神奈川・茅ヶ崎で、床下から男性の遺体が発見された団地

「遺体を床下に埋めるなんてサスペンスドラマみたいで怖いわねぇ。だって、土を掘り起こす音も聞こえてこなかったし、スコップを持っている姿だって見ていませんからね……」(近隣に住む女性)

 神奈川県茅ヶ崎市にある団地の1階。3LDKの部屋で床下の地中から、一部白骨化した身元不明の遺体が見つかったのは8月8日のこと。

フルカラーの入れ墨が首元や手首までビッシリ

 県警本部の暴力団対策課と茅ケ崎署は同月9日、死体遺棄容疑でこの部屋に住む無職・小椋(おぐら)亮容疑者(44)と、交際相手の無職・岡安唯容疑者(38)を逮捕。その後の調べで、遺体は2024年春ごろからカップルと同居していた男性会社員・武田和実さん(当時54)であることを確認した。

「昨年5月ごろ、武田さんと連絡がつかなくなったのが事件の始まりでした。3か月が過ぎても行方はわからず、昨年8月に勤務先の建築関係会社の同僚から警察に行方不明届が提出されました。

 警察は現場宅を複数回調べるなど地道に捜査を進め、容疑者のひとりから“床下に埋めた”とする自白を引き出し、地中を掘削して遺体を発見したのです」(全国紙社会部記者)

 県警によると、両容疑者は共謀のうえ、2024年4月下旬ころから同年5月上旬ころまでの間に遺体を遺棄した疑い。

 団地の住人らによると、現場の部屋はもともとは小椋容疑者の実家だった

小椋容疑者が幼少のころに父親は病死し、母親が一家を支えていました。10代のころの小椋容疑者はいわゆる不良少年。やがて結婚して家庭を持ち、母親と母方の祖母、妻と3人の子どもと暮らしていました。

 ところが、ここしばらく家族の姿を見かけなくなっていたんです。どうしたのかな? と心配していたところに事件が発覚したんです」(団地の女性住人)

《神奈川・茅ヶ崎》小椋亮容疑者が住む遺体を遺棄した現場宅。この扉の向こう側で犯行があった

 小椋容疑者の妻は、岡安容疑者とは別人だという。

岡安容疑者は若く見えました。フルカラーの入れ墨が首元や手首まで入り、小椋容疑者も背中一面や両腕に入れ墨があったので、似た者同士という印象です。ペアで入れ墨がびっしり入っているのは珍しいし、岡安容疑者の絵柄はおしゃれタトゥーのようなワンポイントではなく、威圧感がありました」(地元の男性)

《神奈川・茅ヶ崎》死体遺棄で逮捕された小椋亮容疑者宅のベランダには干しっぱなしの洗濯物があった

 風体を別にすれば、小椋容疑者の評判は悪くない。入れ墨を隠すように振る舞い、堂々と見せつける岡安容疑者とは対照的だった。

小椋容疑者の車を洗車する50代くらいの男性

「ニコニコと挨拶するし、腰が低くて感じのいい男性でした。以前は何らかの会社を経営している様子で、従業員らしき若い男性が何人も部屋に出入りしていました。小椋容疑者から“ちょっと出張に行っていまして”と話すこともありました」(団地の男性住人)

 容疑者宅に集まる若い男性らは近隣の路上にたむろすることもあった。そんなとき、小椋容疑者は「すいません」と地域住民に詫びるなどの配慮を欠かさなかったという。

「ヤンチャそうな風貌の若者が目立ち、小椋容疑者は“兄貴分”として面倒をみているようでした。家族と暮らしていたころから部屋に出入りしていたため、部屋はパンパンだろうなと思っていました」(別の男性住人、以下同)

《神奈川・茅ヶ崎》小椋亮容疑者が乗っていたという高級国産車

 50代くらいの男性の目撃情報もあった。それが遺体となって発見された武田さんなのか、小椋容疑者の高級国産車を洗車していたこともあったという。

「どう見ても年上だったけど、仕事上は小椋容疑者の部下なのかなって」

 小椋容疑者の妻子や母親はなぜ自宅を出ていったのか。武田さんはどのような経緯で亡くなり、なぜ埋められなければならなかったのか。アラフォーカップルとの関係を含め捜査が本格化しそうだ。