食物繊維たっぷり腸活レシピ

残暑がこたえるこの時季。不調を改善するのに試してほしいのが、腸を元気にする食物繊維たっぷりのごはんです

 と話すのは70歳の料理家、荻野恭子さん。

健康長寿の秘訣は毎日の食物繊維!

 腸は第2の脳ともいわれていて、全身の免疫細胞の7割があることからも、きちんと機能していることがとても大事。

腸を整える方法はいくつかありますが、なかでも腸内環境を整える柱のひとつが、食物繊維。腸内にいる善玉菌のエサとなり、代謝の過程で発生する物質が腸内を元気にし、便通はもちろん、免疫機能や自律神経の働きも助けてくれます

 1日の目標摂取量は25gだが、実際には10~14gほどしかとれていないという調査も。

毎日サラダを山盛り食べろと言われても難しいでしょう。でも、おかずに豆やきのこを加えたり、副菜で根菜や海藻をとるなど、“普段のごはんにちょい足し”するだけでも、自然と腸は整っていくんです

腸にやさしい毎日のおかず

 大豆やきのこ、ごぼうなどを普段のおかずにちょい足しするだけで、腸が自然に整う、ヘルシーでやさしいごはんに仕上がります!

ハンバーグ

 大豆をたっぷり混ぜ込んだ

ハンバーグ

材料/2人分
ひき肉だね[合いびき肉……200g、塩……小さじ1/4、こしょう……少々、玉ねぎ(みじん切り)……1/4個分、ゆで大豆(ドライパックか缶詰)…50g]
・小麦粉、バター、植物油……各大さじ1/2
・トマトの水煮(カットタイプ)……100g
・マッシュルーム(薄切り)……4個分
・塩……小さじ1/2
・砂糖、こしょう……各少々
・サニーレタス……2枚

【作り方】
(1)ボウルに大豆以外のひき肉だねの材料を入れて手で練り混ぜ、粘りが出たら大豆を加えて混ぜる。
(2)2等分し、小判形に形を整え、小麦粉をまぶす。
(3)フライパンにバター、植物油を熱し、(2)を入れて両面に焼き色がつくまで中火で焼く。
(4)トマトとマッシュルームを加え、中火で5~6分煮て、塩、砂糖、こしょうを加えて混ぜる。サニーレタスとともに器に盛る。

食材選びにもポイントが

さばのみそ煮

 ごぼうで風味と食物繊維を大幅アップ

さばのみそ煮

材料/2人分
・さば(切り身)……2切れ
・ごぼう……1/2本
・しょうが……1かけ煮汁[水……1と1/2カップ、砂糖……大さじ1、みそ……大さじ2]

【作り方】
(1)さばの皮目に斜めに切り目を2本入れ、ざるにのせて熱湯をかけ、流水にとって水けをきる。
(2)ごぼうは4cm長さに切ってから縦半分に切り、水にさらしてから2~3分ゆでる。しょうがは太めのせん切りにして水にさらす。
(3)鍋に煮汁の材料を入れて火にかけ、沸いたらさば、ごぼうを入れ、落としぶたをして弱めの中火で12~13分煮る。
(4)しょうがの水けをきって加え、さばに汁をかけながら少し煮詰めて仕上げる。

豚肉のみそ漬け焼き

 これから旬を迎えるきのこを添えて

豚肉のみそ漬け焼き

材料/2人分
・豚ロース肉(とんかつ用、厚切り)…2枚
みそだれ(混ぜ合わせる)[みそ……70g、水、砂糖……各大さじ1]
・長ねぎ……1/2本
・生しいたけ……2個
・えのきたけ……1/2袋

【作り方】
(1)みそだれを豚肉の全体に塗りつけて1時間ほどおく。
(2)長ねぎは4等分に切り、しいたけとえのきたけは石づきを切り取り、しいたけには十文字の飾り切りを入れる。
(3)豚肉のみそを指でぬぐい取ってフッ素樹脂加工のフライパンに入れ、長ねぎ、しいたけ、えのきたけも入れて弱めの中火で焼く。途中、上下を返して両面を香ばしく焼く。

腸が喜ぶ食材選び「まごわやさしいこ」
 バランスのよい献立を心がけていても、手軽さや価格の面から肉や炭水化物に偏りやすく、食物繊維は不足しがち。そんなとき意識したいのが「まごわやさしいこ」。これは、食物繊維をはじめ、タンパク質やビタミン、ミネラルなど、日本人に必要な栄養素がとれる健康的な食材の語呂合わせ。毎日の食事に取り入れるだけで、腸が自然と整います。
=豆類
=ごまやナッツ
=わかめなどの海藻類
=野菜
=魚介類
=しいたけなどのきのこ類
=いも類
=麹などの発酵食品

主食からも食物繊維

サーモンのレモンクリームパスタ

 香ばしい全粒粉ペンネとクリーミーなソースが合う

サーモンのレモンクリームパスタ

材料/2人分
・全粒粉ペンネ……150g
・スモークサーモン……80g
・玉ねぎ(薄切り)……1/4個分
・レモン(薄い輪切り)……2枚
・生クリーム………100ml
A[バター、オリーブ油……各大さじ1]
B[塩……小さじ1/2、こしょう……少々]
・ペンネのゆで汁……1/2カップ
・パセリ(粗いみじん切り)……適量

