
「皆さん、食べに行ってもいいんですよ」
10月4日に投開票を迎える自民党総裁選の最中、候補者の一人である茂木敏充前幹事長(69)が子ども食堂を視察した際の出来事が、SNS上で大きな議論を呼んでいる。物議を醸しているのは、茂木氏が誕生日祝いのケーキのおもてなしを受けている場面が切り取られ「こども食堂」の意義が問われている点だ。
「こども食堂」でもてなしを受ける茂木敏充氏

茂木氏がケーキを受け取る場面には《子ども食堂で誕生日のおもてなしを恥ずかしげもなく受ける茂木があまりにも酷過ぎる》と添えられ、リプ欄にも
《今日明日食べるご飯に苦しんでいるから子ども食堂に来てるんだよ。その大切なご飯を横取りするなんてまともな大人のやることじゃないね》
《為政者達が景気を回復出来ず、結果、貧困家庭が増加して生まれた場所が『子ども食堂』です。いわば政治の失敗のツケが形成したものです》
《祝ってあげるほど、誕生日が⋯今月でもないし、2週間以上先!》
など子ども食堂という場でおもてなしを受ける様子に批判が殺到。
さらに火種を生んでいるのが、この一連の炎上に自民党・鈴木宗男参院議員の長女、鈴木貴子議員(39)が23日、「皆さん、食べに行ってもいいんですよ。居場所としての存在意義も、昨今ますます注目されていますし。決して貧困世帯向けとかではありません。そんな建て付けであれば、気軽に行けませんよね?」と擁護する形で私見を投稿し、これにも多くの反応が相次いだ。
《ボランティアや寄付で成り立ってる活動に我が物顔で意見してんじゃねぇぞ厚かましい》
《本来政治家がやらなければいけない貧困対策の一つだというのに、何を狂った勘違いしてるんですか?》
と、辛辣な意見が散見された。
翌日に弁明した鈴木貴子議員
24日、「【皆さん、食べに行ってもいいんですよ】が「おかしい!」「政治家が言うな」とおっしゃってる皆さんへ」と題して弁明し、「皆さんなら、逆に子ども/地域食堂を紹介する時、対象についてはどのように呼びかけますか?」と最後に問いかけをする形で締めくくった。
「多くの子ども食堂が、分け隔てなく受け入れている実態があります。と弁明しているようですが、そもそも子ども食堂は、貧困状態にある家庭が急激に増加し、食事が満足にできない子どもたちも増加している背景がマスメディアなどで周知され全国へ広がりを見せました。大人も利用できるような場所という意味もあるみたいですが、寄付やボランティアの方の支援を無視して『食べに行ってもいいんですよ』発言は、国民や子ども食堂に携わる人にとって違和感を覚えたでしょう」(政治部記者)
実際にX上では、子ども食堂でボランティアをしているという方からも「この投稿に激しく憤りを覚えます。(中略)政治家がこの様な発言するの恥ずかしくないんですか?貧困支援も居場所の提供も国の仕事ですそれを民間の善意で行ってるんです」と反応し、多くの共感コメントが寄せられた。
茂木敏充氏の推薦人として名を連ねる鈴木貴子氏。24日現在、鈴木氏の投稿は1300万を超えるインプレッションとなり国民の大きな関心事となりつつあるが、この援護が茂木氏の総裁選に影響するかどうか見守りたい─。