
第1戦で先発した大谷翔平投手(31)、第2戦でクローザーとして試合を締めた佐々木朗希投手(23)ら日本人メジャーリーガーの活躍もあり、フィラデルフィア・フィリーズとの地区シリーズを2連勝したロサンゼルス・ドジャース。
10月9日(現地時間8日)に控えたドジャースタジアムでの第3戦を前に、MVPを2度受賞しているフィリーズの“レジェンド”、ブライス・ハーパー選手(32)が会見に臨んだ。
ナ・リーグ本塁打王を争った大谷とカイル・シュワバー外野手(32)をはじめ、2025年シーズンで通算350本塁打に到達した自身ら、両軍に強打者が揃っているにも関わらず、2戦でホームラン1本のみの試合展開に【クレイジーだ】と評したハーパー。
一方で、第3戦で対戦予定のドジャース・山本由伸投手(26)の印象について聞かれると、
【正直、彼と対戦したことがあることさえ知らなかった。覚えていないんだ。思い出せなくて、申し訳ない】
苦笑いを浮かべてしおらしく謝罪。山本のことを「覚えていない」とするハーパーだった。
たしかに今シーズンの対戦は4月の1度きりだけに、覚えていないのも致し方ない。ちなみに3打席で無安打、1三振、1四球と山本に抑え込まれている。
山本に“ラブコール”送ったハーパー
「すでに2連敗しているフィリーズは後がなく、両チームによる情報戦が始まっていてもおかしくはない。会見で下手に対戦相手に言及して、ドジャースに有利な戦略を立てさせないためにも、わざと“覚えてない”と発言するブラフとも受け取れます。
それにハーパーと山本投手は“ラブコール”を送り、送られた関係。試合での対戦こそ覚えてなくとも、彼の“印象”を問われて“覚えてない”ことはないですよ」
メジャー事情に精通するスポーツライターが話す「ラブコール」。ドジャースと12年総額3億2500万ドル(約462億円)の大型契約を交わした、2023年末に起きた“山本由伸・争奪戦”の時のことだ。

2023年11月、オリックス・バファローズからポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を表明した山本。日本で他球団を圧倒する投球を見せていたスーパーエースに、MLB球団の多くが熱視線を注ぎ、有力候補として7球団が挙がった。
中でも本命とされたのがニューヨークを本拠地とするヤンキースにメッツ、そして“ダークホース”として注目されたのがフィリーズだった。
「山本投手のために用意した球団プロモーションビデオにも出演し、首脳陣との面談の際にもサプライズ“出席”したのがハーパー。オンライン会話で約10分間にわたり、山本に面と向かってラブコールを送ったのです。
現役の大物メジャーリーガーからの直のお誘い、それこそ“一緒にワールドチャンピオンを目指そう”と口説かれて心揺れたことでしょう。しかし蓋を開けてみれば、山本投手が選んだのはニューヨークでもフィリーズでもなく、大谷擁するドジャース」(前出・スポーツライター、以下同)
大谷とハーパー、山本が選んだのは
2023年12月28日に行われたドジャースタジアムでの入団会見で、
【大谷さんは日本人選手としてだけではなく、メジャーリーグの中でもトップ選手だと思っている。大谷さんがドジャースを選んだというのは決断の1つの理由になりました】
ひと足先に大谷の移籍が決まったことも、ドジャースを選択した要因だったことを明かした山本。片や、同じくトップ選手であるハーパーは、フラれて面目を潰されることに。
「地区シリーズ第1戦で先発した大谷投手と対戦するも、3打席ノーヒットに抑えられ、試合後に“フラストレーションがたまるよ”とお手上げ状態だったハーパー。
普段は“ビッグマウス”として知られる彼が“覚えてない”としたのは、情報戦というよりも、大谷投手を含めた日本人投手にしてやられていることを承知の上で、“思い出したくない”との本音を隠したかったのかも」
10月9日の試合では、2人の“因縁”対決も楽しみになりそうだ。