家のゴミがお金にかわる!ネットのフリマ技

 物価の高騰が続く昨今、「苦しい家計を少しでもなんとかしたい!」と考えている人は多いはず。家にある不要品がフリマアプリで売れると聞くけれど、なんだかむずかしそう……。

家の隠れ資産を売って稼ぐ!

「写真を撮って、どんな出品物か簡単に書くだけ。アプリの操作も直感的なものが多く、すぐに覚えられます。実際、50代以上でフリマアプリを活用している人はどんどん増えていて、1人あたりの出品数は20代より多いというデータもあるんですよ」

 そう話すのは、フリマアプリの専門家としてメディアに多数出演している川崎さちえさん。むしろ週女世代こそ、フリマアプリで“お小遣い稼ぎデビュー”するメリットが大きいとすすめる。

「今の50代~60代は幼少期に“もったいない精神”を叩き込まれている人が多く、物を捨てられない方が多い。逆にいえば、家に眠っている“売れる物”の量が多いんです。バブルを知っている世代ですから高級ブランドの衣類など、高値の物がある可能性も。フリマアプリ『メルカリ』によると、50代~60代の夫婦世帯の“隠れ資産”(理由なく自宅に保管している不要品の総額)は約130万円で、20代~30代の夫婦世帯の約1・7倍になるともいわれてます」(川崎さん、以下同)

 さらに、フリマアプリで物を売ることは、終活に向けての整理整頓も兼ねられる。

「自分のペースで家をスッキリでき、お財布にもプラスになるので一石二鳥です」

 最近は、テクノロジーの進化によってフリマアプリでの出品がより簡単になっていると川崎さん。まさに“今が始め時だ”と後押しする。

「例えばメルカリは、昨年『AI出品サポート』というサービスを始めました。アプリで売りたい物の写真を撮り、商品カテゴリーを選ぶだけでAIが自動で商品説明文を作ってくれるので、本当にラク。もちろん、販売する商品について“ここに傷があります”といった注意書きなどの加筆は必要ですが、気軽に出品しやすくなりました」

初心者は売りやすい本の販売から始めて

 フリマ初心者が最初に出品するのにおすすめなのが“本”だと川崎さん。

「手軽に出品ができる上、梱包も発送もしやすい。新品で買うほどではないけれど、安ければ欲しいという層が多いので、何となく買ったレシピ本やもう読まない漫画などを出品してみて。売れたという成功体験を得られれば、続けるモチベも上がります」

 “売れる”経験を積んだら、次は“稼ぐ”にシフト。家に放置されていた“売りたい”物をどんどん出品していこう。売れやすい物や価格をリサーチしながら、季節物は時機を逃さないといった基本を押さえるのがコツ。

「経験上、出品した物の約7割は売れます。1人でも“欲しい”と思う人がいればよいわけですから、“これは売れないかも”と思っても売りに出してみることが重要。

 私自身、北海道土産の定番だった“木彫りの熊”や“ノベルティのエコバッグ”が売れたこともあります。自分にとってはゴミでも欲しい人はいると思って家の中のお宝を探索してみてください」

家にある売れ筋アイテムと売り方のコツ

 フリマアプリ歴約10年の川崎さん流の売れ筋商品と売り方のコツを紹介。参考にして早速始めてみよう!

昭和レトロな器やグラス

もったいないと捨てがたい食器も換金アイテム! ひと昔前の「花柄」などが人気

 昭和&平成レトロを切り口としたブームは継続中。

「昭和な雰囲気を感じさせる花柄のグラスなど、懐かしさのあるデザインが若い世代にウケています。“#昭和レトロ”などたくさんタグづけして出品し、なるべく多くの人の検索に引っかかるようにするのが売れるコツです」(川崎さん、以下同)

古い本も売れる!

「実は洋服よりも断然売りやすいのが本。古い本も、書店では取り扱いがないからとフリマアプリで探している人が買ってくれます。初心者の方は、まず1か月くらい出品してみて、いいねやコメントなどの反応がつくか試すのも◎」

匂いが合わない“洗剤や柔軟剤”はまとめ売り

「日常で使う物をお得に手に入れたいとフリマアプリを利用している人も多い。お中元などの頂き物で匂いが苦手で使っていない洗剤などは、封を開けていてもその旨を記載し、同じ理由で使っていない柔軟剤などとセットにして出品すれば売れる確率が上がります。

 お中元のセットはちゃんとしたメーカーの良い物なので、特に売れやすい。油のセットなんかも、賞味期限が長いので取引されやすいです。食品は出品のルールが細かいので確認を」

マニアが狙う限定アイテム

実際にメルカリで出品されているハーゲンダッツのふた

整理整頓をして引き出しの奥から出てきた、コレクション的な要素が強い物は捨てずに確保を。例えば、サンリオなどの根強いファンが多いキャラ物の「ご当地キーホルダー」や、昔流行した「観光地名入りのペナント」などだ。

「今だと手に入らない、コレクターアイテム的な要素が強い物は狙い目です。ほかにも、ハーゲンダッツのふたやチロルチョコの包装も、実は売れ筋アイテム。特に期間限定、地域限定などのパッケージ物は売れやすい。ゴミに見えてもコレクターにとってはお宝です」

夏休みの工作に使えるラップの芯

「夏休みシーズンには、小学生のお子さんがいるご家庭で、自由研究や工作に使うためにラップの芯や牛乳パックを探すケースも。そういった“この時季だからこそ”のニーズがあるアイテムを出せば、すぐに買い手がつくこともあります」

教えてくれたのは川崎さちえさん

川崎さちえさん

All About「フリマアプリ・ネットオークション」ガイド。フリマアプリ歴は約10年。雑誌やテレビなどメディアに多数出演し、フリマアプリの魅力や売るコツなどを伝えている。

<取材・文/河端直子>