
フジテレビが、元社長の港浩一氏&元専務の大多亮氏に50億円の損害賠償を求める訴えを起こした件。元タレントの中居正広氏の首筋も寒くなっているというが、フジテレビから訴えられる恐れがあるから、というだけではない。
「ちょっとした動きがあるんですよ」と週刊誌デスクは何やら含みのある言い回しをする。
引きこもり状態の港氏と大多氏
その真意を尋ねる前に、今回の“50億円訴訟”の周囲をさぐってみるとーー。
「印紙代だけでも約2000万円ですよ! CMの出稿が激減し約453億円の被害を受けたため、その一部50億円を2人に求めたということですが、どういう計算をしたのか根拠は不透明。今後、被害額が増大すればそれもプラスするそうで、裁判にならないと詳細は分からないですね」
と民放報道局記者は受け止める。
フジ側の損害賠償額50億円について、テレビにコメンテータとして出演する弁護士などは当初、楽観視を示した。
「上場企業の役員は、『役員賠償責任保険を契約しているからそこから支払われる』等コメントをした。その額が10億円であれば、それで賄え分を自分で支払うことになるという論法を展開していましたね」と情報番組デスク。次のように続ける。
「SNS等では、『元サラリーマンに50億円!』『払えるはずない』『保険で払えるのか』といった書き込みが錯そうしましたが、すぐさまフジテレビ側が、会社から責任追及については保険の対象ではないと明らかにしたのです。要するに、外部から訴えられた場合の保険であって、内部の訴えには適用されないということ。判決次第では港氏も大多氏も、これまでの人生の蓄えをすべて吐き出し、無一文になる可能性もあるということです」
かつて、自分たちがフジテレビの隆盛に貢献し、タレントや女性アナウンサーを懇親会に誘い出すなど意のままに動かし、長年にわたり統治した会社から訴えられるという人生の皮肉。
「局内からは同情の声は聞こえて来ませんね。おふたりとも今は、まったく後見がない孤独な状態。73歳と66歳の一般人の高齢者に過ぎません。おひとりは、都内有数の森と池が一望できる高級マンションに住んでいますが、引きこもり状態だそうですよ」(スポーツ紙記者)
元社長と元専務が訴えられたことを受け、問題の元凶でもある元タレントの中居正広氏(53)も、フジテレビから訴えらえるのでは、というSNS世論が動き出した。
「現在のフジ・メディア・ホールディングス並びフジテレビを治める清水賢治社長が以前、中居さんへの損害賠償について、『すべての選択肢は残した状態』と否定しなかったからです。要するにいつでも訴えらるぞ、ということ。ただその一方で、フジテレビは、中居氏に性加害を受けた元社員の女性アナウンサーを守ることを社として約束している。会社として中居さんを訴えると、女性アナウンサーへの負担が発生しかねない。そうなることを考えると、なかなか慎重な判断が求められると思いますよ」
2人が中居正広に損害賠償請求
一方で、中居氏を訴える別の可能性が浮上して来た。関係者がささやく。
「訴えるのは港さんと大多さんです。特に大多さんは、中居さんの行為の報告を受けた際『衝撃を受けた』と明かしていましたし、いずれお台場(フジテレビ)に戻る気満々でした。それが中居さんのせいで台無しになったという恨みの思いが強い。
今後裁判で、自分たちだけが莫大な賠償金を支払うことになれば、なぜ中居さんだけがセーフなのか?という感情になるのも当然。港さんと大多さんにも弁護士がついていますから、中居さんを訴えるという筋道は想定できている」
歴史に“もしも”はないが、もしも中居氏の性加害がなければ、港氏は今もフジテレビで、大多氏は今も関西テレビで、成功したテレビ局員として、人生の勝者としての60代、70代を満喫していたはずだ。何ひとつ不自由しない、輝かしい老後。第二の日枝久氏のポジションも狙えたかもしれない。
それが一転、地に落ちた。仕事を失い無職になり、適切な対応ができなかったという経営者として無能のレッテルを張られ、挙げ句の果てに古巣に50億円の損害賠償を求められてしまった。
ふたりがともに、あるいはどちらかひとりでも、中居さんを訴えることはできる。
「中居さんのせいで社会的評価は低下しましたし、テレビ局の辞任に追い込まれ精神的苦痛を味わっていますので、損害賠償請求は十分に可能です」(前出・民放報道局記者)
中居氏がやらかした性加害のぬかるみに、芸能界を引退したからといって、これ以上中居氏が足を取られないままでいられる保証はない。
事態のさらなる泥沼化は避けられそうもない。