北京冬季五輪カーリング女子、イギリスとの決勝戦でショットを放つロコ・ソラーレ所属の藤沢五月選手(写真/共同通信社)

《ロコ・ソラーレ五輪消滅》

 9月13日、カーリングの2026年ミラノ・コルティナ五輪最終予選日本候補決定戦が開催され、2022年北京五輪で銀メダルを獲得した『ロコ・ソラーレ』が、『フォルティウス』に敗れ、五輪出場を逃した。

北京五輪では銀メダルのロコ・ソラーレ

石崎琴美の誕生日をお祝いするロコ・ソラーレのメンバー(吉田夕梨花公式インスタグラムより)

「ロコ・ソラーレは『チーム青森』で活躍し、“マリリン”の愛称で人気を博した本橋麻里さんにより'10年に設立されたカーリングチームです。五輪には2018年平昌五輪・2022年北京五輪に連続出場しており、北京では見事銀メダルを獲得。そのほかワールドカップでは優勝、世界選手権でも2度の銀メダルと国際大会でも実績が豊富な日本一といえるカーリングチームです」(スポーツ紙記者、以下同)

 そんなロコ・ソラーレをこのたび破ったフォルティウスは、北見を本拠地とするロコ・ソラーレと同じく北海道は札幌のチーム。

「チーム青森で本橋さんたちと共に戦ったことが記憶に残っている人も多いと思いますが、小笠原歩さん(旧姓・小野寺)らが、一度競技を引退した後に、現役復帰する際に結成されたチームです」

「そだねー」や「もぐもぐタイム」といったフレーズも人気となり、カーリングというマイナーだった競技を一般にも広めてきたロコ・ソラーレ。前回大会メダリストが五輪出場を逃したとあって、今回の敗北は大きく報じられたが……。

「人気チーム、それも連続出場していたメダリストチームが負けて、五輪出場を逃してしまったのですから、ロコ・ソラーレが大々的に報じられるのはある意味当然かもしれません。ただ、その多くは“ロコ・ソラーレが負けた”ことばかりを伝えるもので、テレビのスポーツニュースなどでは勝ったほう、つまりフォルティウスの存在すら伝えていなかったものも見ました。

 カーリング関連のスポーツニュースや記事などの報道は、いつもロコ・ソラーレ=メイン、対する相手は“敵”かのような形で構成されることが多く……」(スポーツライター、以下同)

カーリング人気を牽引

ボディメイクコンテスト「MOLA CUP」に出場した、北京五輪カーリング女子日本代表の藤澤五月(FWJ公式ツイッターより)

 ロコ・ソラーレの敗北を伝える報道には、“関係者”の弁としてカーリング人気の今後を憂いているものも。

「日本カーリング協会など本当に関係者の立場にある人が実際に話していたとして、ロコ・ソラーレが五輪に出場できないことで世間からの注目度が下がってしまう懸念はわからないでもない。ですが、負けた直後、というよりフォルティウスが勝った直後にそのような発言をすることはあまりに失礼すぎると感じます」

 関係者が今後を憂いた記事に対しては多くのコメントが寄せられ、大半は批判的な声となっている。

「ロコ・ソラーレがカーリング人気を牽引してきたことは事実です。しかし、相手をないがしろにするような今回の過剰な敗北報道は、フォルティウスはもちろんロコ・ソラーレに対しても含め“選手に失礼”という声が上がっています。

 メディア側が“そだねー”や“もぐもぐタイム”を煽るように使い、扇動した感があったこともあり、13日以降、Xで『ロコ・ソラーレ』と検索しようとすると、サジェスト(予測検索候補)に『嫌い』が出てくる始末です。敗れた彼女らに罪があろうはずはないのに……。このようなメディアの姿勢や関係者の不用意な発言は、それこそカーリング人気の今後を不安にさせるものだと感じます」

 フォルティウスは12月に五輪出場枠をかけて、カナダで開催される世界最終予選に臨む。