」
逆に男性票が多かったのが、ホラン千秋。
「男性は同年代の女性と対峙すると腰が引けてしまうのかな。ホランさんのように若い女性に引っ張ってもらって元気をもらいたいのかも」
続いて阿川佐和子(71)が52票で2位に。「『ビートたけしのTVタックル』で的を射たコメントをするし、政治関係の知識も持っていると感じるので」(新潟県・69歳・男性)、「知的で、グローバルな目で物事を見られそう」(神奈川県・58歳・女性)など、やはり『TVタックル』での見事な進行が票につながったようだ。
「どんな論客相手でも落ち着いて進めていらして。阿川さんが感情的になっているのを見たことってないですよね。ベストセラーになった『聞く力』や週刊文春のインタビュー連載でもよくわかりますが、彼女の聞く力は本当にすごい。
政治の世界では国民の思いやほかの政治家などの意見を聞くことが大事なので、彼女ならしっかり受け止めてくれそうです」
山田さんは阿川と面識があるそうで、
「すごく可愛らしくて、飾らなくて。女友達でいてくれると、とても頼もしい存在の方だと思います。政治家になられたとしても、偉ぶらずに普通の感覚でやってくださるんじゃないかという期待感がありますね」
1位は超名門大学の現役女子大生タレント

そして1位に輝いたのは75票獲得で芦田愛菜(21)。「日本国民のために頑張ってほしい」(愛知県・56歳・女性)、「正論でいろいろなことを正してくれそう」(山形県・56歳・女性)、「若い人の意見を代弁してくれそう」(東京都・57歳・女性)、「常に本を読んだり勉強している姿勢が評価できる」(東京都・61歳・男性)と、慶應義塾大学に通う大学生で、まだ立候補できる年齢に達していない(衆議院議員は満25歳以上、参議院議員は満30歳以上)にもかかわらず、待望する声が多数。
「若手の論客の方々も最近多いですが、やはり愛菜ちゃんは別格。先日のサグラダ・ファミリアを訪れた番組でも、質問力や知識が素晴らしかったです。また、彼女はCMクイーンでもありますが、行政広報などのコマーシャルも多いんですよね。
議員という形ではないにしろ、各省庁の委員会や会議などに若い人代表としてオファーされる可能性は極めて高いなと思います」
'10年のドラマ『Mother』から芦田に注目してきた山田さん。
「小学校高学年くらいから、愛菜ちゃんの楽屋が静かになって。読書をしていたそうなんです。あらゆるジャンルの本を読んでいて、さまざまな分野に詳しくて好奇心旺盛。その上、しっかりしていて礼儀正しい。今年、国連開発計画親善大使にも就任されましたけど、民間外交でも力を発揮しそうですよね。これからそういったお仕事も増えていく気がします」
6位以下では「ズバッと発言できるし物知りでカッコいい」と、8位のアンミカ(53)が気になると山田さん。また、6位の高嶋ちさ子(56)や8位の上沼恵美子(70)もズバッと言ってくれそうな女性の代表格だ。
「このおふたりは子育てをなさってるんですね。母としての目線を持っていて、しかも嫌われるのも怖くないという勢いでビシッと意見をおっしゃる。主婦にとっては憧れの存在だと思います。
女性は個人性の生き物といわれますけど、今の女性は当然、社会性にも長けていて。その割合は人によってさまざまですが、高嶋さんと上沼さんはその両方が強いと思うので、そこに期待する人も多いのかと」
最後に、山田さんがタレント議員に望むことは?
「以前、国会議員の方に聞いたんですが、やりたい人が多くはないので、擁立は大変らしいんです。そんな中で志を持って出馬された方たちが、派閥などにのみ込まれてしまうのは残念だなと。タレントの方は、男性も女性も個人性が強く独自の人脈も広いと思うので、ぜひ最初の気持ちのまま輝き続けてほしいなと思っています」
選挙戦もいよいよ終盤。日本がいい方向へ向かうよう、しっかりと見定めて投票しよう!

<取材・文/今井ひとみ>