
今や、国民的なコミュニケーションツールになったLINE。実に日本人の95%が利用しているとも言われているが、9月に入り『AIトークサジェスト』という新機能が追加された。
「トーク画面を開くと入力欄に出てくる“AI”と書かれた小さなアイコンのことなのですが、これまでの会話の流れを読み取って、自動で返信候補となる文章やスタンプを提案してくれるんです。LINEがこれまで打ち出してきた、直感的でシンプルな使いやすさを求めて実装したと考えられます」(ITライター)
LINE「AIアイコン」に対する不満
まさに“LINE界のChatGPT”とも言えるような革新的なサービスだが、SNS上では意外にも、「AIアイコン」に対する不満がじわじわと広がっている。
《絵文字ボタンの横にあって誤タップしやすい》
《消せない》
《何のためにあるのか分からない》
と、あまり歓迎されていない様子。実際のLINEユーザーに聞いてみても、
「正直、AIで文章を作ってもらう必要は感じません。友人とのやり取りは自分の言葉で送りたいですし、メッセージで絵文字を押そうとすると間違ってAIボタンを押しそうになります……。消し方を検索したけど見つからないですし、少し不便さを感じますね」(20代の男子学生)
昨年11月に発生したアルバム機能の不具合で、ほかの利用者の画像が誤って表示されることがあった。こういった問題も、少なからず利用者から疑念を持たれているようで、
「トーク履歴をAIに見られるのが、なんかイヤだなって。万が一、会話履歴が流出したら……なんて考えると、怖くてあまり使おうって思えないかも」(30代の女性会社員)
思わぬ逆風が吹いているが、サービスとしては画期的なものであることに違いない。
「否定的なユーザーの意見に対応するためにも、LINE側としては、AIボタンの利便性の丁寧な説明や表示ボタンを自由にオン・オフ切り替えられる設定の導入、使用に際しての安全性の説明などが求められるのではないでしょうか」(前出・ITライター)
利便性を打ち出したつもりの新機能が、結果的にネガティブに受け止められてしまうのは、企業にとってもユーザーにとっても不幸なこと。LINEがこの声をどう受け止めるのか、今後の対応が注目される。