
「年を重ねて『昔と同じ食事量なのに体重が増える』といったお悩みをよく聞きます。そんな人におすすめなのが代謝UPの“やせツボ”です」
そう話すのは、女性専門鍼灸(しんきゅう)院を運営するはなももさん。代謝低下、さらにはむくみや疲れにも効果があるのは三陰交(さんいんこう)というツボ。
中高年女性のお悩みに効果のあるツボを伝授
「内くるぶしから指4本分上のところにあって、女性ホルモンや女性疾患に関わるツボなんです。東洋医学では『女性の万能ツボ』とも呼ばれていて、月経不順、更年期症状、冷え性、むくみ、代謝の改善まで幅広い効果が期待できます」(はなももさん、以下同)
親指でやさしく、痛気持ちいいくらいの強さで押すこと。そして、便秘のお悩みもツボを押すことで改善できるとか。
「天枢(てんすう)というツボですが、即効性があります。施術をしている最中に“トイレに行きたい”と駆け込む人も。肩こりや頭痛に効く百会(ひゃくえ)というツボも即効性が高いですね」
はなももさん自身も体重が増えた経験があり、自らもツボ押しを日々の生活に取り入れていた。
「ツボ押しをすることで、約1年で9キロの減量に成功しました。食事制限をしなくても太らない身体になった経験から、自信を持っておすすめできるようになりました」
ちなみに、そのときに効果的だったのはメンタル不調にも効くツボ。
「年子の子どもを抱えコロナ禍で“ワンオペ育児”をしていて、心が疲弊し食に走り、セルフケアする余裕がなく太ってしまいましたが、『合谷(ごうこく)』というツボを押すとイライラが解消して体重増加もストップ。
手の甲側で、親指と人さし指の骨が交わるくぼんだところの、少し人さし指寄りにあります」
このツボは万病に効くツボで、ものもらい、頭痛、眼精疲労、便秘、肩こり、腰痛、歯の痛みなどにもおすすめ。
「ツボ押しは完璧にやろうとしなくて大丈夫です。『押す場所ややり方が間違っていたらどうしよう』と考えすぎて結局やらなくなる人もいます。60点でもいいから続けるほうが効果は得やすいです」
基本的に一度に5回くらい押せばいいが、これもあくまでも目安。
「ストレスを感じたり、身体の不調を感じたりしたときに、自由に刺激してください」
厳選5か所「やせるツボ」
めぐりUPのツボ「三陰交」
体内の隅々に栄養を届けて、不要なものは回収する「血」のめぐりを改善

婦人科系の不調時にも押したい三陰交は、内くるぶしの上3寸=指4本分上にある。下半身にある、めぐりをよくするツボなので、足の冷え、むくみの対処にもおすすめ。
便秘解消のツボ「天枢」
お腹の筋肉の緊張が緩みダイレクトに大腸を刺激

天枢は胃腸の働きを活発にすることにたけたツボで、おへそ中央から2寸外=指3本分外にある。腸のぜんどう運動の低下、排便の我慢、自律神経の乱れ、便意があるのにいきめないなどの不調に効果的。
燃焼促進のツボ「失眠」
自律神経を整え食べすぎ、代謝低下を抑え太りにくい身体に

失眠はかかとの真ん中にあるツボです。古くから睡眠改善のツボとしても使われていて、寝る30分から1時間前に押すと質のいい睡眠のサポートになる。かかとは指の腹だとしっかり押しにくいので、指の第二関節を使うのがおすすめ。
小顔を目指すツボ「大迎(だいげい)」
むくみからくる二重あごの改善に!

下あごのエラから骨沿いに指を滑らせて動脈の拍動を感じるところに「大迎」がある。左右にあるツボで、めぐりの悪さからくる、むくみ、たるみのケアに有効。小顔を目指せる!
万能のツボ「合谷」
ストレス緩和、頭痛、肩こり、便秘……さまざまな不調に効果

手の甲で親指と人さし指の骨がぶつかるあたりにある「合谷」。自律神経に働きかけて、イライラを静め、心を落ち着かせるのに役立つ。食べものに手を出す前に、合谷を押してムダ食いを防いで!

教えてくれたのは……はなももさん●15年以上の経験を持つ鍼灸師。2児の母。女性専門鍼灸院を開業後、かっさや、セルフケアお灸に関する講座を開催。Instagramでは“やせスイッチを入れるツボ押し”について発信。実践すれば、冷え・むくみゼロのやせ体質になれると好評を博している。『1日1分マネして押せば、体が変わる! ダイエットに効くすごいツボ』(KADOKAWA)