【作り方】
(1)ペンネは塩(分量外)を加えた熱湯で袋の表示時間どおりゆでる。ゆで汁を1/2カップとっておく。
(2)レモンはいちょう切りにする。
(3)フライパンにA、玉ねぎを入れ、玉ねぎがしんなりするまで弱めの中火で炒める。
(4)(2)、スモークサーモン、生クリーム、ペンネのゆで汁、B、(1)のペンネを加え、1~2分煮る。皿に盛ってパセリを散らす。

ライスカレー

 雑穀ご飯と具だくさんの野菜がポイント

ライスカレー

材料/2人分
・豚切り落とし肉……120g
・じゃがいも……1個
・にんじん……50g
・玉ねぎ……1/4個
・グリーンピース(正味)……30g
・トマトの水煮(カットタイプ)……1/4カップ
A[植物油……大さじ2、ローリエ……1枚、赤唐辛子……1本]
B[にんにく、しょうが(すりおろし)…各1かけ分]
C[塩……小さじ1、水……1カップ]
・カレー粉……大さじ1
・雑穀ご飯……適量

【作り方】
(1)じゃがいも、にんじん、玉ねぎはさいの目切りにする。
(2)フライパンにAを入れて弱火にかけ、香りが出たら玉ねぎ、トマト、Bを加え、中火で2~3分炒める。
(3)豚肉、じゃがいも、にんじん、グリーンピースを加えて炒め、カレー粉大さじ1/2とCを入れて中火で10分煮る。
(4)残りのカレー粉を加えて2~3分煮る。ご飯とともに器に盛る。

主食からも食物繊維をとるコツ
 食物繊維はおかずだけでなく主食からも上手にとることで、無理なく1日の推奨摂取量を達成できる。例えば、白米を雑穀米に代えれば食物繊維の量は約2~3倍に。パスタやパンを全粒粉のものに代えるのも手。手軽な市販品も増えているので、まずは試してみて。

腸内環境を整えるお手軽副菜

 主食や主菜に食物繊維が足りないときには、サッと作れる副菜に頼るとラク。

わかめの炒めナムル

 乾燥わかめが韓国風の副菜に

わかめの炒めナムル

材料/作りやすい分量
・わかめ(乾燥)……10g
・ごま油……大さじ1
A[しょうゆ……大さじ1、砂糖……小さじ1/4、にんにく(粗いみじん切り)…1かけ分]
・白すりごま……小さじ1
・粗びき赤唐辛子……小さじ1/4

【作り方】
(1)わかめは湯につけてもどし、流水にとって水けをきり、大きければひと口大に切る。
(2)フライパンにごま油を熱してわかめを入れ、中火で炒めて全体に油が回ったらAを入れて炒め合わせる。器に盛ってごま、赤唐辛子をふる。

にんじんとくるみのガーリックマヨ

 くるみを足して食感や栄養をグンとアップ

にんじんとくるみのガーリックマヨ

材料/作りやすい分量
・にんじん……1本
・塩……少々
・くるみ……20g
A[にんにく(すりおろし)……1かけ分、マヨネーズ……大さじ3]
・パセリ(粗いみじん切り)……少々

【作り方】
(1)にんじんはスライサーで細切りにしてボウルに入れ、塩をまぶして出てきた水けを軽く絞る。くるみはめん棒などでたたいて粗く割る。
(2)Aを加えて混ぜ、器に盛ってくるみ、パセリを散らす。

スピードおから

 おからでタンパク質と食物繊維をチャージ

スピードおから

材料/作りやすい分量
・乾燥おから……20g
・長ねぎ……20g
・にんじん……20g
・水……150ml
たれ[しょうゆ……小さじ1、塩……小さじ1/2、砂糖……大さじ1、削り節……1.5g、ごま油……大さじ1/2]

【作り方】
(1)乾燥おからを耐熱のボウルに入れ、水を加えて均一になるまで混ぜる。
(2)長ねぎ、にんじんを粗いみじん切りにして(1)に加え、たれの材料も加えてよく混ぜ、ラップをかけて500Wの電子レンジで4~5分加熱する。

※食物繊維は1人分の数値です。一部、皮付きで調理した野菜を含みます。

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荻野恭子さん●料理研究家。栄養士。世界70か国以上を訪れた経験を生かして、数々のオリジナリティーあふれるメニューを提案。テレビや雑誌、専門学校講師、講演など、幅広く活躍中。

教えてくれたのは……荻野恭子さん●料理研究家。栄養士。世界70か国以上を訪れた経験を生かして、数々のオリジナリティーあふれるメニューを提案。テレビや雑誌、専門学校講師、講演など、幅広く活躍中。


レシピ考案・料理/荻野恭子 スタイリング/本郷由紀子 撮影/公文美和 編集協力/中村裕子