福山雅治

 福山雅治の『フジテレビ不適切会合問題』が報じられて2週間。

 フジテレビの第三者調査委員会が3月に公表した調査報告書には、フジテレビの役員だっ大多亮氏が関係していた会合について、《懇意にしている特定の男性有力番組出演者との会合に女性アナウンサーや女性社員を同席させていた事実が確認された》とあった。

福山雅治「新人アナに会いたいですねぇ」

 この“男性有力番組出演者”は、大多氏にLINEで「女子アナの皆様との会、よろしくお願いします!」「新人アナに会いたいですねぇ」などと依頼し、大多氏はこれに応じる形で女性アナとの会合をセッティングしたという。加えて、報告書には《当該会合における大多氏や当該番組出演者の会話がいわゆる下ネタ的な性的内容を含んだものであった旨述べる者も多数おり、不快であった旨述べる者もいた》とあったため、“男性有力番組出演者”が一体誰なのか、マスコミはもちろんネット上でも“犯人”探しが過熱したのだった。しかし……。

「会合が開かれ始めたという2005年当時から大多氏が関わった番組をすべて調べ上げ、出演者を洗い出しても、福山さんには行き着きませんでした」(写真誌記者)

 それから5か月が過ぎ、飛び出した名前に「まさか福山が」と、驚いた人が多いのは言うまでもない。巷の反応を見ると、年配の女性たちは「彼も昭和のオジサンだからしょうがないわね。でももう時代が違うから」と、非難はするものの少しばかり寛容な捉え方をしている一方、若い女性たちからは「ガッカリした」という声も上がっていた。

 一方、男性陣はというと、「昔からラジオでは下ネタを話していたから、ありえるなと思った」「そういう人だと思ってたから、それほど酷いとは感じない」と、どちらかというと擁護的な発言が多い。

テレビ業界は「よそが動けば右倣え」

 お笑い芸人や人気アイドルが起こした女性トラブルとは反応がかなり異なるが、非難の声がまったく出ていないというわけではないので、さて業界としてはどういう動きになるか気になるところだ。今のところ仕事に影響は出ていないように見えるのだが、大手広告代理店の社員によると、

「CM打ち切りとか、何か具体的な動きはまったくないです。スポンサーサイドからは特に問い合わせもないようですし、このまま収束すると思われますが、まだ何とも言えませんね」

福山雅治

 では、テレビ局はどうか。

「今のところではありますが、局にクレームが入っている様子はないですし、スポンサー筋にクレームが届いているという話も聞いておりません。おそらく起用に問題はないかと思いますが、様子見というところですね。“よそが動けば右倣え”がこの業界ですから」(民放キー局関係者)

 福山に“お咎め”がない理由は、彼と所属事務所の対応にあるという。

「本来なら記者会見をすべきなのでしょうが、最近は会見を要望する声も少なくなってきましたし、時間と手間がかかりますから、事務所としてもやりたくないようです。ただ、女性誌の取材に対して福山さんは真摯に答えていますし、事務所も正式なコメントを発表して、そこに“ウソ”はないと世間が感じたから容認されているのだと思います。何よりも、福山さん自身が、不適切だったことを認めてしっかり謝罪していますからね」(同・民放関係者)

上沼恵美子がバッサリ

 一般人に限らず、業界内からも「イケメンは下ネタも許されるんだろうな」とやや僻みのような声まで聞こえてくるが、中には表立って福山を非難する人もいる。

『関西の女帝』上沼恵美子は、自身がMCを務める番組で、「イヤらしい話をして、ちょっと皆さんの仲間になろうみたいな気持ちが、ちょっとあったかもわかりません。男前はようするんですよ。男前の人、ハンサムな人はそういう下世話な話をする」と分析。さらに、

「ラジオなんかでも猥談好きやった、そういう話が好きだったって言うてますけど、“好きだったからええやんか”ではないからね。人を笑わせようと思ったら、“下ネタ”か“前におるお客さんをイジる”、これが一番簡単なんです。だから、一番力のない芸人さんはやりますけどね」

 と、技量のない芸人との共通点を指摘。大御所からケチョンケチョンに言われた福山だが、果たして上沼の言葉が届いたかどうか……。

上沼恵美子

 また、福山に届かなくても、上沼の言葉が胸に突き刺さったタレントは多いようで、

「さすが上沼さん、あの言葉は重いです。下ネタを売りにしていた芸人たちも目が覚めたでしょう。今はコンプライアンスが厳しいので、事務所としてもベテランから若手まで気を付けるように言っていますが、古い人の中には、嫌がられているのも気づかず相変わらず若い女性の前で下ネタを言う人がいますからね。場を間違えると、たかが“下ネタ”とはいえ、イケメンでも命取りになるかもしれない……と、今回の福山さんの件はタレントたちにとって反面教師になったでしょう」(大手芸能プロ幹部)

 芸能界においても、“セクハラ”に該当するスキャンダルが増えている近頃。時代は大きく変わっているということを、芸能人だけでなく、大人はみな肝に銘じなければならないのでは――。