パーソナリティーは、お笑い芸人のチョコレートプラネット、モデル・タレントの佐藤栞里、SixTONES(公式HPより)

 9月9日、『全国高等学校クイズ選手権』通称『高校生クイズ』が放送された。この番組は日本テレビ系列の恒例企画の番組で、毎年多くの高校生が日本一を目指して参加している。

この番組も今年で第45回と歴史があり、過去にはあのクイズ王で知られる伊沢拓司さんも出場していました。当時は“知の甲子園”というコンセプトで知識を問うものでしたが、時代とともにエンタメ的でより開かれたものに変化しているようです」(テレビ誌記者、以下同)

頂点に輝いたのは静岡県立の沼津東高校

 今年は全国から約5000校が参加した。名門校が名を連ねる中で、頂点に輝いたのは静岡県立の沼津東高校。『高校生クイズ』で公立高校が優勝するのは2019年の洛北高校以来の出来事でもあり、この熱い展開に視聴者も盛り上がりを見せた。

《沼津東が灘とか開成出し抜いて高校生クイズで全国優勝していてヤバすぎる》

《高校生クイズ、公立校が久々に優勝してくれたか》

《沼津東高等学校、優勝おめでとう。 参加した全ての高校生の皆さんの真剣にクイズに挑む姿に感動》

《静岡の誇り。沼津東おめでとう》

 また、同高校出身のお笑い芸人、トータルテンボスの大村朋宏は、自身のXで「高校生クイズで私の母校、沼津東が優勝した!すげー!かっけー!俺はなんも携わってないけど、勝手に誇らしい気分になってる!ありがとう!」と投稿している。

 しかし、公立高校の優勝に視聴者が熱狂する一方で、クイズの方式が不平等なのではないかという声があがっている。問題視されているのは、決勝ラウンドの第1ステージ。出場した5チームのうち4チームが第2ステージに進めるというルールだった。

今回のルールは、スタート地点から離れた場所にある問題の入った封筒を取りに行き、スタート地点へ戻ってきて解答します。正解するまでは同じ解答者がこの往復を繰り返すため、体力的に男子に劣る女子に不利ではないかという指摘がされています

 同番組内の準決勝も解答台まで走る形式だったが、「走る距離はスポーツ庁発表のデータを基に、男子50m女子40mに設定」と解説し、解答台までの距離に男女差をつけていた。この準決勝での配慮が、決勝の無配慮さが浮き彫りとさせた。

体力的に女子が不利

 しかし、今回の問題はそれだけではない。

「メンバー全員が女子だけのチームが1チームありました。問題が置いてある場所は2か所で、1か所目はスタートから140mの場所に『難問とハズレ』、2か所目は250mの場所で『一般レベル問題のみ』が置かれていました。この女子だけのチームは3回もハズレを引く展開に。

 運ももちろんありますが、体力的に不利な女子がハズレを引く確率がある近場の問題が置いてある場所を選ぶことは想定できたはずです。このルール自体への批判が相次いでいます

物議をかもした決勝ラウンドの第1ステージの舞台は坂の多い琉球村(公式Xより)

 結果、この女子チームはここで敗退してしまった。この展開にはネットも同情の声が多く上がっている

《準決勝は距離を10mハンデにしたのに決勝はそれより距離が長いのにまた男女同じって》

《女子には距離が長い方が不利だし体力的にも無理と考えて近い方に賭けて何度もハズレばかり。かわいそうだった》

《体力で劣る女子が短い距離を選ぶ事は普通に分かるのでは?》

《女子チームが負けた時に長田(チョコレートプラネット)が「誰のせいでもないよ」とか言ってるけど、確実に企画した制作スタッフのせい》

《来年に向けてクイズのハズレ数の調整もしくはペナルティの再検討をお願いしたい》

 賛否両論を巻き起こした今回の決勝戦。視聴者が高校生たちの真剣な姿に感動する一方で、競技の公平性を求める声も多く上がった。

 長寿番組としてかつての“知の甲子園”から新たなステージへと進化する中で、時代に合わせたルールの再考が求められている――。