
自民党の“長老”連中にしてみれば、喉元過ぎれば熱さもなんとやら…というわけか。
石破茂首相(68)の辞任に伴い、10月4日に実施される自民党総裁戦。次期内閣総理大臣の座をかけて立候補者の動向と、また永田町で蠢く“長老”たちの駆け引きが日々報じられている。
現在、出馬表明しているのは前経済安保担当大臣の高市早苗氏(64)、農水大臣の小泉進次郎氏(44)、前幹事長の茂木敏充氏(69)、 元経済安保担当大臣の小林鷹之氏(50)、そして石破内閣で官房長官を務めた林芳正氏(64)の5名。
立候補には国会議員20人の推薦が必要で、国会議員票295票と党員票295票を合わせた「590票」の投開票で決まる総裁選だけに、麻生派43人を束ねる麻生太郎最高顧問(84)、党内で力を維持する岸田文雄前首相(68)がどの候補者を支持するかにも注目が集まっている。
よって各候補者が挨拶や面会の場を求める、いわゆる「重鎮詣で」が連日伝えられているわけだが、中でも麻生氏、岸田氏、そして菅義偉前首相(76)ら“キングメーカー”とも称される3人への面通しは不可欠なようだ。
そんな最中の9月19日、『NEWSポストセブン』が気になる記事を配信している。
高市よりも“操りやすい”進次郎を支持か
なんでも2024年9月の総裁選で、石破首相との決選投票の末に惜しくも敗れた、初の女性首相に最も近いとされる高市氏を阻止すべく、麻生氏ら3人の“長老”が進次郎支持の方向で動いているというのだ。
「現状で各メディアの世論調査、そして投票権を持つ自民党員からの支持が高いのが高市さんだと言います。党内きっての保守派であり、先の物価対策においても“食料品に適用される消費税の軽減税率を0%に引き下げるべき”との持論を展開した彼女ですが、日本国首相の座に就くのを都合が悪いと捉える面々もいるのでしょう。
なんとか高市さんの議員票を削って、進次郎との決選投票に持ち込みたい思惑が見えますね。後者ならば、石破首相のように“操りやすい”と思われているのでしょうか」
とは与党事情に詳しい政治ジャーナリストの見解。

国民の暮らしをより良くするためか、それとも己の利権のためか、日本の将来に影響を及ぼしかねないキングメーカーたちの選択。一方、SNSでは彼らの首相歴を省みて、その座に居座っていることに疑問を抱く声も。
《石破内閣の支持率は30%、麻生内閣の最後の支持率10%だよね。それで解散し自民党惨敗、野党に落ちぶれた》
《岸田政権が支持率無視して長期化した為日本が沈みかけてるのに、路線引き継いで日本沈没させる気ですか?》
《最後は悲惨な支持率で無様に去った無能の三人が裏でコソコソ何をやっているの? 物価高で国民は苦しんでいるというのに》
支持率10%を切った麻生内閣
福田康夫前首相の辞任・内閣総辞職に伴い、2008年9月に誕生した麻生内閣。組閣直後から内閣支持率48%と期待は薄く、さらに「カップ麺は400円」と庶民感覚のなさを露呈し、所得制限を設けた定額給付金のバラマキ政策で反感を買った麻生氏は、みるみるうちに支持率下降。
2009年2月の日本テレビ系の世論調査では9.7%と10%を切り、国民からそっぽを向かれた麻生内閣は同年9月に退陣。ついに自民党政権は、鳩山由紀夫氏(78)を新首相とする民主党に取って代わられる始末。
“増税メガネ”とも揶揄された岸田氏も国民からの支持を得られずに、2024年6月には支持率16.4%(時事通信)を記録。コロナ禍での政権を任された菅氏も当初は70%以上の支持を得るも、2021年8月には25.8%(ANN)まで下がると2カ月後の10月に総辞職した。
「つまり国民から見限られたはずの面々が、そんなこともすっかり忘れて重鎮として自民党を牛耳る現状があるということ。政界には国民の世論調査では測れない、“永田町の内閣支持率”というものがあるとも聞きます。このタイミングでの石破首相の辞任も、本当は本人の意思では決められなかった事情があるとも。
そんな麻生最高顧問らの顔色を伺っている時点で、進次郎と高市さん、他の候補者が首相になっても、結局は自民党政治は変わらないのではないかとの不信感も強まっています。求められているのは永田町の顔色ではなく、しっかり国民の方を向いて仕事をしてくれる首相ですよ」(前出・政治ジャーナリスト)
支持率10%のキングメーカーに期待する国民はいないだろう。