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「頑張って自炊しているのに食費が上がるいっぽう」主婦の「みさむー」さんは月5万円だった食費を2万円ダウンさせ、年間24万円の節約に成功した。しっかり食べて健康を維持しつつ、ケチ道を邁進する日々の生活をのぞき見!

工夫しておいしく食べ切るかが大事

 衝動買いをしてはお金に困り、夫婦ゲンカをする両親を反面教師に、学生のころから身の丈に合った生活を心がけていたという、節約マニアの主婦「みさむー」さん(38歳)。

将来、自分の子どもには金銭的な不安がない生活をさせたいという気持ちがありました。結婚後もそのつもりでいたのですが、不慣れな土地に引っ越したこともあり、買い出しは普通に近所のスーパーや宅配がメインに。そのうち食費が10〜15%増えると、だんだん予算の5万円で収まらなくなってしまって……

 そんなとき、近所に業務スーパー“業スー”がオープンしたことが家計の転機に。

今まで行ったことがなかったので、最初は『どんな商品が売っているかわからない』と、何となく敬遠していました。でも様子を見ながら利用するうちに、月末にお金が余ることが続くようになって。『これはうまく使えばかなりの節約になるのでは』と

 そこから試行錯誤をし、業スーで本当にお得なもの、使える商品を精査。お得な買い方を編み出し、食費は月5万円から現在、3万円に。

例えば、安価な鶏むね肉料理ばかりだと、子どもが飽きてしまいますし、育ち盛りなので炭水化物でカサ増しする食事も避けたい。いかに工夫して、おいしく食べ切るかが大事だと考えています

 前日の料理をリメイクして食べ切る工夫も、家族には好評なんだそう。

「1日目はポトフ、2日目はカレー、3日目はカレーうどん、というように、ベースを大量に作ったら、そこからアレンジ。時短にもなりますし、節約効果も大です

 あわせて所得税・住民税が控除される「ふるさと納税」を積極的に利用している。返礼品には、高級食材ではなく、日々よく使う食品を選ぶようにしているそう。

以前はお米も頼んでいましたが、今の状況だといつ来るかわからない。ここ最近は冷凍の焼き鳥セットや、のせるだけの丼の具など、パッと作れるものが便利です

 節約生活をしながらも、2週間に1回程度は外食をするというから驚きだ。

約10年前から、レストランチェーンをはじめ、主婦の私にとって身近な企業を中心に株投資をしているんです。外食したいときは、株主優待が使えるお店から家族に選んでもらいます。それ以外で食べたいときはクーポンなどを駆使し、できるだけポイント払いにして現金を減らさないように。また、外食は夜に比べて手頃な価格のランチにし、子どもの外遊びとセットで楽しんでいます

 現在では投資の成果と合わせると、毎年300万~400万円貯蓄しているというみさむーさん。節約の極意は?

我慢しすぎても続かない

節約は長期戦。最初から切り詰めすぎたり、我慢しすぎても続きません。まずはスーパーを変えるだけでも食費ダウンにつながるので、そこだけやってみる。それで少し成果が出たらきっと楽しくなって、ほかの節約術を試してみたくなるはずです。節約テクは合う・合わないがあります。私もいろいろ試してたくさん失敗もしました(笑)。躊躇せず試しにやってみることが大事だと思います

みさむー流食費が無理なく減る買い物術

食費用財布をつくり財布は2個持ち

食費用財布をつくり、財布は2個持ち

予算を決めてその中でやりくりするのは節約の鉄則。「給料日には食費として3万円を先に取り分け、食費専用財布に入れておきます。日用品など食費以外の出費は別の財布で管理、クレジットカードで買い物をした際には、そこから現金を引いておくと、予算オーバー防止に」(みさむーさん、以下同)

買い物にはひとりで行く

以前子どもと一緒に行って、予定外のものをいろいろねだられて大変な目に。「ここでは何にいくら使う、と決めて買い物に行くことで、予算内に収められます。子どもが何か欲しいものや食べたいものがあるときは、リクエストを聞いて私が買ってくるようにしています」

購入先を厳選し適材適所で購入

野菜が安い、冷凍食品が豊富などスーパーによって得意不得意があり、使い分けることでトータルが安く抑えられる。「近いから、慣れているからなどの理由で同じスーパーだけ利用していると値上がりに対応できません。いいものを安く買えるようリサーチし、購入先を分けています」

業務スーパー

業務スーパー

「冷凍野菜や冷凍肉など、容量が多く保存がきくものはかなり割安。国産鶏もも肉で100g/100円切るのは他にはあまりない! あとは時短料理に使える野菜ミックスも便利です」

コストコ

「肉や卵、牛乳など基本的な食材で欠かせないものを主に購入。大容量なので割安で、でも必ず消費するのでムダになりません。2週間に1回行って、まとめ買いします」

ドラッグストア

ドラッグストア

「納豆などの定番食材や洗剤などの日用品はドラッグストア『コスモス』でまとめ買い。現金しか使えず、ポイントカードもありませんが、その分とにかく安い!」

道の駅

「地元農家さんの直売が多いので、とにかく野菜類が安くて新鮮。旬の野菜は道の駅で買うに限ります! 1週間に1回行き、その週の野菜をまとめて買ってきます」

帰宅後のひと手間で食品ロスを減らす

まとめ買いや大容量がお得になるには、最後までしっかり食べ切ってこそ。「買い物から帰ったらすぐ、業務スーパーで買ってきた国産若鶏もも肉2kgは、料理で使う1回分ずつに小分けして冷凍。必要な分だけ解凍して使えます」。道の駅で買った野菜類は、エチレンガスを吸収してくれる保存袋(100円ショップなどで購入可)に入れて野菜室へ。大きいままの白菜やキャベツなどは新聞紙に包んでから保存するようにしている。

月末はチャットGTPで「あるもんでレシピ」にチャレンジ

イラストはイメージです

給料日前を乗り切りたい、というときに便利なのが、生成AIのチャットサービス「チャットGPT」。「家にある食材を伝えるとメニューを考えて提案してくれます。自分の頭の中だけだと、よく作るものや得意なものだけに偏りがちですが、意外なメニューを提案してくれることも。レパートリーも増えるし食材も使い切れて、一石二鳥です」

取材・文/遊佐信子

みさむーさん 節約主婦としてSNSやweb記事などで情報を発信。中でも業務スーパーの使いこなしは特に人気が高く、テレビ出演なども多数。42歳の夫、10歳の娘、8歳の息子の4人家族。