大沢たかお(撮影/矢島泰輔)

「続編が決まって、同じキャラクターを演じられるというのは、役者として本当にありがたいこと。この『沈黙の艦隊』や『キングダム』もですが、そういう場を与えてもらえるのは、たくさんのお客さまの支持や思いがあってこそ。うれしい反面、もっといいものを作ってみなさんにお返しするのが僕らの仕事。求められるハードルは、どんどん上がっているなと感じていますね」

大沢たかおが主演、プロデューサー

大沢たかお(撮影/矢島泰輔)

 映画『キングダム』シリーズでは、屈指の人気キャラクターである大将軍・王騎を熱演。今年、「第48回日本アカデミー賞」で最優秀助演男優賞を受賞するなど、スクリーンで強烈な存在感を放った大沢たかお。

 そんな彼が主演、プロデューサーを務める、かわぐちかいじの人気コミックを実写化した『沈黙の艦隊』シリーズの第2弾『沈黙の艦隊 北極海大海戦』が、9月26日より劇場公開される。

「台本づくりから前作よりすごく時間がかかっていますし、映像に関しても潜水艦の中のシーンは限られたスペースの中で撮っているんです。

 それでも監督にはこだわりと意地があって、これまでにない画を撮るため模索している。全員が最大限努力しながらこだわって撮影に立ち向かっていた印象でした」

北極圏は息まで凍ってしまう過酷な世界

大沢たかお(撮影/矢島泰輔)

 物語は、海江田(大沢)が艦長を務める、独立国を世界に宣言した核ミサイル搭載の原子力潜水艦「やまと」と、彼らを核テロリスト認定したアメリカ軍との北極海でのバトルシーン。「やまと」の是非をめぐる国内での政治家たちの選挙戦と、海と陸で緊迫の戦いが描かれる。

「『やまと』が向かう北極圏には、実際に3回くらい行ったことがあります。映画にも出てきますが、すごい迫力のオーロラを間近で見たことがあって。映画の製作チームが資料用にオーロラの画像が欲しいというので、そのとき撮ったものを送りました。

 北極圏はマイナス30℃くらいの極寒で、息まで凍ってしまうので本当に過酷なんですよ。無音で生き物といえば海中にクジラがいるくらいだし、吹雪くと一瞬で視界が真っ白。映画を見てまさに同じだったので、リアリティーがありました」

 役作りにあたっては、体重を5、6キロくらい落として臨んだそう。

「撮影前に体重を落としたのですが、苦戦しました。できるだけ食べない方法をとって、撮影中はスタッフが僕用に鶏肉やブロッコリーで食事を作ってくれていたのですが、差し入れでシュークリームとか甘いものが届くんですよ。我慢していたのですが、撮影最終日に欲望に負けてつい手を出してしまいました(笑)。人間って食べると止まらなくなるんですね。そこは反省しています(笑)」

 撮影期間中は、休みがあってもつい作品のことを考えてしまうというが、しっかりオフが取れるなら、ゆったりとした時間を過ごすのが好きだと話す。

「外に出て人と会うと、どうしても仕事の話になるじゃないですか。ネットも仕事周りの話題が出てくるから見ないようにしています。仕事がなく休めるなら、ひとりで散歩やデリバリーを頼んだり、車の運転も好きなので気晴らしに走ったり。ひとりでぼーっとしたり、ゆっくりするのが今はすごく好きです。何事もメリハリをつけるのが大事だなと思いますね」

好きになるように頑張ってます

「早起きも苦手ですし、寝不足なのもダメ。“ジム好きですよね”と聞かれますが、本当は走るのが好きじゃないし、実は僕、苦手なことばかりなんです(笑)。ただジムにしても、身体づくりのためとか、目的があって行っているので、せっかくやるなら楽しむようにしようと。イヤイヤ言いながらやっても人生もったいないですから。苦手でも好きになるように頑張ってます」

9月26日(金)全国東宝系にて公開『沈黙の艦隊北極海大海戦』(C)2025AmazonContentServicesLLCORITSAFFILIATES.AllRightsReserved.(C)かわぐちかいじ/講談社