
決選投票で小泉進次郎農水相を破り、自民党総裁に選出された高市早苗前経済安全保障相。7日午前には総裁選挙後初の総務会を開き新たな執行部人事を発表したが、その人事に国民から不満の声があがっている。
重要ポストの中心は麻生派と旧茂木派に

すでに6日の時点で内定していた党四役のメンバー。幹事長に鈴木俊一総務会長、総務会長に有村治子元女性活躍相、政調会長に小林鷹之元経済安全保障相、選挙対策委員長には古屋圭司元国家公安委員長を充てるとした。高市新総裁誕生の立役者とされる麻生太郎最高顧問は、副総裁となる。
「鈴木俊一氏は麻生派の幹部で、麻生副総裁の義弟にあたります。総務会長に選ばれた有村氏も麻生派ですね。あとは総裁選を共に争った小林氏に、高市陣営で幹部を務めた古屋氏。高市新総裁は今回の選挙で麻生氏にかなり恩があるでしょうから、その辺りを意識した人事といえます」(地方紙政治部記者)
副総裁・四役以外の重要ポストについても、国対委員長に梶山弘志、組織運動本部長に新藤義孝、広報本部長に鈴木貴子、幹事長代行に萩生田光一が選任された。新藤議員と鈴木議員は共に旧茂木派。高市内閣の重要ポストの中心を、麻生派と旧茂木派、保守系議員が占めることとなった。
「高市新総裁はまだ党内基盤が脆弱なため、総裁選の決選投票において麻生派と旧茂木派の協力を得なければなりませんでした。結果、党の重要ポスト9席の内、麻生派は副総裁の麻生氏を含めて3人、旧茂木派は2人とかなり忖度された役員人事です。高市氏の気持ちはわかりますが、ちょっと露骨すぎる気もしますね」(前出・地方紙政治部記者)
党の重鎮に気を使ったような人選

自民党離れが進む中、立て直しが求められる高市内閣。にもかかわらず、党の重鎮に気を使ったような人選に国民からは、
《重要ポストの多くを派閥の年寄りにあげるなよ》
《70歳前後のじいさんたちとか、もう頭回らないんじゃないの?国を任せて大丈夫?》
《解党的出直しとか言ってたのはなんだったの?結局年寄りに忖度してんじゃん》
と非難の声が上がっている。
結局派閥人事となってしまった今回の役員人事。裏金問題で処分を受けた萩生田議員の名前が挙がっていることにも、不満の声は相次いでいるが――。
「馬車馬のように働いてもらう」「ワークライフバランスという言葉を捨てる」と息巻く高市新総裁。果たしてその熱量を彼ら閣僚たちにも波及させることはできるのだろうか。