集団暴行事件が取り沙汰されている広陵高校野球部(公式サイトより)

 “暴力騒動”が話題を呼んでいる広陵高校野球部。8月10日、広陵高校の校長らが会見を開き、出場中の全国高校野球選手権大会を辞退することを明かした。

広陵高校、2回戦は“出場辞退”

「広陵高校は1回戦に勝利し、13日には2回戦に出場する予定でしたが、これを辞退。校長によると、広陵高校の生徒は登下校で誹謗中傷を受けたり、追いかけられたりするなど、危険な事態に発展しているとのこと。校長は“生徒、教職員、地域の方々の人命を守ることは最優先する”として、辞退に踏み切ったといいます」(スポーツ紙記者)

 この会見を受け、広島市議の椋木太一氏が自身のXで、

《高校野球・広陵の辞退の件、やはり「SNSのせい」がトレンド入りしている。SNSのせいにして、学校側が被害者ポジションを取っていると見透かされている証左だ》

 と反応。さらに、読売新聞の広陵高校に関する記事を引用する形で、

《まるで、「SNSのせいで辞退に追い込まれた」と言わんばかりの論調に違和感しかありません。事の本質は、学校や高野連の暴力事案に対する認識の甘さなどに起因する、初動対応のまずさや鈍さでしょう。教育現場での暴力事案を“SNS炎上騒動”にすり替え、被害者ポジションを得ようとする学校や高野連、また、SNSの無力化に必死なオールドメディアの利害が一致したとみえる》

 とコメントし、憤りを示している。市議の投稿に対しては、

《ちゃんと声を上げてくれる人がいてよかった》
《このような公人がもっと声を大にしてほしいです。広陵高校は「教育の場」なのですから…》
《的確だと思う。SNSはきっかけだったかもしれないけど、本質的ではない》

 など、賛同する声が多く上がった。

「広陵の暴力事案が発覚したのは、今年2月。被害を受けた生徒は転校することになるなど、事態は深刻でしたが、高野連は厳重注意に済ませ、大会出場は問題ないとしました。SNS上では暴力行為の中身についての憶測が拡散される一方で、広陵高校陣営や高野連への批判が過熱。

 椋木さんの言うように問題なのは、広陵高校と高野連の対応。たしかに、SNS上では目に余る誹謗中傷も見受けられますが、問題の本質はそこではないです。何がいけなかったのか、しっかりと分析し今後の対策に努めなければ、同じことを繰り返す可能性もあります」(前出・スポーツ紙記者)

 広陵高校と高野連は生まれ変わることができるのだろうか――。