日本時間2025年10月2日、地区シリーズ進出を決め、スタンドに向けて手を振るドジャース大谷翔平/共同通信

 メジャーリーグでは、日本時間10月1日からポストシーズンがスタート。ドジャースはワイルドカードシリーズを勝ち上がり、フィラデルフィア・フィリーズとの地区シリーズに駒を進めた。

真美子さんも試合観戦

 大谷翔平も連覇を目指すチームに大きく貢献している。

「大谷選手はシンシナティ・レッズとのワイルドカードシリーズ第1戦で2本のホームラン。ポストシーズンで1試合2発の本塁打を記録した日本人選手は、2004年の松井秀喜さん以来2人目です。第2戦でもタイムリーヒットを放ち、2連勝で勝ち上がりを決めたチームの原動力となりました」(スポーツ紙記者、以下同)

 二刀流復活となった今シーズン。すでにMVPの称号も、ほぼ手中に収めている。

「レギュラーシーズンでは球団記録を更新する55本塁打を放ち、投手としても14試合に登板。MVPはレギュラーシーズンの成績のみで決まるため、選出が確実視されています。今年も受賞すれば3年連続となり、メジャーリーグ史上2人目の快挙です」

 2025年は4月に長女が誕生し、パパとして迎える初めてのポストシーズン。ドジャースタジアムで行われたワイルドカードシリーズには家族も来ていたようだ。

白のトップスを着て写真に収まる真美子さん(ドジャース夫人会のインスタグラム)

ドジャース夫人会のインスタグラムに投稿された集合写真に真美子さんの姿がありました。地区優勝を決めた試合は敵地のアリゾナだったため、真美子さんの姿はありませんでしたが、ロサンゼルスでの試合は観戦することができたようです。大谷選手も本塁打を打った際にスイートルームのほうを指さしていました。真美子さんとデコピンが見守っていたようです

ドジャースタジアム内にある「築地銀だこ」

 大谷ら日本人選手の活躍に伴って、日本企業もロサンゼルスに進出している。

“スパイシーキャビア”と呼ばれる日本メニュー

 大谷がドジャースに移籍した2024年には、たこ焼きチェーン店『築地銀だこ』がドジャースタジアムに出店。人気を博しているが、新メニューが登場していた。

「8月16日から3日間行われたプレイヤーズ・ウィークエンドというイベントでは、球場内で選手をイメージしたスペシャルフードが販売されていたんです。大谷選手との“コラボフード”は『銀だこ』で、たこ焼きの上に明太子ソースがかかり、ライムが添えられた『#17 明太子&ライム』というメニューでした。6個入りで16.99ドル(約2500円)と日本で食べるたこ焼きに比べると高額ですが、50分待ちの行列ができるほどの人気だったそう。9月から、この『明太子&ライム』は通常のたこ焼きと並んでレギュラーメニューになっています」(在米ジャーナリスト、以下同)

 実は明太子は、アメリカで別の名前もあるようだ。

“スパイシーキャビア”と呼ばれることもあるそうです。魚卵を食べる文化があまりないアメリカ人にもイメージしやすいようにという工夫でしょう。大谷選手をはじめ、日本人メジャーリーガーの影響もあるのか、アメリカでも日本食を扱う店舗が増えてきています。スパイシーキャビアも少しずつ浸透しているようです」

 実際に“スパイシーキャビア”として明太子が販売されているのか。

 アメリカで明太子や和牛などを販売している『やまやUSA』に聞くと「スパイシーキャビアというラベルをつけたバラコの商品が1つあって、そのほかは明太子として販売しています。今後、日本の食文化が一層広まっていくと思われるので、その波に乗りたいと思っています」とのこと。

 どのような経緯で明太子はスパイシーキャビアへと名前が変わったのか。

“名づけ親”は明太子の老舗『かねふく』のようで、同社の企画室に話を聞いた。

「スパイシーキャビアは、ニューヨークの博多料理のレストランで売るための工夫としてつけた名前のようで、明太子を知っているアジアでは“MENTAIKO”、明太子になじみのない欧米では“Japanese Spicy Caviar”として売るなど、地域によって表現を変えることが多いようです」

日本の『銀だこ』で販売しているドジャースとのコラボ商品『スパイシーキャビア~明太だれとすだち~』

 ドジャースタジアムで販売されている『銀だこ』の明太子も、かねふくのものが使用されているという。

日本ではライムがすだちに変更

 明太子の人気も右肩上がりのよう。

「明太子自体の認知度も上がり、ここ数年は毎年、売り上げも順調に推移しています。現在のアメリカでの市場規模は不明確ですが、今後も知名度が上がれば、かなり大きな金額になる可能性は秘めています。ドジャースタジアムで販売されているたこ焼きには通常メニューもありますが、お客さまの3分の1に明太子たこ焼きを購入していただいているようです」(かねふく企画室)

 アメリカでも脚光を浴びつつある明太子。日本の『銀だこ』にもスパイシーキャビアとして“逆輸入”されている。

「9月8日から期間限定で『スパイシーキャビア 明太だれとすだち』として販売されています。日本ではたこ焼きの上にライムではなく、すだちが添えられているなど、少し変更していますが、現地の雰囲気を味わうことができると思います」(グルメ誌ライター)

 前人未到の活躍を続ける大谷だが、日本食の“伝道師”にもなりそうだ。