谷原七音 撮影/吉岡竜紀

 昨年の「第37回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でフォトジェニック賞を受賞して、芸能界に入った谷原七音。現在、ドラマ『奪い愛、真夏』(テレビ朝日系毎週金曜23時15分~※一部地域を除く)に出演。

現場では先輩方に支えられ…

 夫(安田顕)と道ならぬ恋に落ちた真夏(松本まりか)への復讐に燃える未来(高橋メアリージュン)のアシスタントで美大生、氷室輝役を演じている。

「大人気の『奪い愛』シリーズなので最初は不安でした。でも、ジュノンボーイの先輩である石山順征さんも出演していて“一緒に頑張ろうね”と言ってくれて、支えてくださいました。お互い放送後には感想を送り合ったりしています(笑)」

 不倫や裏切り、三角関係など禁断の愛が絡み合う、情け容赦ないドロドロキュンなストーリーにハマる視聴者が続出だが、友達や家族の反応は?

「両親は見守ってくれています。輝は欲望や嫉妬、裏切りなど大人たちのドロドロした関係をまったく知らない青年ですが、一番下の弟が“お兄ちゃんが出てるドラマが見たい”と言ってくれたときには、ちょっと刺激が強いかもと思って……“大人になったら見ような”と返しました(笑)」

 今作がドラマデビューとなる谷原。現場は毎日が驚きの連続だったと振り返る。

「むくみやすいので、朝から撮影の日は4時半に起きて顔のマッサージから始まります。そして、今までは何十台もカメラを置いてさまざまな方向から同時に撮影をしていると思っていたのですが、1シーンを撮るのにも角度を変えていたり、例えば人の目線を視点にして撮影したり、そのカット数の多さにも驚きました。

 初めて聞く専門用語に戸惑ってしまった時は、松本まりかさんや安田顕さん、高橋メアリージュンさん、白濱亜嵐さん、スタッフの皆さんが丁寧に教えてくださって。愛情ある温かい現場でデビューさせていただいたことは、僕にとって今後の糧になりました」

応援してくださる方々に恩返しがしたい

 真夏に対する未来の報復が加速していく中、いよいよ9月12日に最終回を迎える。

「今回は不倫が題材というだけではなく、タイムリープという要素もあるので、その謎と輝が発する言葉で何か起きるかもしれないし、起きないかもしれません(笑)。とにかく驚きの結末を楽しみに、最後までご覧いただけたらとてもうれしいです」

 芸能界に入って約半年。ジュノンボーイ・コンテスト当時から比べると顔つきが精悍になったのでは?と聞いてみると、

「自分ではわからないですが、最近まわりの人からそのように言っていただくことが増えてきました!」

 とにっこり。

谷原七音 撮影/吉岡竜紀

「顔つきが変わってきたのは、皆さんに見ていただく機会が増えたので自然と磨かれてきたのかなと思います。

 自分で思う一番の変化は感謝する気持ちが今まで以上に大きくなったこと。最初は、俳優になりたいという熱い思いだけで飛び込みましたが、映像作品や雑誌の撮影を通して、周りの人たちのおかげでお仕事ができているんだということを肌で感じるようになりました」

 事務所に入るまでは、ひとりで戦っているような気持ちがあったと話す。

「もちろん、ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト当時も、ファンの皆さまや家族の応援が力になっていましたが、今は一緒にレッスンを受けている俳優の仲間の励ましや、事務所のスタッフさんもいてくださるので、さらに自分はひとりじゃないと思うようになりました。

 そして、ファンの皆さんや応援してくださっている皆さんへ恩返しがしたいという気持ちがより強くなりましたし、うまくやろうと背伸びをするのではなく自分は自分なんだと、伸び伸びしていいんだと思えるようになってきました」

 照れ笑いを浮かべつつも、すでに先を見据えている。

「今回、ドラマに出演させていただいていろいろな経験ができたので、たくさん学んだことを次の作品に生かしていきたいと思います!」

 7つの音階からつけられたという名前。さまざまな音符がいろいろな音色を奏でるように、これから作品を通してたくさんの表情を見せてくれるだろう。今後の活躍を楽しみにしたい。


取材・文/花村扶美