写真はイメージです

「ごはんが喉を通らない日が4日続いたあげく、クリニックでの明細を見てびっくり」

 新型コロナウイルスの変異株「ニンバス」に感染した千葉県の40代女性が、その地獄の体験を明かした。

コロナ変異株感染者の嘆き

 気象用語で「嵐雲」を意味する「ニンバス」。厚生労働省によると8月24日までの1週間に確認された新規の感染者数は3万3275人。10週連続で増え続けた。感染は西日本から始まったとみられ、全国に広がりつつある。

「この変異株の特徴として激しい喉の痛みを訴える人が多く、人によっては“カミソリを飲み込んだような痛み”“ガラスの破片を飲み込んだような感じ”と表現するほど。従来と同じように、発熱の症状、味覚を失うこともあるので喉の痛みがないからといってニンバスに感染していないわけではありません」(医療関係者)

 前出の女性は「まず喉に違和感を覚えた」と言い、感染してからの日々を振り返る。

「喉がイガイガするなと思っていたら数時間後に激しい痛みに襲われました。ドリンクを飲んだら何かの異物を飲み込んだと思うほど。

 そのとき熱などはなかったので、喉が切れたのかと思ったものの血も出ていないし、ネットで検索したらコロナの症状によく似ていて。そうしているうちに、ひどい悪寒がしてあっという間に39度まで熱が上がりました」

 女性は今までにも新型コロナに2度、感染したことがあるという。

「これまでのコロナとは比べものにならない。唾液を飲み込むのも激痛で眠ることもできない。薬を飲み込む力もなく、熱があるので病院までも行けないし救急車を呼ぶかどうか迷って、結局初日は1時間程度眠れたくらい。あとはのたうちまわっていました」(同・女性、以下同)

 翌日に医療機関を受診し、コロナ陽性の反応が出たが、これまでとの違いにあぜんとしたという。

「以前コロナに感染したときは受診料負担くらいで数千円の会計でした。それが今回明細を見てびっくり。3割負担で2万円近く。かかったことのない病院だったので初診料、検査料、診察料、処方箋を含めてですが何かの間違いじゃないかと確認したほど」

 こう思った患者は多いのではないだろうか。数年前のパンデミック時は各自治体に助成金や補助制度があったため新型コロナの検査料や治療費、薬代がほぼ無料だった。

 現在は1~3割が患者負担となり、治療薬は5日分で「ゾコーバ」は約5万2000円。重症化リスクの高い患者に使う「ラゲブリオ」、「パキロビッド」は約9万4000~9万9000円。患者は2万~3万円前後を負担することになる。

「治療薬を飲んで熱は下がりましたが、喉の痛みは3日間、咳は6日間続きました。喉が痛くて食事もとれないのに水下痢のような症状が出て、腹痛も。体重は4キロほど落ちました」

 前出の医療関係者は、

「ニンバスの特徴は喉の痛みで食べられない、そして脱水症状に陥りやすいこと。あっという間に栄養失調になる危険性が高い」

 2020年から全世界を巻き込んだ新型コロナウイルス。終息を願うばかりだ。