左から大谷翔平、山本由伸

 ドジャースの大谷翔平ら、日本人選手の活躍もあり、注目度が高まっているメジャーリーグ。テレビやネットでの生中継で試合を観戦する日本のファンも増えたが、

《メジャーは開始時間に幅ありすぎて追うの大変》

《メジャーの試合開始の時間の「10分」がいつも謎w》

《なんでメジャーリーグのプレイボールって中途半端な時間なの⁉︎ 05分とか10分とか》

 と、中途半端な時刻に試合が始まることに疑問を抱えている人もいるよう。

メジャーの試合時間はバラバラ

MLBオールスターゲームのレッドカーペットを歩いた大谷翔平と真美子さん(ドジャース公式インスタグラムより)

「日本のプロ野球はナイターであれば、どの試合も午後6時ちょうどに始まることがほとんどです。一方で、メジャーの場合は球場によってバラバラになっています。ドジャースタジアムでは日本時間で午前11時10分(現地時間で前日の午後7時10分)のように、中途半端な時刻から始まることが多いです」(スポーツ紙記者)

 これにはどういった理由があるのか。メジャーリーグ研究家の友成那智(ともなり・なち)さんに聞いた。

「中継をする放送局との関係です。メジャーリーグの中継ではプレゲームショーといって、実況や解説の人が試合の見どころを話してから試合開始となります。試合の対戦カードはMLB機構が決めますが、試合開始時間に関してはホームチームと放送局との契約になります。そのため、プレゲームショーが終わる時間に合わせて試合が始まるように時刻が設定されています」

 2024年のメジャーリーグの放映権料は、全国放送向けとローカル向け合わせて約40億ドル(約6000億円)。日本のプロ野球が推定500億円と言われており、比較するとメジャーリーグの放映権がいかに巨額かがわかる。
これが試合開始時間とも絡んでくるという。

「放映権料は高額でMLBの収入の柱となっているため、試合開始時間も放送局の意向が大きく関係してきます。放映権に関しては、アメリカ国内への全国放送はメジャーリーグ機構が一括で契約して管理。それを全30球団に均等に分配する仕組みになっています」(友成さん、以下同)

 この分配制度によって救われている球団も。

「ドジャースのような人気球団であれば“ゲート収入”といってチケット代やグッズの売り上げの収入が多いのですが、不人気でお金がない球団にとっては放映権からの収入はかなり大きいのです。放映権料で球団が成り立っているようなケースもあります」

 中途半端な開始時刻のウラには大規模なビジネスが隠れているようだ。