愛子さま

 10月2日、愛子さまは新型コロナウイルスに感染された。

愛子さまの「ここがすごい!」を専門家が解説

 これによって5日から1泊2日で予定していた滋賀県へのご訪問は取りやめに。SNSでは心配の声が相次いだが、数日後にご回復が報じられると、今度は“よかった”“ゆっくり休んで”と安堵のコメントであふれ、絶大な支持を改めて印象づけることとなった。

「2024年に学習院大学を卒業し、本格的に公務を担われるようになって以降、愛子さまの人気は高まるばかりです」(皇室ジャーナリスト、以下同)

 愛子さまはお出ましになる先々で熱烈な歓迎を受けられ、現地はお祭り騒ぎだという。

「愛子さまが訪問される先々には、そのお姿をひと目見ようと多くの人が集まり、拍手や歓声が上がることも珍しくありません。9月23日に東京都の馬事公苑で行われた『愛馬の日』に出席された際は、イベント開始の3時間前から待機していた人もいたほど。

 あまりの人気に、“もっと公務でのご活躍が見たい!”という声は日に日に強まっているのです」

 なぜ人々はこれほどまでに愛子さまに魅了されるのか。愛子さまの「ここがすごい!」という点を、お人柄、マナー、ファッション、それぞれの専門家が読み解いていく。

《お人柄》共感の力で人を癒す“寄り添い力”は5歳のころから

 穏やかで優しく、時にはユーモラスなご発言で周囲を和ませる。愛子さまのお人柄といえば、こうしたイメージが思い浮かぶのでは。愛子さまのご誕生年から『皇室の窓』(テレビ東京系)で構成を務め、ご成長を見つめてきた放送作家のつげのり子さんは、そのお人柄についてこう語る。

「愛子さまは幼いころから、つらい立場にある人に寄り添おうとなさるご姿勢をお持ちだったように思います」

 つげさんがそう感じたのは愛子さまが5歳のとき、スケートの練習をされた際のこと。

「練習中、一緒に滑られていた雅子さまが体調を崩され、リンクの脇で休まれたそう。すると心配した愛子さまが練習を中断し、隣に座って寄り添われたといいます。つらい状況にある人に“共感を示して癒す”というご姿勢が人格の基本の部分にあるようです」(つげさん、以下同)

能登半島地震の被災地お見舞いのため石川県を訪問された愛子さま

 このご姿勢は、公務の場でも見られるという。

「今年5月、能登半島地震の被災地お見舞いで石川県を訪問されました。現地で交流された方の中に、仮設住宅で愛猫と暮らしている方がいたんです。

 愛子さまはその方に“猫と過ごせる仮設住宅はいいですね”とお声をかけられました。何げないお言葉ですが、相手のことを受け止め共感を示されたことが伝わり、愛子さまらしさを感じました」

 人への思いやりを大切にされるご姿勢は、公の場にとどまらないとつげさんは続ける。

「21歳のお誕生日に際して、愛子さまが馬と触れ合う映像が宮内庁を通じて公開されました。映像をよく見ると胸元にはハートのペンダントが映っています。これは学習院女子中等科・高等科時代のご友人から贈られたものだそう。

 当時はコロナ禍で人となかなか会うことができない時期でした。そんな中でも、“変わらずずっと友達だよ”というメッセージを込められたのではないでしょうか」

 こうしたエピソードを受け、つげさんは愛子さまの愛される理由についてこう話す。

「周囲に寄り添う姿勢や、ふとしたときの巧みな言葉遣いが多くの人から愛される秘訣だと思います。大学を卒業され、本格的に公務を担われるようになり今年で2年。ご自分らしい公務のスタイルや国民との接し方を模索されているのではないでしょうか。今後、愛子さまならではのご活躍に期待が膨らみます。

 愛子さまはチェロを習われていて音楽の素養があり、加えて素晴らしい作文の才能をお持ちです。もし愛子さまが書かれた歌詞の歌があれば、一層国民との関わりが深まっていくのでは、などと考えると将来が楽しみでなりません」

《マナー》「愛らしさ全開のお振る舞い」キーワードは“思いやり”

「愛子さまは、心からのお気持ちを、所作や振る舞いとして自然に表現なさっています」

 そう話すのは、マナー解説者の西出ひろ子さん。愛子さまのマナーからはお人柄が垣間見えるという。

「礼儀とは思いやりを型で表現することで、日本では一般的に型を重視する傾向があります。しかし、型を意識しすぎると相手に対する思いやりや自然体な動きが失われてしまい、その結果“心がこもっていない”と受け取られてしまうことも。

 愛子さまの表情やしぐさはいつも自然で、常に心からの思いやりを抱かれているのがわかります。思いやりが型となって表れる愛子さまのお振る舞いは、雅子さまも同様で、お母さまから受け継がれたのだと思われます」(西出さん、以下同)

 母娘で共通する“思いやり”は、お出ましになるたびに感じられると西出さん。

「おふたりとも、公務の場では自ら質問やお声がけをなさいます。出会う人や訪問先について持たれている強いご関心が、積極的な交流という型につながっているのだと思います。

