
家にあるもので生活まわりを整える、食材は使い切る、薬に頼らない……。モノがあふれる時代を経て昔ながらのシンプルな暮らしに再注目。
電気代も洗剤も……ムダなお金はかけない!エコ生活の知恵
サステナブルな暮らしのヒント「おばあちゃんの節約知恵袋」をたっぷりお届け。
保冷剤で急速冷凍

まとめ買いした肉や魚は、保冷剤を添えて冷凍庫に入れると冷凍速度がアップ。周りの冷凍食品に霜がつかず、消費電力の節約につながる。その際、肉や魚は冷凍庫の底に入れ、凍った保冷剤を周囲にしっかり密着させるのがポイント。
冷凍庫の底にアルミホイルを敷く
アルミホイルは熱伝導率が高く、熱を素早く伝えるだけでなく、冷ますことも得意な性質を持っている。冷凍庫の底に敷くと、通常より速いスピードで食品を冷凍できる。また、ドア開閉時の庫内温度の上昇を防ぐ効果も。
煮込み料理はタオル保温で味を染み込ませる
ガス代節約のため、煮物などは余熱を活用。具材を鍋に入れて煮汁が沸騰したら、弱火で5~10分煮て火を止める。鍋を新聞紙、タオルの順に包み込んで約20分置く。あれば発泡スチロールの箱に入れるとさらに効果アップ。塩分や糖分、アミノ酸などは、冷めるときに浸透するので、煮続けるよりも味がよく染み込みやすい。残暑が続くなか、火を使う時間を減らすのにも有効。
洗濯機には重いものから入れる
洗濯の際、何も考えず放り込んでしまいがちな洗濯物。実は、縦型もドラム式も入れる順番で消費電力に差が。水を吸うと重くなるバスタオルなどは下、軽いものは上に入れると洗濯機を回す負荷が軽減され、省エネにつながるだけでなく回転がスムーズで汚れ落ちもアップ。また、標準以外のコースがある場合は、ぜひ使い分けを。あまり汚れていないものはスピードコースを利用することで、時間の短縮や光熱費も抑えられるのでまめに切り替えて。
雨水をためて植物の水まきなどに活用
雨水をタンクやバケツにためておくと、植物の水まきや庭の掃除に利用できて水道代の節約に。暑い季節は、サッと打ち水としても使えるのでおすすめ。ただし、日差しのある場所で保存すると藻などが発生したり、気温が高いと蚊の幼虫・ボウフラが発生したりする原因になるので、日陰で保存し、なるべく早めに使うようにして。
エコ生活の知恵 その(2)
作り方もカンタン!
ドクダミで虫よけスプレー
家の裏庭や道端などでよく見かけるドクダミ。独特なにおいに虫よけ効果があり、手軽に虫よけスプレーを作れる。

【作り方】
(1)花と葉に分け、洗って水分を拭き取る。両方使ってもいいが花のほうが効果が高いといわれる。
(2)煮沸消毒したガラス容器に入れ、ホワイトリカーなど度数35度以上のアルコールを注ぐ。ふたをして日陰に置き、1か月ほど漬け込んだら完成。
水で2~3倍に薄め、アルコール対応のスプレーボトルに移し入れて使う。使用前に、必ずパッチテストを行うこと。また、虫よけだけでなく、虫に刺された後にかゆみを抑える効果もある。
飲み残しのビールで油汚れ掃除
栓を開けたものの、残してしまったビールは掃除に活用を。布やキッチンペーパーなどに飲み残しのビールを含ませてキッチンのコンロ周りを拭き取ると、油汚れなどがきれいに取れる。これはビールに含まれるアルコールとビタミンEに油汚れを分解する作用があるため。コンロ以外にも、フローリングや家具などについた皮脂汚れもワックスをかけたようにピカピカに。ただし、そのままにするとビールに含まれる糖質でベトベト感が残ってしまう。最後は水拭きするのを忘れずに。
油汚れ+においも紅茶の茶葉でスッキリ

紅茶はアルカリ性なので、油汚れのような酸性の汚れをキレイに落とす効果がある。紅茶を飲んだ後のティーバッグで(リーフティーの場合はだしパックなどに入れて)、油汚れがついたフライパンやキッチンのシンク、コンロ周りなどをこすると油汚れを落とせる。また、紅茶には消臭効果もあるため、魚焼きグリルなど、油汚れとともににおいが気になるところの掃除にも最適。
お茶がらをアロマ、入浴剤、消臭剤に活用
緑茶を飲んだ後のお茶がらにはさまざまな使い道が。お茶がらをキッチンペーパーなどの上にのせて乾燥させ、ネットやだしパックなどに包んで枕元に置けばリラックス効果のあるアロマに。また、湯船に入れれば入浴剤代わりにも。ただし、長時間入れたままにすると浴槽に茶渋がつく場合があるので注意して。
また、お茶には消臭効果があるため、消臭剤として使用することも可能。魚焼きグリルや冷蔵庫、靴箱など、においが強いところに置くとお茶がらがにおいを吸着し、いやなにおいがなくなる。
エコ生活の知恵 その(3)
捨てないで!
じゃがいもの皮で鏡の曇り止め

