
10月21日の首相指名選挙にて、第104代首相に選出された自民党・高市早苗総裁(64)。女性初の首相が誕生した決選投票では、国民民主党の女性議員による“造反”投票も起きてーー。
参議院が公表した記名投票の結果、高市首相は125票、対する立憲民主党・野田佳彦代表(68)は46票、どちらにもカウントされない無効票は47票、無記名の白票は28票だった。高市首相に投じられた125票のうちの1票が、国民民主の小林さやか参院議員(42)によるものだった。
第1回投票では、国民民主の全議員が玉木雄一郎代表(56)に投じたように、決選投票でも同様の方針で投票する予定だった小林氏。同時に参政党やれいわ新撰組らも党代表に投票して「無効票」となっている。
しかしながら決選投票にコマを進めているのは高市氏と野田氏の2人。本来、議員に与えられた選択肢は二つしかなく、小林氏は“ルール”に則った上で高市氏を選んだように思えるが、結果が明かされると「戸惑って高市氏の名前を書いてしまった」と弁明。党への“造反”ではなく「ミス」としたのだ。
本人から事情を聞いた党幹部は厳重注意を下し、玉木代表もまた「今後こういうことがないように厳しく指導したい」としている。
NHKでは選挙や行政も担当したプロ
東京大学法学部を卒業し、NHKでは記者、ニュースデスクと報道に携わり、2025年7月の参議院議員選挙で国民民主の公認を受けて立候補。見事に千葉県選挙区でトップ当選を果たして政界入りした小林氏。いわば“1年生議員”だけに、間違いもありそうだがーー。
「日本の未来を左右する首相指名選挙は、議会での採決や投票などと違って独特の雰囲気があります。新人議員が場に呑まれて“ミスした”としても頷けますが、小林議員は記者時代には選挙や行政の担当経験もある、政治面においてもプロだと聞きます。
そんな政治家よりも政治のルールに精通しているであろう彼女が、はたして決選投票で“戸惑ってミス”をするものなのか」
全国紙の政治部で記者経験がある、フリーの政治ライターが首を傾げるように、SNSでも小林氏の行動に対して、

《小林さやか先生、間違えてませんよ。それで正解》
《小林さやか氏は、国会議員としての責任を果たしたということだ》
《通常の指名選挙なら自党の代表を書くのが常識だけど、決選投票なら二択が正しいでしょう。 小林さやか氏は間違ってないと思います。》
小林氏が「高市早苗」を書いたことを「間違っていない」とする、2名による決選投票であるのに「玉木雄一郎」を書くのはおかしい、との疑問の声も上がっている。
立憲民主の小川淳也幹事長(54)も首相指名選挙を見据えた9月、2024年11月に石破茂前首相(68)が野田氏を破った決選投票で、国民民主をはじめとする各党の無効票が84票もあったことに触れて、
無効票を投じるなら議員辞職するべき
「何党の誰であれ、首相の指名選挙で無効票を投じるなら議員辞職するべきだ。無責任、極まりない」
「無効票」を投じることは、国会議員の職務を果たさない無責任な行為と断罪している。なるほど、国民の声を届けるはずの“代議士”が、一見、何の意味もなさないように思える無効票を投じることは責任放棄とも受け取れるが、先の政治ライターによると、
「小林議員は“国民民主党”の名をもらって立候補、当選できているわけで党に従うのは当然です。高市氏への投票が意図的であったのならば無所属で、もしくは自民党に“鞍替え”して出直す必要があるでしょう。よって国民民主による厳重注意も当然ということです。
国民民主もまた有権者から選ばれた政党であって、議員らは“玉木さんを首相に”と期待する支持者、国民の声を届けているにすぎません。“無効票=無責任”とするのならば、選挙における法に則った明確なルールを定めるしかありません」
たとえ玉木代表よりも高市首相の方が適任と思ったとしても、党員はわが党首を推し続けなければならないようで。