イチロー(2025年2月5日)

 9月16日(現地時間15日)、アメリカを中心とする各メディアがショッキングなニュースを伝えた。スポーツ選手やセレブの豪邸をねらった高級住宅街での強盗事件が多発しているアメリカだが、元メジャーリーガー・イチロー(51)の自宅も強盗犯が押し入る事件が発生していた。

 複数の強盗容疑で起訴された、パトリック・メソネット被告(29)の裁判で明らかになったイチロー宅への強盗事件。ワシントン州シアトルに構える自宅に、メソネット被告が不法侵入したのは2025年2月9日(現地時間)のこと。

 実は事件が起きる前の2月5日、自身が愛用するウェアブランド『CW-X』のイベントに出席しているだけに、おそらく事件当日も日本に滞在していたであろうイチロー。そのスケジュールを知ってなのか、行き当たりばったりではなく用意周到に準備を進めた犯行に思える。

 そんな最中に起きた事件詳細を『AP通信』などが報じているのだが、さらに踏み込んだ内容を伝えているのが海外版『朝鮮日報』。現地の特派員記者によるレポートが掲載されている。

 なんでも寝室にいた弓子さんに、真っ先に異変を知らせたというのが一緒に過ごしていた愛犬「姫弓」ちゃんと「天朗」くん。かつて2002年からアメリカで飼い始めた柴犬「一弓」くんは、2019年のイチローの引退を見届けた後に18歳で息を引き取っている。

 後に飼い始めたのが、一弓くんとは血縁関係にある姫弓ちゃんと天朗くん。そんな二匹の愛犬が突然吠え始めるのを見た弓子さんは、寝室から自宅内の防犯カメラ映像を確認。するとキッチン近くの勝手口ドアが壊されているのがわかった。

 弓子さんは携帯電話で助けを求めるもなぜか一向に通じない。犯人は別の事件でも、携帯電話やWi-Fiを妨害するデジタル周波数妨害装置を使った犯行を重ねていただけに、この時も同様の手口だったわけだ。

スプレーをかけられた弓子夫人は

1999年12月、神戸市内のホテルで結婚会見を開いたイチローと元TBSアナの(旧姓:福島)弓子夫人

 しばらく部屋を物色していた犯人だが、弓子さんが寝室にいることに気づく。大胆にもドアをこじ開けて侵入しようとする犯人は、必死に押し返して抗っていた弓子さんに対して隙間から催涙スプレーを噴出

 6月にもシアトル出身のヒップホップ歌手のマックルモアの自宅に侵入した際にも、催涙スプレーを用いて犯行に及んだメソネット被告だけに常套手口であることが伺える。

 スプレーをかけられながらも怯むことなく、ついには寝室のドア施錠に成功した弓子さん。ドア越しに「I will call 911!!(緊急通報番号の911に連絡する!!)」と叫び、ついに強盗犯を撃退したのだという。

 詳細は不明だが、一部では被害額は1万9000ドル(約278万円)とも報じられている。それでも犯人と鉢合わせ、抵抗に打って出た弓子さんは最悪、命の危険にさらされた可能性もある事件だけに、残してきた家族“3人”が無事だったことに安堵したであろうイチロー。

 いち早く危険をママに知らせた、姫弓ちゃんと天朗くんのファインプレーが光った。