テレビ、YouTube、CM業界などの放送作家として、数々のコンテンツを作り出してきた澤井直人(35)。今、ほかの誰よりも「人間」に興味がある平成生まれの彼が、「話を聞きたい!」と思う有名人と対談する、好奇心と勢いだらけのインタビュー企画『令和にんげん対談』!
第19回は、タレントの菊地亜美さんが登場!バラエティ番組のイメージが強かった彼女だが、今では2児の母に。YouTubeやSNSで発信するママさん情報が好評で自身がプロデュースするイベントまで開催するほどの人気ぶり。そんな菊地家の教育法や仕事への思いを根掘り葉掘り聞いちゃいます!

“おませ”な長女
澤井直人(以下、澤井)「本日はよろしくお願いいたします!菊地さんはお子さんが5歳と0歳ということですが、どんなお子さんですか?」
菊地亜美(以下、菊地)「長女の性格が今の私にすごく似ているんです。似ているからこそ、本気で喧嘩をしたり、自分を見ているようで複雑な感情になることも。
ただ、長女は家の中のムードメーカー的な存在で、次女はまだ生後半年ですが、長女の言動で笑うことも多く、とにかくお姉ちゃんが大好き。今は長女が主導で家族が動いている感じですね」
澤井「大人っぽいお姉ちゃんなんですかね?」
菊地「超ませているんですよ。学芸会みたいな催しがあったときに、『3匹の子豚』をやることになったのですが、始まる前に親御さんたちはみんなスマホを手に持って撮影する準備をするわけですよ。
そしたら、長女が大きい声で“とりあえずさ、スマホ置いて拍手して”と言ったんです(笑)。でも、たしかにその通りなんですよね。ほかの親御さんたちも笑いながらも、娘に応じていました」
澤井「いつごろから自分に似ていると感じましたか?」
菊地「私も夫もおしゃべりなこともあってか、喋り始めは早かったと思います。2,3歳ぐらいのときに周りから“よく喋るね”とは言われていたのですが、なにせ初めての子育てなので、それが普通だと思っていたんです。
ただ、幼稚園に入園したころから私の子ってほかの親御さんたちにもわかるじゃないですか。そうしたら、ママ友とかに“あの子が亜美ちゃんの子でしょ”と言われて、喋ったら私の子ってわかるらしいです(笑)」
仕事と子育ての両立
澤井「旦那さんもよく喋られるんですね。ご飯を食べている時とかも常に会話をしているんですか?」
菊地「ずっと喋っていますね。長女が次女に“もうさ、元気なのはいいんだけど”って口癖のように言うのですが、これ私がいつも長女に言っていることなんですよ。真似しているわけではなくて、うつっちゃっているんでしょうね。
(私に似ているところが多いこともあって)子ども用の遺伝子検査をやってみたのですが、『言語能力』だけ99パーセントだったんです(笑)。その結果を見て、昔、番組で占い師さんに“あなたのお子さん芸人になりますよ”と言われたことを思い出しました(笑)。芸人さんがとかではなくて、全く別の業界に行ってほしいと思っていたのですが…」
澤井「そういう道もありだと思いますけどね(笑)。菊地家の教育法はありますか?」
菊地「長女はいろいろなことに対して、“なんで?”と聞いてくることが多いのですが、曖昧な回答をするのではなく、長女がぐうの音も出ないくらいちゃんと理由を説明するようにしています」

澤井「いい方針ですね。家族でお出かけしてよかった場所はありあますか?」
菊地「王道かもしれないですけど、お台場の『The Kids』という室内遊び場にはよく行きます。中に小さい滑り台があったり、空気を入れて動くメリーゴーランドがあったり、半日そこで遊んでいるくらい子どももすごく気に入っています」
澤井「そうなんですね。『The Kids』調べてみます!SNS等、拝見していると、旅行もかなり行かれていて、アクティブだなと思いましたが、お仕事とのバランスはどう調整されていますか?」
菊地「今は、土曜日と日曜日は基本仕事を入れないようにしてもらっていて、子どもと一緒に出掛けることが多いですね。平日も子どもが生まれる前ほどはやっていなくて、泊まりの仕事や長丁場のロケなどは難しいかなと思っています。
今までは100パーセント・バラエティ脳で、演技とか全く興味がなくて、今もそこは変わらないかもしれません。バラエティはずっと出続けることが大変だと思うので、息が長く関われていたらいいなと思いますね。 “昔は体張っていたけど、今はママさんって感じなんですね”と言われることもありますが、全然やるんですよ(笑)。
たしかにありがたいことに、子育てに関するお仕事も増えてきて、日常の中で生まれるリアルな悩みなどがそのままお仕事につながるので、“自然体でできるな"という感覚はあります。バラエティは細く長く頑張りつつ、ママさんに関するお仕事も少しずつ増やせていけたらいいなと思いますね」
悩みに悩んだ子どもの進路
澤井「すごく素敵だと思います。菊地さんは生成AIを使って料理のレシピを決めているとお聞きしましたが、本当ですか?」
菊地「ChatGPTは毎日のように使っていて、料理の献立だけではなく、旅先とかでも利用することが多いです。ChatGPTには『菊地亜美』がプライベートと仕事をどう使い分けているのかも学ばせていて、両方の『菊地亜美』を理解していて、仕事の話のときは『菊地亜美さん』と呼んで、プライベートのときは『亜美さん』と呼ばれるようになりました(笑)」
澤井「“AIをたくさん触っているタレント”というだけで、1つの価値になると思うので、どんどん推していい気がします(笑)。育児の話に戻りますが、育児グッズでおすすめのものはありますか?」
菊地「夏は『エアラブ』という、ベビーカーにつけるシート状の扇風機みたいなものに助けられました!夏はベビーカーが熱くなっちゃって、それでぐずったり、汗だくになることもありますが、そのシートがあると、小さい穴から優しい風が出てきて、ベビーカーの中が涼しく快適になるんですよ。ぜひ使ってみてください。
あとは、ヒップシートですね。赤ちゃん期は抱っこ紐を使っていたのですが、大きくなってくると使わなくなるじゃないですか。でも、未だに子どもは“抱っこ"をせがんできて…。ベビーカーが邪魔になるような場所に行くときは、ヒップシートがあるだけで全然違いますね」

