“KK”こと桑田真澄(左)と清原和博

 夏の甲子園で熱戦が繰り広げられている。灼熱の太陽の下で球児たちが白球を追う夏の風物詩ーーであるが、以前とは少し趣が違う試合も。

「酷暑から選手を守るため、試合を午前と夕方に分ける『2部制』を本格的に導入。8月14日時点で最も遅い試合は、19時49分開始でした」(スポーツライター)

大きく変わった甲子園制度

 甲子園の長い歴史でひときわ輝き、今なお語り継がれるのは、やはり“KK(桑田・清原)コンビ”だろう。ただ、昭和だったKKの時代と比較して、令和の今は甲子園も多くの変化が見られる。

 やはり高校球児といえば、短髪。桑田真澄も清原和博も荒木大輔も、みんな丸刈りが当たり前だった。

「高校野球では髪形の自由化が進んでいます。日本高野連が5年ごとに行っている『高校野球実態調査』によると、2023年発表のデータで部員の頭髪の取り決めについて“丸刈り”と答えたのは全国で26・4%。2018年時点では76・8%なので激減しています」(同・スポーツライター、以下同)

 とはいえ、甲子園にたびたび出場するような“強豪校”は依然として丸刈りが多い。

「丸刈りを継続している理由としては、清潔感やチームの一体感など。また、選手が自発的に短髪にしている学校もある。今大会だと、いじめ問題を発端に出場辞退した広陵高校がまさにそうです。監督が自由化を提案しましたが、選手たちは“歴史を変えるのは嫌だ”と拒否したそうです。

 一方で、大谷翔平選手を輩出した花巻東高校は、2018年に“丸刈りにしないといけない理由が見当たらない”とプレーの邪魔にならない程度に自由にしています」

 変化はまだまだある。

「高野連は今年から公式戦での投手1人の投球数を“1週間500球以内”と定めました。2020年春から試験的に導入していましたが、正式ルールに。優勝した1985年夏の桑田さんの投球数は522球。大差のため6回で降板した試合が2度あってこの数字です。

 ちなみに甲子園最多は2006年夏に優勝した“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹さんの948球。プロ入り後の成績が芳しくなかった理由に、甲子園での“投げすぎ”を上げる人もいますね」

 選手の酷使を防ぐためのルール変更では、タイブレーク制導入(延長10回表から無死一・二塁で開始)、ベンチ入り人数の拡大(15人→20人)などがある。

「用具面では、2024年より『低反発バット』に完全移行しました。それまでのバットより低反発で打球速度が抑えられ、投手の負担軽減やケガ防止、飛びすぎる金属バットによる“打者有利”を改善する目的です。ホームランが少なくなったため、否定的な声もあります」

 以前は甲子園のグラウンドは“女人禁制”だったが、

「2022年より女子部員による試合前のノックの補助、2023年よりノッカーを務めることができるようになりました」

 KK時代とはさまざまな面で変わったが、きっと令和も新たなドラマが……。