秦野たばこ祭りのLUNASEA・真矢の様子

 人気ロックバンドLUNA SEAのドラマー、真矢が脳腫瘍の診断を公表したのは9月上旬のこと。2020年にはステージ4の大腸がんとも向き合っており、長年にわたり闘病を続けてきたことが明らかになった。

ステージ4の大腸がんの治療計画

 今後はどのような治療を行っていくことになるのか。波多野医院理事長の宮本倫行医師に話を聞いてみると、

「発症時にめまいや耳石の話をしていたために、聴神経腫瘍が疑われます。ご本人は放射線治療の話をしていたために、どの放射線治療を選択するかによりますが、数日から1か月程度の放射線治療をするのではないかと思われます。しかし、車イスであることを考えると、摘出手術になるかもしれません」

 そんな状況にありながら、真矢は9月下旬の週末、地元である神奈川県秦野市の一大イベント『秦野たばこ祭り』に姿を現した。

「夕方から行われたみこしパレードに2日間とも出席。式典では“回復祈願 顧問真矢”と書かれたみこしに、周囲の助けを借りながら乗ると、笑顔を見せながら拍子木で一本締めを披露しました」(地元紙記者)

 2023年から『秦野ふるさと大使』を務めていることもあり、今回で3年連続の参加となる。療養のために欠席するという選択肢はなかったのだろうか。

「今年も真矢さんは“絶対に出るんだ”というお気持ちでいらっしゃいました。病気を公表された後でも、たばこ祭りには出たいと強い意思を示されていたんです。市としてはご体調を案じましたが、ご本人と事務所の判断に委ねるしかありませんでした」(たばこ祭り実行委員会スタッフ)

 愛する地元のために、決して万全ではない状態で参加を強行した真矢のために、周囲も全力で彼をサポートした。

妻の石黒彩の姿も

「控室からステージまでは車イスで移動していましたが、人が集まり過ぎないように、市の職員の方が4人体制でロープを持って移動していて、かなりの厳戒態勢でした。それでも多くの方々が集まってきてしまって、本当に押されたら倒れてしまうような状態でしたね……。そういった事情もあって、移動用に福祉車両も用意されていました」(祭りの参加者)

LUNASEA・真矢を支える妻の石黒彩

 ファンのために笑顔を見せる夫の傍らには、妻の石黒彩の姿が。

「控室でもずっと真矢さんのことを心配していて、トイレに行くときも腕を組んで寄り添っていました。とても仲のいいご夫婦で、石黒さんも献身的な方だなと感じましたね」(前出・たばこ祭り実行委員会スタッフ)

 石黒自身もInstagramで、《常にポジティブで弱音を吐かず音楽と向き合ってきた主人を誇りに思っています。回復に向けて笑顔を絶やさず歩む真矢をこれからも精一杯サポートしていきます》

 と投稿しており、言葉通り、祭りの日も全力で夫をサポートしていた。たばこ祭りにかける真矢の思いも並大抵ではなく、秦野市を通して出したコメントの中でも、

《とにかくお祭りが一番好きなんです。大事なんです。特に2023年より「はだのふるさと大使」に就任してからは、祭りばやしを後世に残したいという思いで、「秦野祭囃し社中」を結成して、お祭りをさらに盛り上げられるよう活動もしてきました》

 と語っている。地元への愛を実際に形にもしているようで、

「毎年100万円を、協賛金として祭りに寄付してくださっているんです。出演料も機材運搬の実費だけでいい、と言われることもありました。収支だけ見たら、完全にマイナスですよね……。採算度外視で貢献の姿勢を示してくださることは、本当にありがたいです」(前出・たばこ祭り実行委員会スタッフ)

 病を抱えながらも、地元の祭りに立った真矢。その強い思いは市民やファンのみならず、たくさんの人の心に刻まれたに違いない。