澤井「実は今日、妻に“菊地さんと対談してくる”と伝えたら、便利グッズを聞いてきてほしいと言われたので、ありがたいです(笑)。お受験とかは考えられていますか?」
菊地「すごく考えましたね。説明会にも足を運んで、何回も夫婦で話し合いました。でも、何回話し合っても、最終的に“うちって受験じゃなくない?”という結論になるんです。
私は16歳で芸能活動を始めて、夫はサッカーでオランダに留学していた時期があって、ふたりとも自分がやりたいことを見つけてきたこともあって、漠然と“自分でやりたいと言える子に育ってほしい”という思いがあります。なので、うちの方針的には泥臭くやってほしいよねという結論になりました。散々考えた結果、今はインターの道が濃厚かなという感じです」
澤井「なるほど。素敵なお子さんになりそうですね。個人的な話になりますが、実はうちは僕が東京に1人で住んでいて、京都の一軒家に妻と娘とお腹の赤ちゃんがいるんです。今は、2週間に1回、週末金曜日の夜から土日は京都で過ごして、月曜の朝に東京に帰ってくるという生活でして。
僕自身、仕事をしやすい環境ではありますが、子どもの成長をあまり見られない状況ではあります。今後、仕事をセーブした方がいいのかをかなり悩んでいて…」
菊地「難しいですね…。夫の周りにはそういう環境の方が多いそうで、どこのご家庭も悩んでいらっしゃいますね。
うちは子どもは2人で完結と思っているんです。そう思うと、急に2人目の赤ちゃん時期が“もう最後の赤ちゃんの子育てなんだ”と悲しくなりましたね。澤井さんと奥さん次第ですが、お子さんの成長を見たい気持ちが強いのであれば、少しおやすみするのもよいのかもしれませんね」
“身近なママ友”でいたい
澤井「なるほど。お答えいただきまして、ありがとうございます!なんでも菊地さんはプロデュースされている『MAMARIAL fes. 2025』というイベントが開催されるとお聞きしました」
菊地「年に1回で、今年で2回目の開催です。昨年は1日だったのですが、今年は2DAYSで行います。普段から、妊娠中のママさんにおすすめの育児グッズを紹介したり、遺伝子検査の話をしたり、困っているママさんたちに“ただ伝えたい、紹介したい”と思うモノ・コトが多くて…。
それをYouTubeやSNSにアップすると、ありがたいことに反響があって。そうした便利グッズをおすすめできる場が欲しいなと思ったのが開催しようと思ったきっかけですね。日程調整等でマネージャーさんに入ってもらったりしましたが、本当におすすめできる商品を作っている会社に自分でアポを取って、会議にも入らせてもらいました」

澤井「すごく行動的ですね。前のめりになれる仕事っていいなと思います。今はその仕事が1番熱くなれますか?」
菊地「そうですね。アイディアとか全然浮かばないタイプだったのですが、子育てに関しては実体験があるので、湧き出てきます。前回のイベントで嬉しかったのが、澤井さんみたいにそんなに私に興味ない人もたくさん来てくださって…」
澤井「なんてこと言うんですか(笑)。お話したいと思っていましたよ!」
菊地「(笑)。いや、でも仕事ですし、それが普通だと思っているんですよ。昨年、イベントを開催したときに、いろいろな番組のスタッフさんが来てくださったのですが、中には私にそんなに興味ないだろう人もいて。でも、“妻が菊地さんのYouTubeを見ていて…”と奥さんがきっかけで来てくれた人が多かったんです」
澤井「たしかに、この連載を始めて3年ほど経過していますが、初めて妻に“これ聞いてきて"と言われました。2026年も今と同じペースで仕事をやっていけたらいいという感じですか?」
菊地「実は今が1番楽しいんです。もちろんバラエティに出ていたころも楽しかったのですが、毎日何か提供しなきゃという使命感があって、“これがずっと続くのかな”という漠然とした不安はあったんです。でも、今はライフスタイルに沿って、あまり気負いせずに仕事ができているのかもしれません。
手の届かない女優さんでもないし、プライベートを公表してないタレントさんでもないし、“身近なママ友”くらいの感覚でいてもらえたらと。熱狂的なファンになってもらわなくてもいいので、少しでも気にかけてくださったら本当にうれしいですね」
澤井「肩肘張ってしまいがちな中で、その生き方は素晴らしいと思います。貴重なお話をたくさん聞けて勉強になりました。興味はちゃんとあって、この対談もぼくが菊地さんの名前を出させてもらって決まったんですよ(笑)。本日はありがとうございました!」
菊地「え、そうだったんですね!うれしいです(笑)。ありがとうございました!」
菊地亜美プロデュース『MAMARIAL fes. 2025』はこちら
https://mamarial.com/
『MAMARIAL fes. 2025』公式インスタグラムはこちら
https://www.instagram.com/mamarialfes/