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 加藤シゲアキの小説デビュー作を映画化した『ピンクとグレー』。芸能界の嘘とリアルを描いた本作で、菅田は幼なじみの蓮吾(中島裕翔)と役者を夢見て上京する大貴役を熱演。

「映画で描かれているような芸能界は目の当たりにしたことはないです。でも、よくも悪くもいろいろな人に出会うので、自分の意思を持たないと、悪い方向に行ってしまいそうな感じはわかります」

 蓮吾と大貴は互いを“ごっち”と“りばちゃん”と呼び合うほど仲がよかったが、次第にその立場に格差が生まれてくる。

「いい人そうに見える大貴を、一歩引いたらムカツクやつに見えるよう演じました。チャーミングさも大事ですが、蓮吾がスターになっていく中で、大貴は威勢がいいけど目の前の現実から逃げたり全然、頑張らないんです。そんなダメな姿が1つずつ印象的に、最後は切なく見えればいいなと思います」

 やがて大貴は、苛立ちを初恋の人サリー(夏帆)にもぶつけてしまう。

「僕は幼なじみとの恋はないですけど、彼女を泣きながら押し倒したりして……何か悲しいですね。男の小ささをぶつけている感じが情けないなって思いました」

 ちなみに自身の初恋はいつ?

「幼稚園のころかな。よく好きな子にキスをしていたみたいなんです(笑い)。全然覚えていないんですけど、キスをするのが好きだったみたいで、母親からその話を聞かされました」

 上映から62分。蓮吾の謎の死とともに映画は“ピンクからグレー”に一気に世界を変える。そして、蓮吾と同じく人気スターとなった大貴は、悩みながらも親友の死の真相に迫っていく。

「日常と思える色のある世界が、どこか嘘っぽくて、色のない非日常の部分のほうが生々しく見える。人間の悲しさというか、そこに共感してしまう部分がきっとあると思うので、ぜひ衝撃の62分後を楽しみに見てほしいです」

 映画『ピンクとグレー』1月9日(土)全国ロードショー。配給:アスミック・エース。

撮影/佐藤靖彦