悠仁さま

 1年前の今頃は、悠仁さまがどの大学へ進学されるのかが大きな関心事だった。皇族が進学された前例のない筑波大学でのキャンパスライフは驚きの連続で─。

“意外と陽キャ”な悠仁さまのキャンパスライフ

「お住まいの赤坂御用地から筑波大学まで、およそ70km。車だと1時間半ほどかかることから、入学される前までは“大学の寮か大学周辺の賃貸で一人暮らしをされるのでは”と関係者の間で囁かれていました。

 しかし、実際には赤坂御用地から車や電車を使って通う方法と、大学付近に借りた賃貸住宅から通う方法を組み合わせています。この“2拠点生活”は、報道関係者も予想していないことでした」(皇室担当記者)

 悠仁さまの通学スタイルについて、ネット上では“電車や車での通学はむしろ危険なのでは”“どちらかに統一したほうが警備をしやすいのでは”といった声が上がった。国際ボディーガード協会の副長官でアジア地域統括責任者を務める小山内秀友さんはこう解説する。

「生活拠点が複数箇所あるということ自体は、悠仁さまの安全について直接の影響はありません。しかし、生活拠点が2か所ある場合、2拠点ともに安全の確保が必要となるため、警護官の数が倍、またはそれ以上が必要となるでしょう」

 悠仁さまの学生生活で注目されたのは2拠点生活だけではない。

「思いのほかキャンパスライフを満喫されるお姿に驚きの声が上がりました。部員100人を超えるバドミントンサークルに入部し、練習に打ち込まれています。サークル内や同じ学部内でも続々と友人ができているようで、大人数でカラオケに行っては夜遅くまで熱唱されることもしばしばあるそう。

 高校までの悠仁さまは、お出ましになっても表情が硬く、言葉数も少なかったことから“お人柄が見えない”といった指摘がたびたびありました。大学での楽しそうな生活ぶりに“意外と陽キャ”と驚く人も多いようです」(皇室ジャーナリスト、以下同)

悠仁さまに課された“謎ルール”

 ご友人と大学の外で食事をしたり、遊ばれることも多い悠仁さま。そのお姿はたびたび目撃されている。

「4月にはファミリーレストランの『ガスト』でお食事を。5月には全国に360店舗を構えるカラオケチェーン『カラオケバンバン』へ。6月下旬には牛丼チェーン『松屋』で目撃されています。筑波大周辺は個人経営の飲食店や娯楽施設が多く、学生はそうしたお店にも行くことが多いそうですが……」

筑波大学附属高校時代からバドミントンに打ち込まれた悠仁さま。経験者らしい確かな腕前だという(宮内庁提供写真)

 相次ぐチェーン店での目撃は偶然ではないようで、

「悠仁さまは、基本的にチェーン店にしか行けないと周囲に伝えているようです。警備の都合や、未成年飲酒を防ぐ狙いがあるようで、これはご両親の意向も強く関係していると聞きました。

 昼食など、短時間で食事するのであれば個人経営のお店に行ってもいいようです。そういった場合は、いわゆる町中華にも行かれるみたいですが、長居する場合はチェーン店にしか行けないそうです」(サークル関係者)

 元警視庁公安捜査官で防犯コンサルタントの松丸俊彦さんは、警備面におけるチェーン店の利点をこう解説する。

「チェーン店には本社や本部があって、地区ごとに店舗を監督するエリアマネージャーがいるため、現場への指示が徹底できます。

 例えば、悠仁さまが来店される日には、業務に慣れたベテランにシフトに入ってもらったり、警衛側が事前に店舗を訪れて現場をチェックすることにも協力的だったり。個人経営店と比べて、店側との交渉で融通が利きやすいのだと思います」

 一見、謎に思える“チェーン店以外はNGルール”だが、悠仁さまを守ろうというご両親の深いお考えがあるようだ。一方、父である秋篠宮さまはかなり奔放な大学生活を送られていた。

「秋篠宮さまは大学時代、目白の学習院大学のそばにある小さなスナックが行きつけで、ご友人とよく顔を出されていたそうです。カラオケでモノマネを披露したり、居合わせた見ず知らずの客に“よろしかったら、こっちへ来て飲みませんか?”と声をかけたりと、自由気ままな振る舞いだったといいます」(前出・皇室ジャーナリスト)

危険が潜む、大学構内

 しかし、秋篠宮さまのときと悠仁さまの場合とでは状況が異なると前出の松丸さん。

「学習院は昔から皇室の方々が通われている大学なので、警衛側は周囲の店を知り尽くしています。どこの店が協力的だとか、どこのママさんがいい人だとかを把握しているので警護もしやすい。一方で経験値のない筑波大学となると、お店側も慣れていませんから苦戦するのは当然です」

ご友人と会話しながら筑波大学の構内を移動される悠仁さま(読者提供)

 松丸さんは危険が潜むのは学外だけではないと続ける。

「意外と危険なのは大学の構内です。上皇さまも天皇陛下も、国民との親和性を重視し、警衛によって物々しくなることを避けていらっしゃった印象です。おそらく悠仁さまが構内を移動される際も、警衛はぴったりとお隣につくのではなく、目立たないように少し離れた場所に控えていると思います。

 その場合、階段を上る際など、どうしても死角になったり見えにくくなる瞬間があります。その瞬間を狙われた場合、かなり危険な状況になりかねません」

 悠仁さまの身を守るため、2つのことが必要だと、前出の小山内さんは言う。

「警護には“待ち伏せによる攻撃”を防ぐことが必須です。そのためには訪問先や移動ルートに“ルーティン”をつくらないこと。“何日にどこへ行く”という情報をできるだけ他人に知らせないようにすることが必要です。

 このルーティン管理と情報管理をきちんと行うことで“待ち伏せ”による脅威を減らすことができ、悠仁さまの身の安全性が格段に上がります」

 悠仁さまのご卒業まで少なくとも3年半。ご両親が納得する警護体制を築き、無事に卒業されることを願うばかりだ─。

小山内秀友 世界最大の要人警護組織IBA(国際ボディーガード協会)副長官兼アジア地域統括責任者。著書に『要人警護業務:ボディーガード(身辺警護・要人警護)の世界』
松丸俊彦 元警視庁公安捜査官。退職後、外務省やJICAなどで警護コンサル業務を担い、現在は防犯コンサルタントとして講演会やメディアでの発信を行う