拭いてもすぐに曇ってしまう浴室の鏡。曇りの原因は、表面に細かな水滴が張りつき、光が乱反射すること。そこで役立つのが、じゃがいもの皮。じゃがいもの皮の内側で鏡を磨いてから、雑巾などで乾拭きすると、ピカピカになり曇りにくくなる。これはじゃがいもに含まれるサポニンという成分が汚れを落とし、さらに、でんぷんが鏡の表面に薄い膜を作って水滴の乱反射を防ぐから。キッチンのシンクや蛇口の曇り止め、ガラス食器にも使える。
レモンの皮でアルミ鍋の黒ずみ落とし
雪平鍋などのアルミ鍋に付着した黒ずみは、酸性のレモンを煮立てると、除去できる。鍋に水を張り、輪切りのレモンを3、4枚入れて沸騰させ、その後、弱火で10分煮る。冷めてからスポンジでこすり落とせば、新品のような輝きに。さらに、黒ずみをとった後に米のとぎ汁を入れ、約20分煮立てると、皮膜ができて黒ずみ予防にも。
レモンでカーペットの汚れ取り
レモンの酸味成分・クエン酸は、色素汚れを落とす作用がある。カーペットにコーヒーや紅茶、ココアなどをこぼしてしまったときは、まず雑巾などで水けをあらかた拭き取ってから、レモン片を軽くこすりつけて乾いたタオルなどで拭くとシミ抜きできる。それでも汚れが落ちない場合は、無糖の炭酸水にレモン汁を加えたもの(炭酸水1カップにレモン汁小さじ1杯程度)をシミの部分にかけ、タオルなどで叩くようにして汚れを移し取るとより効果的。
梅干しを揚げて油を長持ちさせる
2~3回使った揚げ油が黒ずんできたとき。再度使う前に梅干しを1~2個入れ、きつね色になるくらいに揚げると、アルカリ性の梅干しが酸化した揚げ油を中和。梅干しを取り出すと再利用した油でもおいしく揚げられる。ただし、油が濁ってにおいがしてきたら酸化がかなり進んでいるので、新しいものに取り替えて。
余ったわさびやからしでお弁当の傷み防止
刺身や納豆についている小袋のわさびやからし。使わずに捨ててしまったり、もったいないからと取っておいても、結局使わず冷蔵庫にたまってしまいがち。これを活用してお弁当箱のふたの裏に塗っておくと、食品の傷み防止に効果的。わさびやからしに含まれる辛味成分には殺菌効果があり、雑菌の増殖を防いでくれる。ただし、食材はしっかり冷ましてから入れるなど、基本的な食中毒予防策も忘れずに。
米ぬかや米のとぎ汁でフローリングがツヤツヤに
米ぬかをガーゼや手拭いに包み、包んだ布を濡らしながらフローリングを拭くと、ワックスのような効果があり、ツヤツヤに。また、フローリング材ではあまり期待できないが、ムク材などの加工されていない床材なら、お米のとぎ汁でもOK。ワックスのようににおいも残らず人体にも安全。ただし、夏場、とぎ汁は傷みやすいので、その日のうちに使い切ること。米ぬかやとぎ汁で磨いたあとは、乾拭きをして仕上げる。
とことん活用して無駄にしない!食材使い切りの知恵
古くなってもまだまだ使える食材。
古米にも!米の保存に唐辛子

お米の防虫対策としてよく知られている唐辛子。唐辛子に含まれる香りの成分を虫が嫌うため、米びつに入れておくと、虫が寄りつかなくなる。唐辛子は生でも乾燥でも防虫効果があるが、生のものは水分が多く、お米の中に入れて放っておくとカビの発生の原因に。まめに取り替えられない場合は、乾燥唐辛子を使うのがおすすめ。使用量は米10キロに唐辛子5本くらいが目安で、効果は1か月ほど。ティーバッグなどに入れておくと種がこぼれない。
湿気ったのりを韓国のり風に
湿気ったのりは、食品用乾燥剤とともに数日間容器に入れておけば、湿気が抜けてパリパリ感が復活。冷蔵庫で乾燥させる方法も。また、韓国のり風にアレンジしてもよし。
【作り方】
(1)表面にごま油を塗り、塩をふりかける。
(2)魚焼きグリルかオーブントースターで、20秒ほど焼いて、パリッとなったら完成。
湿気ったせんべいやクッキーを復活

