愛子さま

 猛暑が去り、ようやく涼やかで過ごしやすい季節を迎えた矢先、天皇家の長女である愛子さまは不運に見舞われた。

多忙な公務と職務

「10月2日、宮内庁は愛子さまが新型コロナウイルスに感染されたと発表しました。同月5日から6日には国民スポーツ大会臨席のため、滋賀県を訪問される予定でしたが、取りやめとなりました」(皇室担当記者)

 この秋、愛子さまは2度の地方公務をこなされるなど、多忙な日々を過ごされていた。

「9月6日は悠仁さまの成年式にご出席。式が終わるとすぐに皇居を発たれ、『防災推進国民大会』へ出席するため、新潟県へ入られました。新潟県には3日間ご滞在。

 帰京後の11日には、その日59歳の誕生日を迎えられた紀子さまへのご挨拶のため、秋篠宮邸へ足を運ばれました。さらに翌日の12日からは、1泊2日で両陛下と戦没者の慰霊のため長崎県を訪問されています(同・皇室担当記者)

世界陸上には興味津々なご様子だった悠仁さま

 公務のない平日は嘱託職員として勤める日本赤十字社での職務をこなし、隙間時間には訪問先の資料を入念に読み込まれていたという。

「公務と日赤の業務を並行される中で疲労が重なり、免疫力が落ちていたのかもしれません。SNS上では“ゆっくり休んでいただきたい”といった心配の声が上がりました」(同・皇室担当記者)

 一方、いとこである悠仁さまもまた、成年皇族として多忙な秋を過ごされた。

「9月6日に成年式を終えて以降、精力的に公務に臨まれました。12日はご一家で琉球舞踊をご覧になり、16日には姉である佳子さまとふたりで『東京2025 世界陸上』をご観戦。23日は初めての宮中祭祀に出席され、付き添いとして佳子さまも同行されたのです。

 さらにその翌日の24日から25日は、秋篠宮さまと『大阪・関西万博』を視察されるなど、高頻度でのお出ましとなりました。特に佳子さまとの“ペア公務”が多く、随所で姉弟仲の良さが見受けられたのです」(同・皇室担当記者)

増加する“ペア公務”

 悠仁さまと佳子さまに限らず“ペア公務”は最近の秋篠宮家で主流になりつつある。

「これまでの秋篠宮家では、秋篠宮さまと紀子さまがお二人で、佳子さまはおひとりで公務に臨まれることが主流でした。紀子さまと佳子さまがご一緒にお出ましになることはあったものの、年に1回ほどでした。

 しかし、例年から一変、今年は8月に1泊2日で慰霊のため私的な旅行として広島県へ足を運ばれたほか、10月2日から3日には『瀬戸内国際芸術祭』を視察するため、香川県を訪問されるなど、母娘の公務が続いています」(皇室ジャーナリスト)

今年は母娘のペア公務が増えている(写真は10月、香川県にて)

 瀬戸内国際芸術祭を支えるボランティアサポーター「こえび隊」メンバーで、香川県でお二方と懇談した岡崎純來さん(16)は次のように振り返る。

「おふたりからは、こえび隊が主催する『大島サマーキャンプ』の内容や、キャンプを通じて学んだハンセン病の歴史について“どのようにして受け継いでいきますか?”といったご質問をいただきました。

 お答えすると“素晴らしいですね。頑張ってください”と励ましのお言葉を頂戴して……。お会いする前はとても緊張していたのですが、お二人が息を合わせて接しやすい空気をつくろうとなさっていることが伝わり、徐々に緊張がほぐれていきました」

 同日、お二人は図書館船『ほんのもり号』をご視察。立ち会った香川県政策部長の尾崎英司さんはこう語る。

「『ほんのもり号』は、瀬戸内海の島々を航行する図書館船で、この船が走るようになったことで、島に住む子ども同士の交流が可能になりました。おふたりは、こうした説明に熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

 紀子さまはメモを取られ、佳子さまは“子どもたちはどのような本に興味がありますか?”と質問されていて、この取り組みに強い関心がおありだということが伝わり、大変ありがたく思いました」

“最強トリオ”の実現

 今まであまりなかった紀子さまと佳子さまという組み合わせで臨まれた香川県ご訪問だが、おふたりが寄り添いながら現地の人と向き合うご姿勢は、感動をもたらした。

「紀子さまと佳子さま、佳子さまと悠仁さまという新鮮な組み合わせでの公務が続いていることは“新しい皇室像”を感じさせます。愛子さまや佳子さま、悠仁さまといった若い世代がお出ましになるだけで、会場の雰囲気がぐっと華やぐ印象です。

 特に秋篠宮家は若い皇族がお二人もいるという強みがあります。悠仁さまが成年皇族となられた今、この強みを前面に打ち出し、“活力あふれる新しい皇室像”を印象づけていきたいとの考えがあるのではないでしょうか」(前出・皇室ジャーナリスト)

鴨場接待に臨まれた愛子さまと佳子さま

 この戦略に愛子さまが参戦される可能性があるという。象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院人文学研究科の河西秀哉准教授はこう話す。

「9月はお出ましが続いた悠仁さまですが、佳子さまとご一緒なことも多かったからか、リラックスされている印象でした。公務に慣れるまでは、ご家族と一緒にお出ましになることが続くと見ています。そこへ愛子さまが加わる可能性は十分考えられます」

 すでにその兆しは表れていると河西准教授は続ける。

「今年2月、愛子さまと佳子さまは鴨場での外交団接待に臨まれたり、国内外の要人を招いたお茶会に参加されたりと、おそろいで公務に臨まれることが何度かありました。ですから今後、鴨場接待やお茶会などで、お三方がそろわれることは十分あり得るのではないでしょうか

 お茶会にはほかの皇室の方々も参加されますが、何人組かに分かれて、各テーブルを回られます。そうしたとき、愛子さまと佳子さま、悠仁さまといった若い皇族でグループを組まれるということがあり得ると思います」

“最強トリオ”の実現は、皇室にさらなる盛り上がりをもたらすに違いない。

河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数