藤井風

 人気シンガーソングライターの藤井風が、9月8日、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演。登場した際のド派手な衣装とその自然体な受け答えが大きな話題を呼んでいる。

黒柳徹子もデレデレの“人たらし力”

「着用した衣装は『Hachiko』という、藤井さんの曲のミュージックビデオで着用していたものでした。芸能界の大御所でもある黒柳徹子さんの番組なので、無難にスーツで登場するのかと思いきや、黒一色のツナギのようなスタイルだったので驚きましたね」(スポーツ紙記者)

 犬をイメージしたという珍しい衣装に、視聴者たちもSNS上で、《レディーガガ以来の衝撃》《まさか徹子の部屋であの衣装見られるなんて!》と大興奮。番組内でのトークでは、黒柳が藤井の柔らかな笑顔と軽妙な会話にすっかり魅了され、食事の約束まで取り付ける場面もあった。

「徹子さんがあんなにデレデレするとは思いませんでしたよ。藤井さんの溢れ出る魅力によるものなんでしょうけど、彼の“人たらし力”は目を見張るものがありますね」(前出・スポーツ紙記者)

 藤井といえば、その圧倒的なアーティスト性から、ファン層は20〜30代の若い世代が中心だと思われてきた。しかし、実際は黒柳のような年配女性にも高い支持を得ているという。

「コンサート会場では、若い人はもちろんですが、50代以上の“マダム層”の姿も目立ちます。'22年の紅白歌合戦に出演した際は、履いていたふわふわの高級スリッパが放送後、すぐに完売。かわいいと若い世代が盛り上がる一方で、大人っぽいセンスだと年配女性からの共感も呼びました」(レコード会社関係者)

藤井風が紅白で着用していたスリッパは人気を集め、現在入手困難な状態となっている(ブランドのHPより)

“心の師匠”のようなギャップ

 長年、活動を支えてきたスタッフが急逝した際には、

「SNSでいっさいの言葉を発さず、写真を1枚だけ投稿しました。華美な追悼メッセージを避けた静かな姿勢は“言葉より重く、誠実さが伝わる”と称賛され、彼の人柄を象徴する出来事になりました」(同・レコード会社関係者)

 幅広い層を虜にしているようだが、彼のどのような部分が、年上世代の好感度を“爆上がり”させているのだろうか。

里圧町役場には藤井風の兄である演奏家・藤井空のサインポスターも一緒に展示されている

「なんといっても、ピアノのスキルが素晴らしいんですよ。自分が生まれる前の曲も含めて、いろいろなジャンルの曲を知っているんです。まさに“人間ジュークボックス”と言っても過言ではないのでは」(ファンの50代女性)

「風さんは、欲がなくて素直な心を持っているんだなというのが、体全体から伝わってくるんです。常識に縛られない自由さを持ちながら、それでいて“ありのままの自分を磨き続ける”というストイックな姿勢も、見ていてステキだなって思います」(ファンの60代女性)

 メディア研究家の衣輪晋一氏にも聞いてみると、

「詩人のような存在感と、歌詞に込められた深い人生観やメッセージ性が、50代以上の女性たちに響いているのだと思います。曲調も、昭和歌謡の懐かしさを残しながら最新のトレンドも取り入れており、新しい音楽に抵抗があった層を惹きつけています。また、岡山弁の飾らない素朴さ、子どもっぽさとストイックな音楽性からくる色気、“心の師匠”のようなギャップが、人生の支えだと感じさせるのです」

 世代を超えて人々を惹きつける藤井の存在感は、音楽界においてますます大きなものとなっている。黒柳との食事会の様子も、ぜひ『徹子の部屋』でオンエアしてほしい!