小泉進次郎農林水産大臣(5月25日全国植樹祭で)

 自民党総裁選に立候補している小泉進次郎農水相が9月28日にニコニコ生放送で配信された「総裁候補vs中高生『日本の未来』討論会」に出席。この討論会で、自身の陣営による「ステマ指示問題」に関する回答が、ネット上で大きな批判と失望を呼んでいる。

質問の本質に応えない小泉氏

 問題の発端は、小泉氏の陣営が動画配信サービスのコメント欄にポジティブな書き込みを指示していたとする報道だ。陣営は事実関係を認め、広報班長を務めていた牧島かれん元デジタル相は班長を辞任している。

 この騒動を受け、討論会に出席した高校生は小泉氏に対し、「この件は言論の自由や選挙の公正さにかかわり、民主主義を揺るがしかねない事態だと考えます。今後の政治活動において、民主主義と言論の自由をどう守っていくのか」と鋭く問いかけた。

 すると小泉氏はまず、「最終的には私の責任」と認めつつ、回答の多くを辞任した牧島氏への「殺害予告や爆破予告が寄せられている状況」の説明に終始。質問の本筋である「理念の守り方」ではなく、被害状況と経緯の説明に時間を費やしたのだ。

 この回答に対し、SNS上には、

《爆破予告とか殺害予告なんて聞いてない》
《質問の答えが言えないって、会話成立しないじゃん》
《こんなんで海外首脳と渡り合えるわけがない》

 といった厳しいツッコミが殺到した。

 政治ジャーナリストは、小泉氏の姿勢について“危機対応能力の欠如”を指摘する。

「小泉氏の回答は、論点をずらし、被害を訴えて同情を誘うことで批判から逃れようとする意図が透けて見えました。総裁選という場で、中高生の質問に論理的な回答ができないのは致命的です。このような対応では、ネット上で批判されるのも当然でしょう。言葉の軽さや論点のすり替えは、政治家としての資質を疑わせるものです」(政治ジャーナリスト)

 小泉氏は回答の最後に、言論の自由は尊重されるべきという一般的な見解を表明したものの、質問に対して真摯な回答を避けた姿勢は今後の総裁選の行方を左右するかもしれない。