国民民主党・玉木雄一郎代表(2024年11月)

 国民民主党の支持率が急落している。『読売新聞』が10月21日〜22日に実施した世論調査で、9月の調査から4ポイント下げて5%となった。背景にあるものは、政局の激動で同党の玉木雄一郎代表が見せた“どっちつかず”の振る舞いだと指摘するのは政治ジャーナリストだ。

吹いていた“追い風”はこれまでか……

「10月4日に行われた自民党総裁選で、小泉進次郎氏が有利とも言われた事前の予想を覆し、高市早苗氏が当選しましたが、高市氏の保守色の強さに難色を示した公明党が連立離脱。野党への協力姿勢も見せたため、野党が結集すれば政権交代ができる可能性が生じました。そこで立憲民主党の安住淳幹事長が、国民民主党の玉木雄一郎代表を野党統一候補の名前に挙げるも、玉木氏は政策の違いなどを理由に固辞します。一方で与党の自民党側も、玉木代表を首相にかつぐ案もあったと取り沙汰されていました」

 結果的に、日本維新の会が閣外協力の形で自民党との連立を組み、高市首相の誕生につながった。

 今回の国民民主党の支持率急落は“決断できなかった”玉木氏への失望が反映されたものと見られ、ネット上でも厳しい声が並ぶ。

《当たり前ですな。正直がっかりしたわ。評価ダダ下がり》
《すべては玉木が煮え切らない態度取ったから自業自得》
《玉さん、右に左にぶ~らぶら本当に、信念もって政策を語ってよ》

 こうした声が聞かれる理由を前出の政治ジャーナリストが指摘する。

「10月21日に行われた首相指名選挙で、高市さんは衆議院で237票、参議院の決選投票は125票を獲得しています。どちらも過半数をわずかに上回る数ですから、依然として安定した政権運営は難しい。玉木さんにとっては政策の違いが大きい野党統一候補の案に乗らずとも、維新とともに国民民主党が自民党との連立政権に入り、政策の一致点を見出す道もあったはず。どちらの案にも乗らず、さらには公明党との連携強化も表明したため、これまでの国民民主党の支持層にも失望を与えました」

 国民民主党は2024年10月に行われた衆議院議員選挙で公示前の7議席から4倍増となる28議席を獲得。比例候補が足りず、他党に3議席を譲るほどの大躍進を見せた。2025年7月の参議院議員選挙では、17議席を獲得。非改選の5議席を合わせて、公示前の9議席から22議席となり、倍増を超える結果を出したのだが……。

 今回、玉木氏が見せた優柔不断な態度で、これまで国民民主党に吹いていた“追い風”が失速するのは仕方ないのかもしれない。