matsuzaka1124

 『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(フジテレビ系)で、プライム帯の連ドラで初めて主演を務めている松坂桃李。“うそでしょ?”というアクションも、吹き替えなしで体当たり。熱血刑事・里見を好演している。

「僕は“よっしゃー! 行くぞー!”みたいなタイプではないので、主演として現場を引っ張っている自覚は……あんまりないですね(笑い)。『サイレーン』という作品に対して、みんながのびのびと、同じ方向を向けていればいいと思っているので」

 シリアルキラーな完全悪女・橘カラ(菜々緒)が次のターゲットに絞ったのは、里見の同僚刑事であり恋人の夕貴(木村文乃)。女性同士、友情を深める2人を横目に、里見だけがカラを怪しみ調査を重ねるが、いつしかカラの術中にハメられていく……。

 菜々緒が下着姿を披露するシーンもあったけど、現場では目のやり場に困らない?

「いや、僕は菜々緒さんの下着のシーンのときは現場にいなかったんです。男性スタッフはテンションが上がったんじゃないですか?(笑い) (カラを)組み伏せるシーンなんかもありますが、僕の中では“完全な悪女”ととらえているので、何とも思わないです。なんといっても“悪い女”と書いて“悪女”ですからね。プライベートでは? 平和に生きていきたいので絶対、近づきません(笑い)」

 夕貴と里見は職場恋愛で半同棲中。でも周りに知られてはならない。そんな恋愛に憧れを抱いたりは?

「要は秘密にしなきゃいけないわけですよね? 疲れそうですよね。気を遣うだろうし、相手にも気を遣わせちゃうだろうし。女性は秘密に対してワクワク感を抱くのかもしれないけど、僕個人の意見としては、男性はそれを求めないんじゃないかな」

 あくまで自然体で平和主義。そんな気楽さがいいと笑う。演じている里見に共感する部分を尋ねてみた。

「愛する者を守る。後半の里見は、一貫してそこに必死になっていくんです。そこは男としてカッコいいなと素直に感じますね。大切な人を守る自信? どうかなぁ……。そういう男になりたいなとは思います」

 今は、里見の役を借りて、それを体験している最中だと穏やかな笑み。里見と夕貴は“どちらかが捜査一課に行けたら結婚しよう”と約束しているが、“結婚をするなら、これを成し遂げてから”と決めていることはある?

「うーん。ないかもしれないですね。この仕事ってゴールがないうえに、本当にいろいろあるから“何かを成し遂げる”という明確な目標は持ちづらいんですよね。やりたいことはたくさんあるんですが。結婚や恋愛とかのモードよりも、今は本当にお芝居するのが楽しくて、とことん極めていきたい感じなんです」

 最終回は12月15日に放送される。

撮影/廣瀬靖士