二刀流の復活となった2025年も数々の記録を打ち立て、ドジャースのリーグ優勝に貢献。レギュラーシーズンを振り返ると、数々の超人的記録やエピソードが見つかった。
(1)東京ドームで開幕戦
今シーズンの“Show Time”幕開けの舞台となったのは日本だった。
「ドジャースの開幕戦が、3月18日と19日に東京ドームで『MLB東京シリーズ2025』として開催。大谷翔平選手は、2試合目に今シーズンの第1号ホームランを放ちました」(スポーツ紙記者、以下同)
来日した大リーガーたちへのおもてなしも注目された。
「大谷選手と山本由伸投手が仕切り役を務めた食事会が行われ、マグロや寿司、焼き鳥をチームメートに振る舞いました。妻の真美子さんは出産を控えていたため同行しませんでしたが、夫人会のメンバーに日本のお菓子やケーキを差し入れしていました」
(2)自己最多の55本塁打
2024年の54本塁打を超え、自己最多となる55本のホームランを放った2025年シーズン。メジャーリーグ研究家の友成那智さんは打者・大谷についてこう話す。
「強い打球を放つ割合や打球速度はメジャーでトップクラス。ホームランが出やすい角度で打球を放つ割合も1位。31歳になりましたが、年齢的な衰えはまったくありません」
(3)到達した節目の記録
メジャーリーグ8年目で“節目”の記録にも到達した。
「日本時間6月15日に2本のホームランを放ち、メジャー通算250号に到達。日本人メジャーリーガーでは史上初の快挙となりました。同25日には日米通算300号。日米でホームランを打ち、300号に到達した日本人選手は史上3人目でした」(前出・スポーツ紙記者、以下同)
(4)ついに二刀流復活!
今シーズンはなんといっても二刀流の復活。6月17日のパドレス戦に“1番・投手”で出場した。
「当初はオールスターゲーム後の7月に投手として復帰予定とされていましたが、大谷選手の意向もあり、前倒しになりました。8月28日にはエンゼルス時代の2023年8月10日以来、749日ぶりに勝利投手となりました」
(5)メジャーで自己最速164キロの投球
ただ復帰したわけではない。パワーアップして帰ってきた。
「6月29日のロイヤルズ戦で、メジャーでの自己最速となる101.7マイル(約164キロ)を投じました。9月17日のフィリーズ戦でも101.7マイルを計測。確実にレベルアップしてマウンドに戻ってきています」(前出・スポーツ紙記者)
投手・大谷について、前出の友成さんはこう話す。
「9月5日のオリオールズ戦では、ストレートの平均球速が160キロを超えていました。球速が上がると同時に回転数も増え、打たれにくいストレートに。投手としては期待以上の活躍でしょう」
この復活劇がドジャースに移籍した最大のメリットだったとも話す。
「ひじの靭帯の再建手術からどう復帰させるか、というノウハウがドジャースにはあります。大谷選手も計画を厳格に守り、リハビリや調整をしてきました。ほかの球団でしたらここまでの復活はできなかったでしょう」(友成さん)
(6)今シーズンの“50-50”
2024年はメジャーリーグ史上初となる50本塁打&50盗塁の“50-50”を達成。今年は違う形の50-50をマーク。
「“1番・投手”で出場した9月17日のフィリーズ戦で投手としてシーズン50奪三振を記録し、打者としては50号ホームラン。50本塁打&50奪三振の“50-50”を達成。メジャーリーグ史上初の偉業となりました」(スポーツライター、以下同)
(7)ピカイチな神対応ぶり
地区優勝を争うライバルとの対決は荒れたが、その中で大谷の神対応が光った。
「6月17日から20日の同地区のパドレスとの4連戦では、お互いの主力選手が死球を受けていたこともあり、殺伐とした空気でした。その最終日に大谷選手が死球を受けると、これまでの死球の“報復”だと感じたドジャースの選手たちはベンチを飛び出そうとしましたが、大谷選手が手を上げて制しました。この振る舞いに称賛が集まっていました」
8月25日、同じくパドレス戦ではファンへの対応も素晴らしかった。
「パドレスの本拠地で行われた試合で、大谷選手が9回にホームラン。ベンチに戻る前に、ベンチ横の席に座っていたパドレスのグッズを身に着けた男性のところに行くと、ハイタッチをして肩を叩いていました。大谷選手はこのホームランを打つまで10打数ノーヒットと不調だったため、この男性がしつこくヤジを飛ばしており、その“仕返し”だったのでしょう」
(8)ドジャースの地区優勝に貢献
9月26日のダイヤモンドバックス戦に勝利し、ドジャースがナショナルリーグ西地区の地区優勝を決めた。
「この試合では大谷選手が2ランホームランを放ち、山本投手が6回を無失点に抑える好投など、日本人選手の活躍もあって見事に勝利しました。ドジャースは2021年から4年連続で地区優勝に輝き、今年1度目のシャンパンファイト。大谷選手は“ここを目指してやってきたので、最後、しっかり決められてよかったです”と振り返っていました」
