
7日、岐阜県岐南町の町議会議員選挙が行われ、小島英雄前町長が当選した。小島氏は通算8回目の当選となる。
女性職員らに対する99にも及ぶセクハラ行為
小島氏といえば、昨年3月、複数の女性職員らに対する99にも及ぶセクハラ行為が認定され、町長を辞職。「調査委員会の報告書は、中立性を欠いている」と主張しつつも「心が折れた。本当に疲れました、心身ともに。もう議会には出ない」とも話していた。
「第三者調査委員会の報告書によると、最も多く見受けられたセクハラ行為は“頭をポンポンと触る”。その他にも、手や髪、お尻や太ももなどを触る行為や “子どもはまだ作らんのか”“彼氏おるんか?”“生理は終わったのか”などの不快な発言もあったといいます。さらに、セクハラに加えて“クビやぞ”などと脅すパワハラも日常的に行っていたと認定されています」(政治ジャーナリスト)
そんな、“セクハラ辞職”の前町長が当選したことについて、
《この程度のセクハラは問題無いと容認されたと言うことですね》
《被害者の心はまるで無視して再び表に出てくるなんてモンスターすぎる》
と、ネット上では批判が寄せられていた。
また、小島氏を選んだ町民への疑問も。
《投票率も絶望的に低いし、町政に関心がないんですかね?》
《セクハラ辞職した人物が再び当選するとは、岐南町は女性への人権意識を欠いた地域なのか》
《今どき、セクハラして政治家に復帰できるなんて、かなり時代遅れの自治体》
「町政には関わらない」と話していた小島氏だが、「支援者の要請を受け、町議選に立候補した」と辞職から約1年半という短い期間で、町議会議員選挙への出馬を決断。16人の立候補者の中から2位で当選確定後、「今まで一生懸命やって来た努力を住民の方々が認めてくれた。民意だと思っている。新しい岐南町を作っていきたい」と述べた。
その一方で、報道陣からセクハラ問題について質問されると「その話はなし。その話をするなら(取材は)打ち切り」と回答を拒否。
被害を受けた職員らは今も複数人在籍
「正直、本当に反省しているのかと疑問が残る態度です。昨年の町長辞職時も第三者委員会の調査に対して不満を示していましたし、会見でも《セクハラという認識はなかった》《嫌なら嫌とはっきり言ってもらえばよかった》と開き直るような発言が何度か見受けられました。今回、再び当選したわけですが、本人がハラスメント行為を軽視しているような印象があるので、また同じ行為を繰り返さないか懸念が残ります。小島氏が過去の問題と真摯に向き合い、二次被害が出ないことを祈ります」(前出、政治ジャーナリスト)
小島氏からハラスメントの被害を受けた職員らは今も複数人在籍しているという。被害者への配慮や再発防止策の取り組みが不十分なままの復帰は、町政の信頼を揺るがしかねない。
過去にも斎藤元彦兵庫県知事がパワハラ問題などで県議会全会一致の不信任決議を受け失職。しかし、 “出直し知事選挙”で圧勝し、失職から約50日で再選を果たしている。
過去に問題を起こした人物が平然と再選を果たす現実に、地方選挙の構造的な課題が改めて浮き彫りになった。