左から田原俊彦、中居正広、国分太一、山口達也

 共に10代で業界に入り、20代でトップアイドルに。その後は、タレントとしてバラエティー番組で、役者としてドラマや映画で、もちろんアイドルとしてヒットを飛ばした。平成期の男性アイドルのトップをひた走ってきた2人に、芸能人としての“未来”はもうない─。

 中居正広(52)、国分太一(50)。

「1990年代から2000年代のジャニーズ事務所の全盛期を支えた面々はもう50代。そんな彼らが令和になり、ほぼ同時期に芸能界から姿を消すことになるとは。それも身から出た錆で……」(芸能ジャーナリスト)

 中居は2024年12月、複数の週刊誌でほぼ同時に女性とのトラブルが報じられた。調査を行った第三者委員会によると、当時フジテレビに所属していた女性アナウンサーに対し、《『業務の延長線上』における性暴力で、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症する重大な人権侵害》(調査報告書より)と認定された。

 一方の国分。2025年6月、『ザ!鉄腕!DASH!!』を放送する日本テレビが、コンプライアンス上の問題行為が複数あったとして、レギュラー出演していた国分の降板を発表した。

“何があったか”は明かされないまま

「日テレは国分さんの件について会見を開き、また所属事務所である株式会社TOKIOからも同じ日に謝罪と国分さんの無期限の活動休止が発表されました」(スポーツ紙記者、以下同)

 日テレもTOKIO側も“何があったか”については口をつぐんでいる。

「ハラスメントの内容については、性的な写真や動画を番組の制作スタッフに要求した、また自身のものも送ったなどというセクハラ行為が多々あったことが複数のメディアで伝えられています」

 その後、グループとしてTOKIOは解散、事務所も廃業となった。

スタッフが用意したプールで下着姿になって涼む国分太一(元スタッフ提供)

「中居さんは芸能界からの引退を発表。国分さんは無期限活動休止に“とどまっている”といえますが、自身のせいでグループ解散、事務所は廃業とあれば、帰る場所はなく、実質的な引退でしょう」

 五十にして天命を知る─とはいうが、なぜ彼らは50にしてこのようなトラブルを起こしてしまったのか。もちろんその内容は、報じられている限り年齢など関係ない悪辣なものなのだが。

「どうしたって“現場”では王様なんですよ」

 そう話すのは、番組制作関係者。

ジャニーズ帝国に守られ続けた“王様”たち

中居さんも国分さんも、当人がいなければ番組が成立しないタレント。かつ、もともとはスタッフ的な警戒度が高いというか最大限に気を使うジャニーズ所属。

 少しでもトラブルがあったら何を言われるかわからないといった状況になる。タレントと制作スタッフはどうしても上下の関係になりますが、ジャニーズのトップたちとは、それが“絶対的”なものになりがちです」(番組制作関係者、以下同)

 報じられている限り、彼らの“被害者”は、会社でホステスのような立場を取らされていたテレビ局所属の女性アナと番組の制作スタッフたちだ。

被害の“土壌”として、彼らは王様的立場にあった。引退や休業につながった性的なトラブルだけでなく、現場スタッフにかなりキツめな物言い、対応をしていた。番組制作の現場というのは、“後日放送する”という性質上、限られた人しか内情を知らない閉鎖的な環境でもあります。そしてジャニーズという“帝国”も力を持っていたゆえに他の影響を受けない、受けさせない閉鎖的環境だった

 彼らは数十年間、その“庇護”の下にいた。

2020年、独立会見でおちゃらける中居正広

「ジャニーズに限りませんが、いわゆる“大御所”といえるレベルのタレントさんは、“自分の言うことが通らないなんてありえない”というような感覚。少なくとも環境がそうさせています。

 時代が変わり、ハラスメントという言葉が一般的になっていても、ガラパゴスで閉鎖的な環境で居心地の良い椅子に座っていれば、時代が変わってもそれに気づかないし、気づけない。またもしくは、自分のような人気タレントであれば受け入れられるでしょ、となる。もちろん全員がそうではないですし、スタッフが過剰なまでに気を使い、持ち上げすぎ、彼らがああなってしまう環境をつくってしまっていたともいえます」

 中居と国分は、その“対応”も似通っている。

会見を開こうとせず、自らは語らない

「結局“何”があったかハッキリしない。会見をせず自ら語らない。共にテレビ局を巻き込んでいる。中居さんは代理人を使ってたびたび否定するようなことをしていますが、語らない。

 国分さんは“何かがあった”としか公式発表はなく、局側もだんまり。

 とにかく本人たちが動かない。令和の時代は事務所がどうとかではなく、タレントやアーティスト本人がいちばん行動する。それで人気を得る。何かあれば当人が表に出て、発言する。中居さんや国分さんの動きを見ると、常々事務所や周りが助けてくれてきたこと、そして当人たちは“今でも”その意識でいることを示していると思います」

 ジャニーズの性的トラブルでいうと、国分より先に契約解除の形でTOKIOを脱退している山口達也(53)も。

「現在は講演活動で全国を飛び回っています。議題は自身がアルコール依存症だったことから“依存”について。しかしながら芸能界引退に直接つながったのは、2018年に起こした、仕事で知り合った女子高生に対する強制わいせつです。それは一切講演会では語られません。第二の人生は素晴らしいことですが、その点で誠実ではなく……」

『爆笑問題の日曜サンデー』に出演した田原俊彦。セクハラ言動が炎上した(番組公式ホームページより)

 中居・国分のジャニーズの先輩にあたる田原俊彦(64)もつい先日、

「6月に出演したラジオ番組で共演者の女性アナウンサーに対し、手を握ったり、下ネタ発言を繰り返したことが“不適切”だと批判を呼びました。田原さんはその後、謝罪しています。

 ただ、田原さんは4月に男性グループ『超特急』のイベントにゲスト出演した際も、“乳首見えてるよ! (自分的に乳首の色は)ピンクが好きだな”“今の動きオネェ入ってた”などの下ネタ発言。そのうえ超特急側が呼んでくれたイベントにもかかわらず、メンバーに対し“ダンス下手だったやつ”と表現するなど見下した発言をしていました。もう染みついているというか」(スポーツ紙記者)

俺に手を握られてうれしいでしょ?

 前出の芸能ジャーナリストは、トシちゃんの行為について次のように話す。

「見事なまでに“昭和”を引きずったまま生きている。女性アナウンサーや若い男性グループに対しての行為は、トシちゃんにとっては“サービス”の感覚でやっていると思います。女性の手を握るのは、“ビッグ”でトップなアイドルだった俺だからうれしいはず、くらいに思っているのでは。下ネタや若い男性メンバーへの発言は、“イジり”としてウケると思っているでしょう。トシちゃんも、中居さんと国分さんもそうですが、一度、絶大な人気を博し“俺様”になったタレントが、その意識を変える、アップデートすることは難しい」

 性暴力も性的な画像の要求も時代問わず“悪”だ。しかし、彼らは「でも、俺はそれに当てはまらないべ。だって俺だもん」とでも思っていたのか……。