(9)経済効果1300億円超
大谷は莫大なマネーも動かしているようだ。
「関西大学の宮本勝浩名誉教授が算出したところによると、2025年における地区優勝までの大谷選手の経済効果は約1302億8573万円。観客動員数が球団史上初の400万人台に乗ったことや大谷選手個人のスポンサーの増加、アメリカの物価上昇、さらに大谷選手の性格や人間性が多くの人を惹きつけていることも大きいそう。宮本教授は“1人のアスリートの活躍結果である、というようなレベルのものではない”と驚きを隠しませんでした」(前出・スポーツ紙記者、以下同)
(10)定着した“デコルテポーズ”
ドジャースにはホームランやヒットを打った選手によるお決まりのポーズがあるが、それに“あるポーズ”が加わった。
「コーセーが販売するコスメブランド『コスメデコルテ』のCMで、大谷選手が右手の親指と人さし指で商品のボトルを持ち、顔の前を左から右にウインクしながら動かすシーンがあります。これをマネしたポーズがチーム内で浸透。どうやらミーティング中に、このCMが流れたのがきっかけだったようです」
(11)ビューティフルワイフ
1月26日、全米野球記者協会ニューヨーク支部主催の夕食会にビデオメッセージを寄せた大谷。すべて英語による3分間のメッセージを述べたが、その中で真美子さんへの感謝の言葉が話題になった。
「1月にロサンゼルスで山火事が発生したため、夕食会は欠席しましたが、代わりに映像で登場。2024年シーズンの活躍を支えてくれた人たちへの感謝を述べると、その中で真美子さんのことを“ビューティフルワイフ”と呼び、ファンの心をつかみました」
(12)長女が誕生
2024年12月に真美子さんの妊娠を発表していたが、待望の長女が誕生したことを現地時間4月19日にインスタグラムで発表した。
「誕生したばかりの長女の足と大谷選手、真美子さんの指が写った写真と《大谷ファミリーへようこそ!》といったメッセージを投稿。前日から産休制度である“父親リスト”を利用して試合を欠場し、出産に立ち会ったことも話題になりました」(前出・スポーツ紙記者、以下同)
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(13)真美子さんと2年連続でレッドカーペットに登場
7月16日に5年連続5回目のオールスターゲームに出場。試合前のレッドカーペットショーには2024年に続いて真美子さんと登場した。
「2人は手をつないでレッドカーペットを歩きました。真美子さんは開催地のジョージア州の名産品である桃に合わせた淡いピンク色のドレス。大谷選手がアンバサダーを務める『HUGO BOSS』の非売品のようです。大谷選手は紺のダブルのスーツに水色のシャツ。“妻の服の色に合わせて選んだ”と話しており、真美子さんを中心にコーディネートを考えたようです」
(14)トランプ大統領との対面
現地時間4月7日にホワイトハウスを訪問したドジャース一行。ドナルド・トランプ大統領と対面した。
「アメリカでは主要スポーツで優勝したチームがホワイトハウスを表敬訪問することが恒例。大谷選手はトランプ大統領から“ムービースターのようだ”と称賛されていました」(在米ジャーナリスト、以下同)
(15)水原一平受刑者が収監
2024年の開幕直後に発覚した水原一平元通訳による騒動がようやく一区切りとなった。
「大谷選手の口座から不正に送金し、銀行詐欺罪などで禁錮4年9か月が確定していた水原受刑者が、6月17日にペンシルベニア州の連邦刑務所に収監されました。出所後は日本に強制送還となる見込みです」(在米ジャーナリスト、以下同)
(16)ハワイの別荘トラブル
広告塔を務め、大谷自身も購入者第1号となっていたハワイの高級リゾート開発を巡って、訴訟を起こされる事態になっている。
「開発業者の2人が大谷選手の知名度を利用した代理人のネズ・バレロ氏の圧力によって不当にプロジェクトから排除されたとして、8月に訴訟を起こしました。大谷選手側の弁護士は“大谷の承認もなく、正当な対価も支払わずに自己利益を優先した”と反論。互いの主張は完全に対立しており、裁判の第1回期日は11月3日に予定されています」
(17)更新を続ける“史上初”
二刀流で活躍し、これまでも前人未到の記録を打ち立ててきた大谷。今年も多くのレコードを残している。
「ポストシーズンにも二刀流で出場。同一のポストシーズンで本塁打を打ち、盗塁を決め、先発投手として登板したのは大谷選手のみ。今年のホームラン数は55でしたが、シーズン“55本塁打”で終わった選手は意外にもいなかったそうです。50本塁打&50奪三振の“50-50”も含めて多くの記録を達成しました」
まだまだ進化が止まらない大谷。今後もどんな超人的記録を残してくれるのか、目が離せない。
