高市早苗氏

 10月15日、参議院で自民党と政治団体「NHKから国民を守る党」の齊藤健一郎議員が会派を組み「自民党・無所属の会」を結成したと明らかになった。

総務大臣時代にNHKを“敵視”

 斎藤氏は実業家のホリエモンこと堀江貴文氏の秘書兼運転手を経て政治家に転身した人物として知られる。これまでの流れを政治ジャーナリストが整理する。

「石破首相の退陣表明を受けて10月4日に投開票が行われた自民党総裁選で、事前の予想では本命だった小泉進次郎氏を破り、高市早苗さんが新総裁に選ばれました。その結果、保守色の強い高市さんに難色を示した公明党が連立の離脱を表明。野党の候補者がまとまり、そこに公明党が乗っかれば政権交代が生じる可能性が出てきました。対する自民党も多数派の確保を目指し、衆議院では日本の維新の会と連立へ向けた協議を、参議院ではNHK党との合同会派結成に至りました」

 自民党とN国の並びは、近く招集される臨時国会で行われる首班指名選挙を見据えた“数合わせ”のように見せて、ネット上では双方の“近しさ”を指摘する声も並ぶ。

《高市早苗はNHKを停波する気?》
《「NHKをぶっ壊すという基本理念」は高市早苗と一致しているだろうからね》

 こうした声が並ぶ理由は、高市氏が総務大臣時代に発した“停波”発言の影響が大きい。

「高市さんは総務大臣だった2016年に、放送局が政治的な公平性を欠く放送を繰り返し、行政指導しても改善されない場合は『何の対応もしないと約束するわけにいかない』と発言しています。これが言論の自由をおびやかしかねない、テレビ局の“停波”発言として扱われ大きく批判されます。この発言の背景には当時の首相だった安倍晋三さんが、NHKをはじめとした自身に批判的なテレビ局の報道に不満を示していた事実もあります」

 ならば、高市氏とNHK党の共通点はどこにあるのだろうか。

「NHK党は、テレビを持っているだけでNHKの受信料の支払い契約の対象となる点を批判し、NHKをスクランブル放送にして、見たい人が受信料を支払うシステムに変えるべきと述べています。これまでのNHKなどテレビ局のあり方を見直すべきと考えている点で高市さんとNHK党は共通点してます」

 場合によっては、NHKが本当に“ぶっ壊されて”しまうかもしれない。