イチローにあいさつしようとしたが、逃げられてしまった大谷翔平。その後、握手を交わして談笑していた 写真/共同通信社

 米プロ野球殿堂入りを果たしたイチロー氏(51)のシアトルの自宅に今年2月、強盗が侵入していたことが明らかになった。容疑者の別件逮捕により判明し、その詳細は裁判記録を通じて公になった。

イチロー氏の妻・弓子さんが必死の抵抗

イチローと弓子夫人の愛犬「姫弓」と「天朗」(シアトル・マリナーズ公式Xより)

 事件当時イチロー氏は不在だったようで、在宅していた妻・弓子さんが強盗と応戦した。侵入者に最初に気付いたのは飼い犬の「姫弓」と「天朗」。2匹が突然吠え始めたため弓子さんが防犯カメラを確認すると台所のドアが壊されていたという。寝室のドアを挟んで睨み合いになると、ドアの隙間から催涙スプレーをかけられながらも侵入を防いだという。

 シアトルのローカルニュース『KOMO NEWS』の報道によると、イチロー氏宅に侵入したパトリック・メゾネット(29)容疑者は長年の犯罪歴があり、強盗と暴行、住居侵入、窃盗、誘拐、銃器の不法所持など様々な罪で起訴された。ワシントン州矯正局の監督下にも置かれ、2025年の数か月間でイチロー氏の他にシアトルマリナーズの投手ルイス・カスティーヨ、ラッパーのマックルモア宅他数件の強盗を繰り返していた。

 この報道にSNSでは、

《セキュリティがものすごく厳重なイメージなんですけど、そこまで侵入できちゃうもんなんですね》

《奥様ご無事で本当に良かった…相当怖い思いをされたことでしょう。催涙スプレーまで噴射されて、普通はパニックになるところなのに、奥様の咄嗟の判断と行動力が凄い》

《相当緊迫した危険な状況だったみたいだけど、弓子さん強すぎる》

 などセキュリティへの疑問や妻・弓子さんへの心配が相次いだ。

 昨今、全米各地でスポーツ選手や著名人の留守を狙った自宅への窃盗が横行している。

 特にアジア系アメリカ人は、高価な宝石を多数所持し、スタジアムなどの所在地も公にしているため、最も狙われやすい標的となっているそう。ドジャース・山本由伸投手もロサンゼルス・ハリウッド・ヒルズにある自宅が強盗未遂にあっている。愛犬が激しく吠えたため窃盗犯は逃走し、幸いなことに被害はなかったようだ。

大谷翔平の自宅報道問題も再注目

2025年7月16日(日本時間)、手をつないでレッドカーペットを歩く大谷翔平と真美子さん(共同通信社)

 今回のイチロー氏の報道を受けて、昨年5月にフジテレビと日本テレビが大谷選手の12億円豪邸を詳細に報道し、大谷の逆鱗に触れた問題も再び注目が集まっている。

「5月放送のフジテレビ『Live News イット!』では、レポーターが自宅敷地内のバスケットボールコートを盗み撮りし、近隣住民たちにまで直撃インタビューを敢行。大谷選手の新居の情報を大々的に報道し大きな批判を浴びました」(スポーツ紙記者)

 SNSでは、

《何故、大谷翔平が自宅を無許可で上空撮影した日本のテレビ局に怒りを露にし、LAドジャースが事態を重く受け止め球団として正式に抗議をしたのか、これが全ての答え》

《日本のマスゴミには、去年大谷さんがキレてた理由をこのニュースから学んで欲しい…》

《この一件で、馬鹿な日本のメディアが自宅を報道したことを思い出しちまったよ》

 と改めて大谷への心配の声が散見された。

 今年、妻の真美子さん(28)との間に第1子女児が誕生したことを発表した大谷。チームメイトである山本由伸の強盗未遂事件もあり、 心中穏やかでないだろう。SNSでは背景削除、間取りをも特定されないように徹底管理し警備会社と契約して妻と娘を守る姿勢を見せているとのことだ。

 イチロー氏宅への事件で改めて浮き彫りになったアスリート宅の危険。海外で活躍するアスリートとその家族を守るためにも、今回の事件をきっかけにメディアによる過度な取材がなくなることを願うばかりだ─。