男女300人に聞いた男性名バイプレーヤーランキング

 映画やドラマなどで、スポットライトを浴びて輝く主役たち。しかし、その輝きを際立たせる役目を担うのが“バイプレーヤー”たちだ。時には主役の味方として力になり、またある時は敵として主人公の魅力を引き出す─。俳優としての実力がなければ成り立たない“バイプレーヤー”だが、そんな俳優が主役を演じたらどんな芝居を見せてくれるのだろう。

 そこで今回「主役を演じてほしい名バイプレーヤーは?」というアンケートを、全国30代~60代の男女300人を対象に実施。どのような男性脇役が選ばれたのか?

ユーモアが評価の佐藤二朗

佐藤二朗

 まずは3位から。11票を獲得した、佐藤二朗(56歳)。

「ユーモアがあって、いろいろな役をこなすけど、そのすべてで独特の演技を見せてくれる」(兵庫県・男性・66歳)

「硬軟とりまぜた演技が素晴らしい。ドラマ『勇者ヨシヒコ』で演じた仏役は、彼しかいないと思える配役だった」(神奈川県・男性・58歳)

 シリアスな演技からコメディーまで、さまざまな役を演じてきた佐藤。その魅力をスポーツ紙でドラマ担当の記者はこう話す。

「サラリーマンになっても“自分は俳優になる運命だ”とずっと思っていて、最終的には自身で劇団を立ち上げて夢をつかんだ、ある意味“信念の人”。佐藤さん独特のセリフ回しと、ひょうひょうとした雰囲気で、何をやり出すのかわからない面白さと恐ろしさを感じさせる俳優です」

 共演者が、思わず素で笑ってしまうようなアドリブを見せる佐藤だが、自身のXでは、《多分僕にアドリブは一語もない》と明かしている。すべては計算されたもの、ということなのか。

2位はべらぼうでも存在感を発揮

安田顕

 そして2位は15票を集めた安田顕(51歳)。

「二枚目から三枚目まで、幅広い演技ができる人」(広島県・男性・62歳)

「『べらぼう』で存在感を発揮され印象に残った」(神奈川県・女性・64歳)

 大泉洋らと共にTEAM NACSのメンバーとしても
人気の安田。ヤクザや刑事、はたまた宇宙人の役など、その芸風は幅広い。

「北海道テレビの深夜バラエティー『水曜どうでしょう』で全国に名前が広まりました。最近では、コメントにもあるように大河ドラマ『べらぼう』で演じた平賀源内役で注目され、作品中で亡くなった後には“ロス”で視聴者から惜しむ声が上がっていました」(前出・記者)

 もともとは自身の暗い性格を変えたい、という目的で飛び込んだ俳優という世界。バラエティーなどでも見せる陽気な姿からは想像できない?

1位はクセが強い?

 そして18票を獲得して1位に選ばれたのは、六角精児(63歳)。

「『相棒』『電車男』『名古屋行き最終列車』、どの作品でも味のある演技を見せてくれた」(愛知県・女性・47歳)「この人が出ているだけで作品全体が引き締まる感じがするのでやはり魅力があるのだと思う。主要キャラを食うことなく、生かす演技ができる人」(東京都・男性・50歳)

「クセが強いけど、六角さんが出ていると、なんとなく彼の演技を意識してしまう」(三重県・女性・34歳)

 個性派俳優として人気の六角。アンケートでは、ドラマ『相棒』(テレビ朝日系)で演じた鑑識課の米沢守が印象に残っているとの声が多かった。

「ドラマ『電車男』(フジテレビ系)で演じたオタク役で注目を集めました。作中、壊れたパソコンを自力で直したり、『相棒』でもパソコンを使いこなす役を演じていますが、実は本人、まったくわからないそうで、ネット接続の設定すらできない、と明かしていました」(前出・記者)

 俳優として評価されている今からは想像できないが、六角自身は中学生のころ、芝居が好きではなかったという。

 ここ何年かで注目されるようになった、脇を固める役者たち。主演を食うほどの演技で、これからもいろいろな作品で楽しませてほしい。

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<取材・文/蒔田 稔>