
「令和の米騒動」といわれる米不足が、ここ1年ほど続いている。価格上昇に歯止めがかからない中で、政府は8月5日に米の安定供給に向けた関係閣僚会議を開催。石破茂首相や小泉進次郎農林水産大臣が参加し意見を述べたが、その内容がネット上で賛否を呼んでいる。
小泉農水相「判断を見誤ってしまった」
この会議では、米の価格高騰に関する検証結果を公表。農水省が需要の見通しを見誤り、さらに、備蓄米の放出が遅れたことも要因だったとしている。
「5月に“米は買ったことがない、売るほどある”などと発言して世間から批判を浴び、辞任した江藤拓元農水大臣は、1月に“米はある。どこかにスタック(停滞)していると考えざるを得ない”と主張していました。
生産量は足りているが、うまく流通していないという説明でしたが、関係閣僚会議でこの認識は誤りだったと説明。
小泉農水大臣は“農水省の責任はもちろんあります”“この責任を重く受け止めて、これを機に米の増産へと舵を切って、政策の強化に全力で取り組みたい”などと語っています」(全国紙政治部記者)
小泉農水大臣は会議後、記者団に対して「日本の人口減少などに伴い、米の需要は減り続けるだろうといった見通しだった」と説明。
消費動向をリアルタイムで把握すべきだったが、「そこの判断を見誤ってしまった」と反省を述べていた。
農家の本音「急に増産と言われても…」
「見通しが甘かったことを認め、大きく方針を転換したことを評価する声は多いです。ネット上には《今までの政府や行政は間違いを認めなかった。しっかり分析して反省するだけ小泉さんはマシ》《トップがミスを認めて反省することでやっと前に進める。ここからが正念場だと思います》など、小泉農水大臣の姿勢は指示されているようです。しかし、増産へ舵を切るといっても“そう簡単にはいかない”というのが、今の世論ですね」(前出・全国紙政治部記者)
というのも、日本の農業人口は減少を続けており、高齢化も深刻な状況。農水省の調査によれば、2010年に240万人だった農業従事者は2023年に116万人まで減少。平均年齢も62.2歳から68.7歳に上昇した。

そんな状況もあり、ネット上には現場のリアルな声が多数投稿されている。
《急に増産と言われても「はい、やりましょう」とはならないですよ。近所の兼業農家さんも高齢になり、自分の家で食べるお米しか作れないのが現状です》
《増産って、そんな簡単にできるもんじゃないよ? 実家が農家だけど、高齢者が増えて広い土地を耕すのだって大変。もうちょっと現状を把握してから政策を考えてもらえますかね》
《天候によって収入は不安定になるし、収入は働きに見合わないし、割に合わないのでみんなやめていく。農家の経済面を国が支えないと、高齢者だけじゃなく若い人もいなくなるでしょうね》
小泉農水大臣は「令和の米騒動」収束に向けて、うまく舵取りができるだろうか――。