開封して湿気ってしまったせんべいやクッキーも、ひと工夫すれば捨てずにおいしく食べられる。
重ならないようにせんべいやクッキーを耐熱皿に並べ、ラップをせずに電子レンジで加熱する。加熱時間の目安は、500Wの電子レンジを使用した場合、せんべい4枚で20秒から30秒ほど。湿り具合にもよるため、様子を見ながら行い、パリッとしてきたらOK。熱々になるので、やけどに注意を。
ちょい足しで古米が新米のような味わいに
物価高や米不足の影響で身近な食材となった古米。粘り気が少なくチャーハンや酢飯などに適しているが、炊き方の工夫でおいしくなる。
(1)とぎ汁が透明になるまで強めに米をとぎ、しっかり表面のヌカを取る。
(2)米2合に対してサラダ油小さじ1/2を入れ、3時間ほど水に浸してから炊く。
これでみずみずしさとツヤがアップ。または、ハチミツと料理酒、各小さじ1を入れるとヌカ臭さがとれる。
丈夫な身体がいちばんの資本!薬に頼らない健康の知恵
不調なときに実践するべし!
風邪予防に番茶うがい
市販のうがい薬がなくても、番茶があればOK。番茶には殺菌作用のあるタンニンが含まれており、番茶でうがいをすれば同様の効果が期待できる。番茶を人肌程度に冷まして、うがいをするだけ。番茶以外でもタンニンを含んでいる紅茶を使っても。より効力アップを図るなら、番茶の中でも三年番茶を使って、鍋で煮出した中に1%ほどの塩を入れてうがいをすれば、のどがスッキリして風邪予防にもなる。三年番茶は熟成期間中にカテキン類が変化し、より抗酸化作用の高い成分に変化するといわれており飲むだけでもよし。
れんこんのおろし汁で秋の花粉対策
皮膚や粘膜を収れんさせる作用や、消炎作用があるれんこん。よく洗って皮ごとすりおろし、しぼった汁に綿棒を浸して鼻の内側にやさしく塗ると、だらだら出る鼻水症状が和らぐ。免疫細胞を元気にする働きもあるため、花粉症にも効果的。塗るタイミングは、起床時、昼食時、夕方、就寝時の一日4回が目安。
不安が続くときは玉ねぎで安眠
玉ねぎの香り成分である硫化アリルには、高ぶった神経やイライラを鎮める働きがあり、安眠をサポートしてくれる。やり方は、切った玉ねぎを枕元に置くだけ。断面から揮発した硫化アリルを鼻から吸い込むことで緊張していた自律神経がリラックスして、眠りやすくなる。ただし、量が多いとにおいが気になり逆効果に。玉ねぎの量は少し香りがする1/2個程度を目安とし、自分が気にならない量を見つけて。
青じそ茶で安眠へ誘う

イライラや憂鬱は安眠の妨げ。そんなときは和製ハーブティー・青じそ茶がおすすめ。湯のみに青じその生葉を2~3枚入れ、熱湯を注ぐ。香りが出てきたら飲み頃。青じその爽やかな香りには鎮静効果があり、心地よい眠りを誘う。陰干ししてカラカラになったしその葉を、乾燥剤とともに保存しておけば、いつでも青じそ茶が楽しめる。
酒かす汁で免疫力アップ
酒造りの副産物である酒かすには、体内の免疫システムで重要な役割を果たすNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させる働きがあるといわれている。冬場だけでなく、夏の疲れが出てくる今の時期も酒かす汁を食卓に取り入れてみては。
【作り方】(2~3人分)
(1)鍋にだし汁400mlとニンジンや大根などの根菜を入れてやわらかくなるまで煮る。
(2)ボウルに1のだし汁を少量とって、酒かす100gを溶く。好みでみそ大さじ1を加えてもOK。
(3)2を1の鍋に加え、軽く温めて塩で味を調えたら完成。
読書の秋、目の疲れに番茶湿布

秋の夜長は読書や、スマホをついつい見続けて、目を酷使しがちに。目に疲れを感じたら、番茶湿布を試してみて。番茶の成分には消炎作用や、目と目のまわりの血流を促す働きがあり、目の疲れをやさしく癒してくれる。
【作り方と使い方】
(1)ボウルに濃いめの番茶200mlを入れ、自然塩を2g加える(食卓塩では効果がないため、必ず自然塩を使う)。
(2)ガーゼを中に浸して軽く絞り、顔に当てても大丈夫な温度まで冷ましてから、閉じたまぶたの上にのせる。ガーゼが冷えてきたら取り替える。
これを15分ほど続けると、目の疲れがスッキリして、充血も改善される。
出典・取材協力/NPOおばあちゃんの知恵袋の会
取材・文/當間優子