
今年も様々なドラマが生まれた夏の甲子園。全国の高校球児たちの頂点に立ったのは沖縄尚学高等学校だった。
沖縄尚学に起こった不測の事態
「沖縄尚学は夏の甲子園で初優勝。沖縄県では“沖尚フィーバー”が巻き起こり、決勝戦後の24日は那覇空港に大勢のファンが集まるほどの人気ぶり。7月23日から8月31日まで、『沖縄尚学高等学校野球部を甲子園に送る会』が行っているクラウドファンディングは2000万円を超える募金が集まっています。沖縄勢の甲子園優勝は2010年の興南高校以来、15年ぶりのことです」(スポーツ紙記者)
沖縄県民を元気づけた沖尚。しかし、その裏では不測の事態があったという。
「21日に行われた準決勝・山梨学院の試合で、沖縄尚学側のアルプススタンドで応援していた『チョンダラー』が高野連から“顔のペイントや民族衣装は控えるよう”注意を受けていたそうで、大一番の決勝戦では『チョンダラー』の姿はなかったのです。これは甲子園が閉会後の27日に『沖縄タイムス』が報じたことで明らかになりました。
『チョンダラー』はエイサーという念仏踊りの演者で、沖縄の伝統芸能のひとつ。この『チョンダラー』の正体は沖尚の野球部OB会のメンバーだったそうです。同校を盛り上げるための応援ですし、何か迷惑行為があったわけでもないと思います。なにも辞めさせる必要はなかったのではないでしょうか」(全国紙社会部記者)
この報道を受け、ネット上では、
《「民族衣装を控えろ」なんて、あまりにひどいですね。文化の否定です》
《なんで民族衣装がダメなのかサッパリ分からん》
《ペイントはともかく民族衣装不可はおかしいだろう。法被や袴の応援団は許されてるのに。沖縄の民族衣装だけを不可にするのは差別だよ》
などの意見が上がるほか、
《暴行には甘いくせに沖縄の民族衣装を咎め立て。高野連、最低だな。》
《いじめは禁止しないのに…?》
というコメントも散見された。この“暴行”や“いじめ”は広陵高校野球部内で起こった事件を指していると思われる。
「甲子園出場を決めていた広陵高校野球部内では、上級生による“暴行事案”が発覚。暴行を受けた下級生は転校を余儀なくされる事態に陥っています。しかし、高野連が広陵高校に課した処分は、“厳重注意”まででした。
結局、広陵高校は2回戦を前に辞退していますが、高野連の対応は不十分だったと言わざるを得ません。そんな中で、今回の『チョンダラー』禁止令。高野連に再び批判が殺到している状況です」(前出・全国紙社会部記者)
『チョンダラー』禁止の意図は不明だが、“暴行”や“いじめ”をなくすことが先決なのではないだろうか。