
9月5日から7日にかけて、フィギュアスケートのチャレンジャーシリーズ「木下グループ杯」が開催された。
「今シーズンは、'26年2月に『ミラノ・コルティナ五輪』が開催されます。『木下グループ杯』は今年から新設された大会で、多くの選手にとって今シーズン初の国際大会になります。10月からは、五輪の代表選考にも関わる『グランプリシリーズ』も開幕します」(スポーツ紙記者、以下同)
羽生結弦がメンテナンス期間として休養に

五輪シーズンが始まり、選手たちが改めて気合を入れ直している。そんな中、あの“レジェンド”はというと、
「8月15日、羽生結弦さんが公式のXで“メンテナンス期間”を設けることを発表しました。来年の春ごろまでを予定しており、アイスショーなどだけでなく、この期間は基本的に新たな取材なども受けない方針だといいます」
ただ、YouTubeのメンバーシップに有料登録している人に向けたメッセージの発信は続けており、
「ファンとの交流は、羽生さんにとって大事な“心のメンテナンス”なのでしょう」
'22年7月にプロフィギュアスケーターに転向してからおよそ3年。羽生は毎シーズン、自らが製作総指揮を務める単独公演や、地元・宮城県から“希望”を発信するアイスショーなどを行い、走り続けてきた。
「日々の練習やトレーニングも欠かさず、週6日、1日5~6時間ほど自身を追い込むことも。常に、進化し続けるためにどうするべきかを考えており、心が休まる瞬間がなかったといいます」
一方で、3年間ハードな生活を積み重ねたことで、
《今こういう時期なんだな、休養が足りてないんだな、というのがだいぶわかってきた。意図的に休めるよう努力しています》(『GOETHE』'25年4月号)
と、自身への理解が深まったという。
「羽生さんは、今回の“メンテナンス”は未来に向けたものだと説明しています。復帰予定だという'26年の春は、彼も被災した『東日本大震災』から15年という節目の年でもあります」(スポーツ紙記者、以下同)
羽生はこれまでの体験を通じて、人々を笑顔にしたり希望を届けたいという思いを強く持っていることから、
「来春に、さらなる進化を遂げて帰ってくるつもりなのかもしれませんね」
長い休養にはこんな見方も

このタイミングでの長い休養には、こんな見方も。
「'26年2月に『ミラノ・コルティナ五輪』が開催されるため、テレビ各局はキャスターや解説のキャスティングを進めています。すでに、前回大会である'22年の『北京五輪』後に引退した選手の起用を発表した局もあり、現役アスリートへの事前取材も始まっているそうです。もちろん、引き受けてくれるのなら各局は羽生さんを起用したいでしょうし、彼自身も五輪シーズンであることは認識しているはず。だからこそ“あえて今”休養に入ったのではないでしょうか」(テレビ局関係者)
いったい、どういうことか。
「大きな影響力を持つ羽生さんが何かを発信することで“後輩たちが惑わされないように”と、考えているのではないでしょうか」(フィギュアスケート関係者)
競技時代、ストイックに“金メダル”に向き合ってきた羽生は、《辛いことが起きたり、嫌なものを見たり、嫌なことを言われたり……そんなことで簡単に揺らいでしまうし、簡単に練習も行きたくなくなる》(『GOETHE』'25年4月号)
と、周囲の声に悩まされてきたことを明かしている。
「羽生さんは、3度五輪に出場して2度の金メダルを経験しており、誰よりもそのプレッシャーを理解しています。だからこそ、競技を続ける選手たちの心に寄り添うことができます」(フィギュアスケート関係者、以下同)
例年どおりの活動をすると、
「五輪のキャスターに起用されていなくても、自身のアイスショーなどで五輪についてのコメントを求められることは間違いありません。それがどんな言葉であっても、後輩たちに影響を及ぼしかねない。彼らが伸び伸びと五輪に挑めるよう“無言”でいることが、自分の責務だと考えているのだと思います」