
7月11日に、大手コンビニストアチェーンのセブン-イレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングスがXで投稿した内容が波紋を呼んでいる。
台湾の「中国(台湾)」表記が問題視
ポストは現在削除されているが、その内容は7月11日の《#セブンイレブンの日》にちなみ、《世界の#セブンイレブンのユニフォームを紹介》《現在、セブン-イレブンは19の国と地域に展開しており、それぞれで#ユニフォームが異なっています》と画像付きで紹介。《皆さんはどのユニフォームが好きですか?》と呼びかけるものだった。
そこでの一部表記が物議をかもしたと指摘するのは政治ジャーナリストだ。
「制服が紹介されたのはアメリカ合衆国のほか、韓国、フィリピン、ベトナム、インドなどでした。タイ、ラオス、カンボジアは同じ制服が用いられるなど、興味深い事実を知ることができましたが、問題になったのは台湾が“中国(台湾)”と記されていたことです」
これを受けてネット上では批判と疑問の声が相次いだ。
《セブンイレブンは今後一切商品名に「台湾」を利用するのやめるべきですね 失礼すぎる》
《アメリカのハワイは『アメリカ(ハワイ)』ってしてないんだから台湾も同じようにしたらよかったじゃん》
日本のセブン-イレブンでは台湾ラーメンや台湾スイーツなどの商品を展開していることに対する批判などが多く聞かれた。なかには《ごめん、台湾人としてこれが一番気持ち悪いです》と当事者と思われる人から不快感を示す声も。
批判を受け、セブン&アイ・ホールディングスは該当ポストを削除。《当社の公式SNSアカウントにおいて本年7月11日に投稿いたしました「世界のセブン-イレブンのユニフォーム」の画像に記載された一部の国・地域の名称における表記につきまして、多くのご意見をいただいております。この度の投稿は配慮に欠けるものであったと当社として真摯に受け止め、当該投稿を削除するとともに、ご不快な思いをされたすべての皆様に心よりお詫び申し上げます》と謝罪した。
ところが、訂正した制服紹介画像を再掲しなかったことに対して、《削除しただけでなんで修正版を再ポストしないんだ》との指摘や、《配慮に欠けるから苦情を言ったわけではなく間違っていたから苦情を言ったのです。謝罪になっていません》といった指摘も。
問題の背景を前出の政治ジャーナリストが続ける。
「台湾と中国の関係は非常にセンシティブです。台湾は実質的に独立国家だと主張していますが、中国はそれを認めていません。なので、セブンイレブンとしても“中国(台湾)”を単純に“台湾”に変更すると、それはそれで中国を刺激することに。
批判を受けたポストでは当初、“19の国と地域に展開”と説明していたため、この場合は最初から単に“台湾”と記すだけでよかったはずなのですが……」
セブン-イレブンは思わぬところから、根深い政治問題に首を突っ込んでしまったようだ。