
10月21日、石破茂前首相の総辞職に伴い、衆参本会議で自民党新総裁の高市早苗氏(64)が新首相に選出された。第104代にして初の女性内閣総理大臣となった高市首相が組閣する、高市内閣が発足する。
総裁選が終われば“ノーサイド”、党一体となって改革に乗り出すのだろう。防衛相に小泉進次郎氏(44)、総務相に林芳正氏(64)ら“ライバル”が要職に就く中で、サプライズ人事になったのが経済安保相の小野田紀美参院議員(42)の入閣だ。
同じく財務相を任された片山さつき氏(66)とともに、総裁選で高市首相の推薦人に名を連ねた小野田氏だが、岸田文雄・菅義偉政権では政務官を務めた経験はあれども、政権の行方を左右する国務大臣となれば責任重大だ。
一般企業での勤務を経て2011年に東京・北区議会議員選挙に自民党公認で初当選。2016年の参院選では34歳にして故郷・岡山県選挙区で立候補して当選し、国政進出を果たした“若手のホープ”として期待される小野田氏。かつて地元・岡山県の「おんな相撲」に毎年出場していた“武闘派”でもある。
彼女の名前が一躍、全国区になったのが「二重国籍問題」だ。アメリカ人の父を持ち、同国で生まれたのちに岡山県に移住。日本国籍を取得して“日本人”として生活を送った彼女だが、区議を務め、そして国会議員になった矢先の2016年10月、アメリカ国籍から抜けていない“二重国籍”であることが判明。
蓮舫氏の二重国籍問題を厳しく追求
同氏は「私の知識不足でアメリカ国内での手続きという努力義務が完了できていなかった」と認めて謝罪。すぐに「国籍選択の宣言」の手続きに取り掛かり、翌2017年5月に「アメリカ国籍喪失証明書」をSNSに投稿して、晴れて二重国籍が解消されたことを証明してみせた。
「小野田氏の問題が発覚したきっかけは、民進党(旧民主党)代表の蓮舫さん(57)の二重国籍問題でした。それまで日本と台湾国籍を保有していた彼女を問う上で、実は自民党内でも小野田氏の件が発覚しました。
しかし、自ら戸籍謄本を公開した彼女に対して、台湾国籍を離脱したことを証明する書類の公開、提出を頑なに拒んだ蓮舫さん。小野田氏は自身の行動を踏まえた上で厳しく追求したのです」(政界事情に詳しい政治ライター)

2017年6月には『夕刊フジ』のインタビューに応え、国民の信用を得る行動を示すことは【海外にルーツがある人間は当然】として、あらためて蓮舫氏を“口撃”。
【なぜ、蓮舫氏は戸籍謄本を公開しないのか。公人にプライバシーはない。それを主張するなら公人を辞めればよい】
ついには蓮舫氏は「政治家をやめるべき」と迫るのだ。これを受けてか、同氏は翌月に戸籍謄本の一部を開示している。
蓮舫さんが私のことを知らなくても嫌いでも
2020年1月にも、参院予算委員会内で杉尾秀哉参院議員の発言に「女性軽視」と野次った小野田氏だが、「ちょっと意味が分かりません」と返された蓮舫氏に、自身のSNSでさらに応戦。
《蓮舫さんが私のことを知らなくても嫌いでも目障りでも良いのですが、Twitterのプロフに「女性の政界進出を応援します!」と書いている女性を公平に見てくれると思っていた蓮舫さんが、この発言を問題視しないどころか、女性蔑視と指摘されたことを問題視するなんて…とても悲しいです。》
前出の政治ライターは、今後繰り広げられるであろう野党との“国会バトル”に注目する。
「かつて党代表を務め、そして東京都知事選にも出馬するなど“トップ”になる野心と意欲を持ち合わせる蓮舫さんだけに、“女性初の首相”を素直に祝福しているとは思えせん。そして高市内閣に入閣することになった小野田氏。
大臣として国会答弁の機会も多くなり、その際には蓮舫氏が先陣を切って厳しく追求する姿が目に浮かびます。“政治家を辞めよ”と言われたこと、彼女は決して忘れていませんよ(苦笑)」
国会内での野党とのせめぎ合いで見せる姿に「顔が怖い」とたびたび指摘され、自身も《あの中にいて笑顔は無理です》と自覚する小野田氏。蓮舫氏とは国会で、がっぷり四つの答弁を見せてほしい。