
昨年、18歳の誕生日で民法上の成人となられた悠仁さま。それから1年がたち、19歳の誕生日を迎えられた9月6日には成年式が行われた。
「成年式とは、男性皇族が成年となり、大人の仲間入りを果たしたことを国内外へと示すための催しで、式を境に“成年皇族”と見なされます」(皇室担当記者、以下同)
成年式に臨まれた悠仁さま
当日の午前8時過ぎ、悠仁さまは緊張の面持ちで秋篠宮邸をご出発。その後は成年皇族としての証である冠を天皇陛下から賜る「加冠の儀」や、両陛下へ感謝の気持ちを伝える「朝見の儀」などの儀式を滞りなくこなされた。
「加冠の儀では“成年皇族としての自覚を持ち、その務めを果たしてまいりたいと存じます”と、ご両親に決意を伝えられ、これに母親の紀子さまは感極まったご様子でした。午後3時ごろ、悠仁さまはその他の儀式も終えられ、安堵の面持ちで報道陣の前に立たれました。
その際お召しになっていた燕尾服は、すらっとしたスタイルの悠仁さまによくお似合いで、表情やたたずまいからは普段よりも大人びた印象を受けました」
成年式が執り行われるのは、秋篠宮さま以来40年ぶりのこと。令和流の変化があるかとも思われたが……。
「悠仁さまの成年式は前例を踏襲する形で行われ、秋篠宮さまのときだけでなく、陛下や上皇さまのときと比べても、変化はまったくと言っていいほどありませんでした。今回、悠仁さまが移動の際に使用されたのは儀装馬車の4号で、これは秋篠宮さまの成年式で用いられたものと同じです。

一方で、今の陛下が乗車された儀装馬車は3号。これは上皇ご夫妻が成婚パレードのときに使用されたのと同じもので、4号よりもグレードが高い儀装馬車なのです。こうした細かな違いはあるものの、式自体に大きな変化は見られませんでした」
形式を変えることなく継承されている成年式。その型が確立された時期や、儀式の変遷について、元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんは次のように解説する。
「皇室の成年式は奈良時代に始まり、明治42年の『皇室成年式令』によって明文化されました。戦後、旧皇室典範が廃止されたため、成年式令も廃止されましたが、憲法、法律に違反しない範囲で現在も踏襲されています」
ただ1点、大きく変わった部分があると山下さんは続ける。
成年会見でのぞかせた欠かさない思いやり
「成年式の中心儀式である『加冠の儀』は宮殿で行われていますが、成年式令では『賢所大前の儀』という名称で宮中三殿の賢所で行うことになっています。詳細はわかりませんが、戦後、政教分離の原則があり、成年式という公的な儀式を賢所で行うのは好ましくないという判断だったのではないでしょうか。
政教分離を踏まえた変更はほかにもありますが、相当の理由がない限り、古くから伝わる儀式は変更しないほうが良いでしょう」(前出・山下さん)

皇室に古くから伝わる成人式を無事に終えて、成年皇族となられた悠仁さま。未来の天皇としての一歩を着実に踏み出された─。
2006年、「悠仁」というお名前は“ゆったりとした気持ちで、長く久しく人生を歩んでほしい”というご両親の願いのもと、命名された。その由来どおり、悠仁さまは、信念を強く持ちつつ、穏やかに、そしてマイペースに人生の歩みを進めてこられた。
「悠仁さまのご趣味といえば、トンボや蜂などの昆虫を観察したり研究すること。幼少期はお住まいでの昆虫観察にのめり込んでいて“気がついたら日が暮れている”ということもしばしばおありでした。
生物へのご興味を時間をかけて突き詰め、高校時代はトンボに関する論文を執筆されたほか、昆虫の国際学会にもご出席。この春に進学された筑波大学でも生物学類に在籍され、研究を続けられています」(前出・皇室担当記者)
今年3月に行われた成年に際しての記者会見では、悠仁さまのおおらかなご性格が垣間見えたという。
「会見では、事前にお伝えしていた質問にお答えいただくだけでなく、当日、記者が気になったことを質問する“関連質問”という時間も設けられました。もともと1問までと決められていたのですが、記者からは次々と手があがって。
宮内庁職員が追加の質問を制しようとしたのですが、悠仁さまは挙手している記者を“どうぞ”と指し、質問が尽きるまで回答し、予定時間をオーバーしながらも対応されたのです」(宮内庁関係者)
緊張感のある場での臨機応変さは、常に思いやりを欠かさないご家族の振る舞いを間近でご覧になっていたからかもしれない。成年会見で「上皇ご夫妻や両陛下、ご両親から学ばれていること」を問われた悠仁さまは「常に国民を思い、国民に寄り添う姿なのではないかと思います。出会いを大切にして、人々の幸せを願い、気持ちに寄り添い続けることが重要であると思います」と述べられた。
「こうしたお言葉から、ご家族のお振る舞いを踏襲しようと日々、努力なさっていることが伝わりました」(前出・皇室担当記者、以下同)
成年皇族になると何が変わる?
今後は成年皇族としてお出ましが増えていくと思われる。悠仁さまのご性格上、伝わりにくかった素顔も徐々に見えてくるかもしれない。
「悠仁さまはこれまでお出ましが少なかったうえ、表情の変化も乏しいといわれていたことから“お人柄が見えない”と指摘されることもありました。成年会見でもご自身の短所として明かされていた“すぐに緊張してしまう性格”が影響しているのかもしれません。

大学に進学された悠仁さまは、同級生と冗談を言い合うこともあり、その明るいお人柄に惹かれた多くのご友人に囲まれているといいます。これから成年皇族として公務を担われる中で、徐々に人前に出ることにも慣れ、短所を克服されていくことでしょう。そうなれば、おおらかで明るい“素顔の自分”として歩まれていくのではないでしょうか」
成年皇族となられた悠仁さまが今後どのように歩みを重ねられるのか。その行方を温かく見守りたい─。
成年皇族になると何が変わるの?
もらえるお金が増えるのは本当?
皇族には皇室経済法に基づき皇族費が支給される。年額305万円だった悠仁さまの皇族費は成年に伴い、915万円に。成年皇族として公務が増え、品位を保つための費用が増える。
今年から一般参賀や園遊会にも出席される?
一般参賀や園遊会は、成年皇族のみが参加する行事。愛子さま同様、大学在学中は学業を優先されると思われるが、タイミングが合えば、今年から出席される可能性も十分に考えられる。
佳子さまや愛子さまとの違いはある?
おふたりが成人となったのは成人年齢の引き下げ前で、大学在学中、20歳のとき。悠仁さまは高3の大学受験を控えていた時期に成人を迎えたことから、成年式が今年に延期された。