メルカリで販売されていた「胎児のエコー写真」

 フリマサービス『メルカリ』が8月25日、胎児のエコー写真の出品・販売を禁止する方針を発表した。胎児のエコー写真については以前から問題になっており、ようやくメルカリ側が動いた形だ。

“必ず陽性になる妊娠検査薬”も出品

「エコー写真が出品され出したのはここ最近という訳ではありません。もう何年も前からたびたび話題にはなっていましたが、8月18日にXで《こんなの妊娠詐欺以外の何に使う?》と指摘した投稿が大バズリ。かなり拡散されたため、大きな反響を呼びました。医学の勉強用などに購入する人もいるでしょうが、それほど多くはないはず。妊娠したと嘘をついて、慰謝料や中絶費用を請求する“妊娠詐欺”に使えてしまうものを売っているわけですから、詐欺の片棒をメルカリが担いでいると指摘されても仕方ないでしょう」(ITジャーナリスト)

 この騒動を受けてメルカリは、《胎児のエコー写真およびそれに類するものの出品・販売については、メルカリおよびメルカリShopsで定める禁止出品物「不適切と判断されるもの」に該当するため、2025年9月1日より削除対象とすることといたしました》とし、現在該当する商品を出品しているユーザーは期日までに商品の取り下げをするよう呼びかけている。

 ようやく重い腰を上げたメルカリ。しかし、まだメルカリには“必ず陽性になる妊娠検査薬”のドッキリグッズも出品されており、こちらも問題視されている。

「商品名には“おもちゃ”“ドッキリ”などと書かれているものの、本物を見たことが無い方は多いと思います。パッと見て偽物だなんてわからないでしょう。エコー写真と同じく、妊娠詐欺に使おうと思えば簡単に悪用できる代物なので、こちらもあわせて規制してほしいものです」(前出・ITジャーナリスト)

過去の対応に疑問噴出

 現在、メルカリでは偽ブランド品や電子チケット、アダルト関連などに加え、「犯罪や違法行為に使用される可能性が高いもの」などが出品禁止物に指定されている。胎児のエコー写真は、まさに犯罪に使用される可能性が高いものと認定されたということだろう。

 とはいえ、あまりに今さら感のあるメルカリの対応に、

《メルカリさん判断が遅すぎる》

《もっと早く規制すべきだっただろ》

 と指摘する声が上がっている。

エコー写真の出品禁止発表後も販売されている、“必ず陽性になる妊娠検査薬”のドッキリグッズ(メルカリより)

 また、一方で、

《本気出せば禁止にできるんじゃん。じゃあ他にももっと禁止できるものあるよね?》

《こないだのハッピーセットの時にマックがメルカリと協力して……とか言ってたのに無法地帯だったのはなぜ?》

《これができるってことは、Switch2とかハッピーセットとかは、結局禁止する気なかったってことだよね》

 など、これまでの対応を疑問視する声も。

 転売ヤー対策や、悪質な購入者・販売者による詐欺など、まだまだ対応すべき課題が山積みのメルカリ。今回の件がきっかけで対応が進めばいいのだが、果たして――。