
「大きな黒字になったことは成果だと思う」
大阪府の吉村洋文知事は、10月7日、報道陣の前で大阪・関西万博の運営収支が230億~280億円の黒字となることについてこう語った。
しかし、これに対して、
《万博の運営費だけで黒字って、どんな計算してるの?建設費を含めないとか都合良すぎでしょ。それを黒字と呼ぶのはそれこそ粉飾なんじゃないの?》
とXに投稿したのは、青汁王子と呼ばれた実業家の三崎優太氏だ。
「地方自治体が主催している過去の国内博覧会の収支表を見てみたのですが、建設費は含めないことが当たり前のようです。建設費を入れずに、黒字を強調しすぎるのもどうなのかな、と思うのですが、それがこれまでの万博の黒字・赤字の公表のスタンダードであれば、ひとつの目安になるのでは、と思いますね。大阪・関西万博が黒字をアピールしたいがために、操作しているわけではなさそうです」
と話すのは、大阪・関西万博にほぼ毎日、足を運んだ万博マニアの二神敦さん。
“制服”をハサミで切った上で返却
閉幕にあたり、大阪ヘルスケアパビリオンでは、カバンと靴以外のユニフォームについて、「回収時にはさみなどで切った上で返却するよう指示」があったと報じられた。
「非常に残念です。終わった後でも、制服を眺めては当時を思い出して、その後の生きがいにつなげていく。それこそが万博のテーマでもある“いのち輝く”に沿ったウェルビーイングに通じると思います。一部の転売対策のために、ほかの人たちの気持ちを踏みにじるのはかわいそうだなと思いました」(二神さん、以下同)

これには吉村知事も、
《もともと貸与品で転売防止やリサイクルの観点から回収は必要だと思うが、このやり方はおかしいと思う。事実関係含めて確認します。ユニホームにはたくさんの思い出も詰まっている》
と11日、Xに投稿。後に、大阪ヘルスケアパビリオンは、
「アテンダントの心情に想いが至っていなかったと反省し、本日以降の回収については、はさみを入れることを取りやめることとしております」
と切り裂き制服回収を撤回した。
1979年の入場者数は6421万人、今回は…
1970年の大阪万博は黒字が約194億円、2005年の愛・地球博では黒字が約139億円とされている。当時の価値でいうと1970年の大阪万博が一番の成功といえるのか?
「その大阪万博では、6421万人もの人が入場しました。当時の日本の人口は1億人ほど。単純計算で半分以上の人が行ったことになります。一方、今回の万博は、2901万人ですから、そこは大きな差があると思いますね」
大阪・関西万博は成功といえるだろうか?
「もちろん大成功といえると思います。9月からは入りたくても入れないほどで、駆け込み客がこんなに早いペースとなった万博は今回が初めてでした。しかも最終日に満員御礼となるシーンはあまり見たことがありません。あれだけ批判のあった最初のころから考えると、最後によくぞ逆転大勝利になったなぁと、本当に感慨深いです」
実質的な収支問題、切り裂き制服回収と後味は悪かったものの、このまま新たな問題が出ずに、終わり良ければすべて良しとなるか!?