無派閥ながら菅前総理の“側近”。第2次岸田改造内閣では抜擢案もあった三原じゅん子

 こども家庭庁の三原じゅん子大臣が、わずか30秒弱という極めて異例の短時間で会見を打ち切り大炎上。年間約7.3兆円もの巨額予算を扱う省庁のトップとして、その説明責任の欠如は深刻な政治不信を招いている。

 この「短すぎた会見」は、自民党の高市早苗総裁(64)と日本維新の会・吉村洋文代表(50)が連立政権で推進する「議員定数削減」の議論と結びつき、国民の怒りの矛先は三原大臣を含むタレント議員全体に向けられる事態となっている。

議員削減すべき、三原じゅん子大臣

 三原大臣が17日の閣議後に行った記者会見は、具体的な報告や発言がないまま「いかがでしょうか」と記者団に質問を促すも、幹事社を含む記者から質問が出なかったことを理由に、わずか30秒弱で終了。

 この対応に対し、SNS上では以下のような怒りや批判の声が大噴出した。

《7兆円超の予算を動かす大臣の仕事が30秒で終わるのか》
《国民を馬鹿にしているとしか思えない》
《異次元の少子化対策の成れの果てだ》
《現状報告という最低限の勤めも果たせない》
《楽な仕事でうらやましいです》

後列左から二番目の男性の陰に隠れている女性が三原じゅん子氏ではないかとSNS上で話題に…(小泉進次郎氏のXに添付された画像を拡大)

 全国紙政治部記者は「この炎上は三原大臣個人やこども家庭庁の問題に留まらず、長年に渡る政治不信が一気に噴出した結果だ」と語り、次のように続ける。

「会見の裏で、維新が高市総裁に連立の条件として出した“議員定数削減案”が話題になっていただけに、今回の対応でタレント議員の資質を問う格好の材料となってしまった。タレント議員はパフォーマンスは得意ですが、政策や議論、説明責任といった本質的な仕事は“苦手”ですからね」

 三原大臣を象徴するパフォーマンスで思い出されるのが、2019年の演説ではないだろうか。当時の安倍首相への問責決議案に反対する討論で、野党に対し「恥を知りなさい」「愚か者の所業」と発言。これには野党批判というより「ただの罵詈雑言だ」と国民からも大ブーイングを浴びた経緯がある。

 今回の三原大臣の“仕事ぶり”に対しても「タレント議員を登用するからこうなるんだ」との声が多数上がり、批判の矛先は他の議員にまで飛び火。

「やはり名前が出てきてしまうのは、今井絵理子議員と生稲晃子議員ですね(苦笑)。彼女らが政務官になったときも、『元アイドルに何ができるのか』『政治のプロに任せるべきだ』と批判を浴びたことがあり、現在、過去の論争が再熱しています」(同前・政治部記者)

 実際に2人の名前が真っ先に出され、《まずは今井絵理子と生稲晃子ですね》《今井絵理子はいらないでしょ》《生稲晃子のような無能議員は削減》《タレント議員枠は必要ない》などのコメントが散見しされ、議員削減論議の中で最も切実な意見としてあげられている。もちろん、三原大臣へ《あなたが議員定数削減第一号》という辛辣な声も。

 物価高や低賃金で暮らしの質が低下している国民の前に繰り広げられた、わずか30秒に満たない大臣の仕事ぶり。議員報酬や特権が手厚い政治家への目は、ますます厳しいものとなってしまった。