 おふたりから話を振っていただけると、“興味を持ってくださっている”と感じることができ、誰でも幸せな気分になりますよね。9月におひとりで新潟県を訪問された際も、笑顔でのコミュニケーションが光っていました」

2024年、佐賀県を訪問された際、車窓から大きな所作で手を振られたことが話題に

 親子間の共通点もある一方で、愛子さまならではの“愛嬌”もあるという。

「愛子さまは、お手を振る際、ほかの皇族方よりも大きい所作をなさるので、より親近感を抱かせてくださいます。愛子さまが初めておひとりの地方公務として佐賀県を訪問された際のことです。

 表情からは緊張が見てとれましたが、それでも沿道に集まった人々に、車窓から手が外に出そうになるほど大きなお手振りをされていて。歓迎の気持ちに心から応えようというお気遣いが伝わりました」

 常に周囲への思いやりを欠かさないご姿勢。これこそが愛子さまが多くの国民から愛され、尊敬される理由だと西出さんは総括する。

「雅子さまから受け継いだマナーと、愛子さまらしいお振る舞いは、今後、公務を重ねられることで、さらにブラッシュアップされるでしょう。国民からの支持はますます上がっていくのでは」

《ファッション》「可憐さと上品さの共存」根底には雅子さまの愛

 愛子さまのご成長をわが子のように見守ってきた人は多いのでは。早いもので、愛子さまも今年で24歳。かわいらしいお嬢さまから、大人のレディーへの階段を上られている。それでも“愛子さま流ファッション”には幼少期から変わらぬ上品さがある。

「愛子さまのファッションといえば“フェミニン”というイメージを抱く人が多いかもしれませんが、“甘さと辛さの絶妙なバランス”。これこそが最大の特長だと感じます」

 こう語るのはファッションジャーナリストの日置千弓さん。愛子さまのファッションの変遷についてこう振り返る。

「幼少期にお召しになっていたお洋服を見ると、ギャザーやリボンなど、かわいらしいワンポイントが入った1着も、ベースの色みにはライトグレーといった落ち着いたカラーが取り入れられていたりと、甘さと辛さのバランスが本当に絶妙。これは、エレガントでシンプルなデザインを好まれる雅子さまの影響が大きいと私は見ています」(日置さん、以下同)

最近は雅子さまイズムを感じさせるパンツスーツスタイルでお出ましになることも。知的で誠実かつ優しげな印象に

 雅子さまイズムを感じさせるコーディネートは、成年皇族となられた今も随所で輝いているという。特に印象深かったのは今年5月に万博を視察された際の装いだそう。

「この日の愛子さまは珍しくパンツスーツをお召しになっていました。パンツスタイルといえば雅子さまが思い浮かびますよね。キャリアウーマンのご経験がにじむパンツスーツスタイルを皇室で確立されたのは雅子さまといっても過言ではありません。愛子さまも雅子さま同様、パンツスーツがお似合いになられていました」

 この日のファッションは、雅子さまの面影を感じさせながらも、愛子さまらしさがにじんでいたと日置さんは語る。

「パンツスタイルはキリッとして見える一方で、威圧感を与えてしまうケースもあります。しかし、明るい色みのスーツを柔らかいご性格の愛子さまが着用されることで、知的で誠実な印象と、優しいお人柄が同時に伝わります。バランスの取れた素晴らしいコーディネートでしたね」

 明るい色使いが、ほかの皇族方とは異なる、“愛子さま流”ファッションの要だそう。

「愛子さまは淡いパステルカラーのお召し物をよく着用されていますね。幼少期から変わらないフェミニン志向が垣間見えます。淡いピンクやブルーのお洋服を愛子さまがお召しになると、まるでお花が咲いたかのような華やかさと可憐さに目を奪われます。

 女性がいちばん美しい時期は、大学を卒業して、社会人になったあたり、今の愛子さまくらいのタイミングだと私は思うんです。だからこそ、愛子さまが淡いカラーのお洋服をお召しになると気品のあるバラのような印象を受けます」

 愛子さまはなぜ愛されるのか。日置さんは次のように結論づける。

「愛子さまのファッションの根底には“雅子さまの愛”が感じられます。ファッションの細かな部分から雅子さまをお手本になさっていることが伝わりますよね。その上でご自分らしさを表現されているからこそ、可憐かつ上品で、多くの人を魅了しているのではないでしょうか」

つげ のり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など
西出ひろ子 マナー解説者。参議院議員や政治経済ジャーナリストなどの秘書を経て独立。NHK大河ドラマや映画、CMのマナー監修を行う。著書に『マナーのカリスマが大切にする 私スタイルの暮らし方』(主婦と生活社)など
日置千弓 1986年からパリやミラノで世界のコレクションを取材するファッションジャーナリスト。新聞、雑誌にエッセイや評論を執筆。著書に『ブランドエナジー』(小学館文庫)など